病院長交渉報告



日時: 2001年3月7日木曜日 15時〜17時10分
場所: 管理棟1階第一会議室
出席: <当局> 生塩病院長、水野事務部長、渡邊看護部長、長津総務課長、藤井管理課長、宮田医事課長、増本副看護部長、中村副看護部長、片山総務課長補佐、中村人事係長、芹川人事主任 11名
<組合> 丸山本部執行委員長、新井本部副委員長、佐藤副支部長、野崎副支部長、高橋書記長、木下書記次長、西山執行委員、濱田執行委員、奈須執行委員、田村看護婦部会員、坂西看護婦部会員、徳永書記 12名

*組合、当局 自己紹介

<組合> 組合は発足以来安心して働ける職場、働きがいのある職場をめざして数々の取り組みを行ってきた。理解ある回答をお願いしたい。

 淡色文字部分は予備交渉で済み

 1.病院の再開発について

1) 情報の民主的な公開を常におこない、開発の進行状況を伝えること。
2) 実際に働く職員の声を積極的にとり入れること。
3) 救急外来の将来計画を明らかにすること。
4) 再開発後の医療を充実させるための増員計画について明らかにすること。
5) 保育所の位置づけの明確化並びに組合事務所の場所を確保すること。

<当局> 再開発については皆さんには情報公開していると思います。現在西病棟の建設が順調に進んでいる。ほぼ原案通りである。最後の変更があるが2002年3月竣工で内部の整備、搬入、機器など内部にいれるものは予算の中には認められていない。予算では40億から50億必要だが今のところ建物だけの10億しか認められていない。文部省へ事務が日参している。全国で20大学が再開発中で全国で予算が80億、それを20大学で割ることになる。できるだけ獲得して要求が通るようにしていきたい。
 移転するのが2002年夏以降になる。今年の4月から移転実行委員会を立ちあげてスムーズに移転を行いたい。中央診療棟については平成14年度の概算要求にいれる。原案通りであるが、教育研修のスペースがほしいという要求がある。これはコ・メディカルや生涯教育の部屋と教育研修の部屋を作るので6階の上に1階プラスして7階にしたいと考えている。中央診療棟の建立の際に山崎記念会館を動かさず建てる方法、樹齢100年の楠を切らずにやれる方法を考慮した。産業道路側に会館を移動させるのには2億かかるのでそのまま動かさないことを検討している。将来は会館の周辺を公園にして患者さんや職員の憩いのスペースにしたい。そうなると駐車スペースが減る。現在は産業道路側に3階建ての立体駐車場を検討している。あと川縁も公園にしたいと考えている。又、中央診療棟の屋上にヘリポートの設置を予定している。変更はこのくらいであとはほぼ原案通り。エレベーターの位置や部屋のしきりなど細かいところで多少原案と変わる。東病棟予定地で平成14年度から埋蔵調査にはいる。建物に関しては以上です。ソフトに関しては今のところ力をいれているのは部局内で動けるような組織を作るということ。ナンバー内科、外科を臓器別にしてケアの結びつきをつくる。大診療科体制として高額医療、血液浄化利用法部、母子周産センター、教育研究センター、地域連携センターが中央診療にはいってくる。
<当局> 理解していただきたいのは委員会でも説明しているが病院の再開発については財政投融資でできる。工学部や理学部のようにはできない。病院は収入を上げることを見越して前借りして建てる。建物にもお金がかかるので歳出の通常の予算ではまかなえない。先行投資で建てる。何年たったら償還できるか償還計画書が必要になる。熊大病院は平成27年に償還が終わるような計画書を出さされている。できなかったら再開発を中止させられる恐れがある。コンピューターとか診療の設備とか建物にいれる機械なども借金。病院の収入状態によって増えるし悪ければ減らされる。考え方が他と違う。より充実した病院、働きやすい環境、これぞ大学病院だと思えるようなものにしていきたい。一生懸命働いてもらって収入が上がった分は自分たちのところへ返ってくるものであるという点をご理解していただきたい。
<当局> 救急外来についてはどのような役割かというと、現在3次、4次に近い患者を看ているが物理的にキャパシティがない。限界がある。県下で3次救急が増えている。他の病院で多臓器不全の患者でお手上げの時は大学で看る。高いレベルの患者を看ることになる。救急の教育をする設備も必要になってきていて県内の指導的役割も出てくる。グローバルな救急体制のリーダーになれる教育できる施設として落ちつかせたい。将来はセンターのような大きな形にしたい。
 保育所についてですが一般的に言えば患者、職員のアメニティを充実させる、必要あるのは視野にはいっている。約束はできない。再開発の青写真にはないが壊すということにもなっていない。
<組合> 今の案では通路になっているが。
<当局> 原案通りでない時もある。
<組合> 位置づけの中でいまは授乳室となっているが今後のあり方を考えるなら再開発の中でちゃんと位置付けすべきではないか。
<当局> 文部省も必要であると考えていた。何か規制があるからではないでしょうか。時代の要求は変わってきている。
<組合> よろしくお願いしたい。
<当局> 行政財産の中で設置主体が都道婦県になる。児童福祉法で大学が雇用主になれないし保育所という名前も使えない。書類に明確に書けない。しかし、これから将来的に継続させていく。個人の意見ですが


 2.看護婦増員及び待遇改善について

1) 増員によって2:1看護体制を実現して労働条件を改善すること。
夜勤体制を3人以上に強化して回数を月8回以下にすること。
救急外来に適正な人員配置を行うこと。
年次休暇の取得日数を全国平均(14日)に引き上げること。
超過勤務時間が短縮できるような体制を整えること。
2) 病休、長期研修者についてはただちに代替要員を保障すること。慢性的な人員不足に対する 応援体制を中止すること。必要な場合には稼働率を引き下げること。
3) 再開発後の看護体制を強化するための増員計画を立てること。
4) 4週8休の完全実施について責任を持つこと。
5) 二交替制の試行、導入は行わないこと。
6) 働きやすい職場づくりのために
希望に応じて看護の専門性を重視すること。特に、45歳以上の職員の希望は優先的に尊重すること。
統一した看護部の情報が届くようにすること。
ナースキャップを自由着用にすること。
7) 病棟婦の削減を行わないこと。

<組合> 2対1で方針が決まったという事ですが、4月からの定員内の増員数と暫定定数を教えていただきたい。治験センターの1名だけでしょうか。
<当局> 概算では1名、暫定定数はいろんな事情で18名は確保できるか微妙。定員内は1名増えるとは限らない。
<組合> 私たちは2対1になることで体制が改善されると期待していた。しかし病棟婦削減問題と2-1)についてすべてかかってくるので一度にやる。最初に今回の増員の目的を文部省は、医療事故防止への対応、患者サービス、勤務体制の改善としている。今回全国で773名の非常勤ではあるけれども増員され、熊大病院にも23名の配分があった。増員されたことでどういう事をめざしたいのかビジョンを病院長、事務部長、看護部長それぞれからお聞きしたい。
<当局> 看護婦を増やして上位の体制にするにあたりつまり2.5対1を2対1にするには無理がある。今度のステップにするのに文部省の23名だけでは足りない体制。2対1にできるだけするために足りない分の増員を院内で措置した。この増員を行うには財源が必要で、病院長裁量経費等をこれにあてて努力が実ったと思っておられていいと思う。今回は一つのワンステップ。いずれ欧米並の看護体制に近づけていきたい。一歩達成しようとするときは痛み分けが必要である。稼働率のアップと在院日数の減で全国平均以上の数が上がった。2対1にしてみんながこれまで努力した成果を出したいという考え。本来病院長裁量経費は医療機器とか設備の充実に使いたいと思っていた。しかしこれまでは看護婦雇用に使っていた。このひずみを将来どういう風にしようかと考えていたく。このひずみを努力でただしていきたい。痛みを伴わない政策はないというのが私の考えだ。
<当局> 2対1は念願であった。これまでは人員の問題だった。質をあげたい、専門的なところを深めていきたい、と思っている。文部省の23名の配置でどうかなと検討した。昨年から夜間看護加算を取るために院長裁量経費で増員していた分を含め37名でスタートできる。しかし、それだけの人数ではできると思っていない。業務内容を見たとき雑多な仕事を整理しながら離せるものは離す、取り込むものは取り込んでいく。今回取り込む配膳業務は大事なもの、ベッドサイドでケアしながらできる。はずした業務はメッセンジャー、物品供給、搬送、おしぼりづくりなど。ハウスキーピングは外注へ持っていく。注射関係では1本渡しでやっている。安全な物品供給など拡大していく方向。業務整理しながらワンステップ踏み出したい。
<当局> ゆとりのある2対1とキリキリの2対1がある。ゆとりのあるほうがいいのはつれづれわかっている。しかし当面はキリキリのスタートとなった。将来はゆとりのある2対1にしたい。先行投資でなったのでこれが定着し収益が伸びれば一人づつゆとりが出てくるのではないか。ICUの整備、救急センターなど社会の要望に沿ったものになってもいく。それがいつになるのか約束できる数字は示せないがゆとりある2対1をめざしていきたい。今回の23名もこれまで年間1名か2名だった増員が病院の収入が伸びて収益が上がるという試算があればこれまで採用を抑制していた非常勤職員での採用を文部省が認めた。文部省も譲歩したということ。将来はゆとりある職場環境がいい方に向かって行かなければいけない。
<組合> 予備交渉では「病棟婦を減らしても看護業務は増えない」という回答を管理課長からもらっているが実際病棟婦が減らされれば私たちにかかってくるこのことについて二内科の方から発言してもらいます。
<組合> 3年前までは2対1はとんでもないと言われた。いま、それぞれのビジョンを教えていただいたが「ひずみが出てくるが努力していただきたい」といわれた。2対1にする代わりに病棟婦がやっている周辺業務をやることで現実のひずみに対応していくという事でしょうか。病院長のビジョンが見えない。今回二内科の5、6階には看護婦が増員されていない。理由はなんでしょうか。看護部長にお聞きしたい。
<当局> 二内科には看護助手を0.5名から1名にした。看護婦は5病棟3階、4階と同じにした。いままでが多かった。実績をふまえて配分した。
<組合> 実績の中身を教えていただきたい。
<当局> 稼働率、業務量調査、看護度の問題を念頭に置いた。
<組合> 重症度からいけば二内科は看護度は高い。
<当局> 質とか内容など条件はわかっている。どこも業務量、看護度は重症化して同じなので稼働率で判断した。同じ人数でやっていただきたい。
<組合> 稼働率でいえばクリーンベッドを作るのに二人部屋に一人しかいれられないので低くなるのは当然の事。今回各科1名増員されているところが多い。各科1名増えても夜勤回数はかわらないのでは。
<当局> 少しは減ります。3人夜勤の申請がきているところがある。夜間看護加算との問題もある。
<組合> 9回以下でないといけないでしょう。二内では2人夜勤を行っているが、配膳を看護婦がすることになれば準夜が6時のご飯を配膳しなければならない。その時間は点滴や注射の準備を行ったり薬を配っている。病棟で話し合いを持ったが、早出、遅出を作ればプライマリナーシングがやりにくくなる。日勤が婦長命令で残業をするとなっても減らせといわれている超勤なのでカットされる。看護部ではプライマリを目標とされていますよね。このままでは定着どころかできなくなるのではないか。
<当局> 看護の内容を高めるためには続けていきたい。アソシエートナースとか。
<組合> 早出、遅出をつくればそれもできないでしょう。
<当局> やり方を工夫したい。アソシエートナースのやり方とかリーダーが見回す体制にする。
<当局> カバーする人を作る。
<組合> これだけ機能別をなくしたのに早出、遅出では機能別になるのではないか。看護部の目標を実行していくためには今のままでは残業でやるしかない。
<当局> それでも患者は看れるわけですから。
<組合> 見方が違うからプライマリで計画を立ててできなくなる。
<当局> 業務の内容を見直していく。
<組合> だったらプライマリの質を落としていくという事でしょうか。
<当局> そうではない。
<組合> だったら日勤者が残業をするしかない。これは二内科だけの問題ではなくどこの病棟も同じはず。そうなった場合超勤の費用はくるんでしょうか。
<当局> 来年度の分は予算がきていないのでわからない。
<組合> 超勤費用は間違いなく増える。質を守るためには仕方がない。超勤カットか早出、遅出をして質を落とすかどちらを選べばいいのでしょうか。
<当局> 今はどうしているのか。
<組合> 配膳はしなくていいので食事介助にはつけている。
<当局> 今でも夕方は2人いるわけですよね。
<組合> 絶対医療事故がおきる。注射、点滴の準備をしながら配膳をしていくことになる。それに配膳、食事介助も入る。ここにインシデントレポートがあるが注射、点滴の準備の途中のヒヤリ、ハッとが200件あげられている。
<当局> 介助は今もやっているのでしょう。
<組合> 今は配膳をやらないからできている。
<当局> どのくらい配膳にかかりますか。
<組合> 1時間ぐらいです。
<当局> 遅出を作ったとしてプライマリもいろいろあって熊大方式でや
っていく。アソシエートナースをつくる。
<組合> アソシエートナースを作ったとしても日勤者は残業することになる。
<当局> そうですね。看護助手が0.5人増えるでしょ。結局、二内科ではどのようにすると決めたのか。
<組合> まだ決めていない。患者さんにあわせて一日が動いていくのがプライマリのあり方。遅出は10時にくるわけですから一日の計画もたてられない、看護婦にあわせて患者さんが動くことになる。ということはプライマリがやれないということになる。
<当局> それをカバーするための体制を取る。
<組合> それはプライマリの定着とは言えないのではないでしょうか。方針を変えるおつもりですか。
<当局> 二内科5階では後退と思っているのか。
<当局> 稼働率の事もある。
<組合> 40ベッドで一人で二人分のベッドを使っておられるので当然稼働率は70%ぐらいにしかならない。あげようと思ってもあげようがない。血液疾患でちょっとでも動けば血管が破れるので全面介助が必要な人がほとんど。
<組合> 実態をわかっておられないのではないでしょうか。
<当局> 二内科はゆっくりといい看護ができていると思っている。よその病棟ではそれができていないのでできるようにしたいと思っている。他科でも同じようにやってほしい。
<組合> 2対1にして看護料も上がる。お金を取って今以上に他の業務に忙殺されて患者さんへのケアが滞れば患者さんに対する詐欺になるのではないか。二内科は一例。何とか考えてほしい。
<当局> 病院全体で考えていかねばならない。
<組合> 赤煉瓦No34にあるように全国の2対1の病院での看護補助者は100人あたりで5.36人、熊大は2.18人。半分以下でやっている。
<組合> その数値はお手元の資料にあるのでぜひご覧いただきたい。先ほどからひずみとか痛みとか言われているが何を言っておられるのか。全く痛む必要はないのではないか。病棟婦削減の事か。
<当局> 必ずしもそうではない。病院長裁量経費も人件費として使うお金でないお金を使っている。医療機器とか高度医療機器に使うべき。それも痛みの一つ。
<組合> きちっと文部省から来る予算がある。14名分は減らされる事はない。資料6の3枚目の赤煉瓦No38はお読みいただいていると思うが、この中で間違いが有れば指摘していただきたい。減額となるのは医療費。文部省も医療サイドや世論の声を反映させて今回増員している。医療事故防止が改善されなかったらどうするのか。2対1になって医療事故がおきたらどうするのか。
<当局> 根っこでつながっているかもしれないが病棟婦削減と医療事故は
関係ない。
<組合> それは甘い。
<当局> 今のままでは豊かな2対1はできない。先行投資で切り込んでいこうとしている。2対1に移行できない大学もある。熊大病院ではもらった23人だけでなく別に14人増やして2対1体制をとってみた。
<組合> 下請費用を8千万円から5千万円にしたのはそちらが予算を取って来れなかったのではないか。
<当局> みんな条件が違うなかで経営努力をどこまでやってかだ。看護婦の協力を得ることからやろうというになった。
<組合> 2対1になったからと言って楽になるとは思えない。医療事故が絶対起こる。
<当局> 医療事故が絶対起こらないとは言えないが、医療事故に直接結びつかないのではないかという事だ。
<組合> 病院内のリスクマネージメントを見ても作業中に呼ばれた時の率が高い。準夜2人で配膳業務が加わったらそういうことが頻繁に起こる。事務の方でもわかられるでしょ。
<当局> それは否定しない。それはわかる。しかしどうやって2対1にしていくかを考えている。医療事故はあってはいけないこと。
<組合> リスクにさらされることをさせるというのはおかしいのではないでしょうか。
<当局> 調査して今後どうするか提案、指摘していきたい。
<組合> 実態を把握していただきたい。
<当局> 合理化、体制案が必要だ。
<組合> 患者さんの声が聞ける看護を私たちはめざしている。リスクをあげるだけなら2対1は意味がない。
<当局> 経営改善がうまくいかなければで今回の23名は没収される人数である。そういうことを理解しておいてほしい。
<組合> 2対1になる大学は少ない。
<当局> 看護婦の増員で2対1にもっていこうと決定した。今回の23名では物理的にできない。トータルでは37名増える。
<組合> 補助業務を看護婦にもってきてぎりぎりの2対1で周辺業務をすることになって患者さんのために何もならない。
<組合> 先ほど病院長が欧米の話をされたが、日本の現状では熊大の補助者は少ない。病棟婦を削減すれば2対1になっても変わらない状態になるのではないか。
<当局> 収入だけでなく患者のアメニティ、医療のレベルをあげたい。今回の事の2対1はそのワンステップ。確かに収入は上がる。そのお金をどこに使うかそのひずみを解消するためにどうするか考えていかなければならない。病院は経営の方針を迫られている。
<組合> 迫られているのは看護補助者削減の報告への転換ではない。文部省の方針でも補助者の削減にはなっていない。
<当局> 文部省の考えは各大学で創意工夫しなさいという考え。それが医療事故につながるなら改善しないといけない。協力、痛みを分かち合いながら体制を維持していくか、元に戻すかになる。ゆとりのある2対1にしたいと思っている。なけなしのお金でスタートしている。医療事故の原因に関する資料があれば提出していただきたい。
<組合> 近い将来看護補助者の削減計画を見直すということか。4月からでもできるはず。看護婦雇用の財源は削られていない。事故に関する資料なら先ほど提示したようにすでにここにある。
<当局> 見直しの確約はできない。医療費は人件費に使えない。14人採用しやりくりしてやるためには創意工夫のやり方が必要。いつまでもこの状態を続けるつもりはない。現時点はスタート時点だと言うこと。
<組合> 4月からスタートさせるというのに間違いはないのか。
<当局> 医療事故の事実関係を調査する必要はある。
<組合> 看護婦問題については学長交渉の議題としてもあげている。学長が最高責任者なのであげていく。増員で2対1になるがこういう事をするならどうみても労働条件がよくならない。働きがいのある安心できる職場づくりを期待している。事故が起こったらではなくその前に防ぎたい。私たちの考えを理解していただけないのなら県庁記者クラブでの記者会見をやってもいいと思っている。
<当局> 私たちは事故が起こらないものとして考えている。提案があったような事実関係があれば見直しする。
<当局> 病棟婦削減が14人雇っているからと書いてあるが、メッセンジャーを2人増やしてコンストラックシステムを強化していく。病棟婦の費用はそちらへいっている。看護部と相談して全体的な改善としてやっている。
<組合> 赤煉瓦のニュースによる私たちの提案を踏まえてきておられると思ったがコメントが一切ないのは何故なのか。
<当局> 見直しは算数でこちらを減してこちらへつけたということではない。算数、人数あわせだけでない。
<組合> このニュースでここに問題があるとか、なぜ提案のようにはできないかに関しての回答をお願いしたい。
<組合> 今回の病棟婦削減は婦長会で決められたと聞いている。
<当局> 婦長会はスタッフの意見を集約してきていると思っている。代表ですから。
<組合> スタッフは知りません。スタッフに検討させる時間もなく18名の賛成で婦長会で決定されたと結果だけ聞いている。
<当局> その中でトータル的に考えている。将来的にみて病棟婦がいるのかどうかもわからない。看護助手は必要と考えている。病棟婦を全部なくした場合の案も考えている。一歩一歩考えているところ。今回も病棟婦を残してよかったのかなとも考えている。いちいち回答する必要はないと思っている。先ほど病棟婦の数の話がありましたが看護協会の資料となるといろんな病院が入っている。搬送とか業務の内容も違う。そこがいい看護をしているかと言われたらわからない。
<組合> そういうことはない。熊大よりいい看護をしているはず。熊大病院より悪いところはない。年休一つとってもよそはもっと取れている。
<当局> そんな熊大病院の看護婦はいい看護をしていると思いますよ。婦長会の中でも創意工夫してやっていこうと同意を得ている。
<組合> わかりました。平行線のようですので次の項目に移ります。今日は4月から内科外来が臓器別の診療体制に変わるということで外来の方から代表として出席しておられるので発言していただきます。
<組合> 内科外来は他の外来診療科に先がけ5月上旬より臓器別診療体制導入の予定となっている。一内、二内、三内、神経内科、代内、総合診療部、循環器内科を呼吸・血液・神経・消化器・腎臓・代謝内分泌・感染免疫膠原病・総合診療部・循内の9診療科に分かれ25ブースで毎日診療が行われる事になる。それに伴いシステムが軌道にのるまでかなりの混乱が生じてくると想定される。今回の導入にあたり外来看護婦の増員にご配慮いただき大変感謝申しあげる。しかし、現在の外来看護の状況は基本カードと患者IDを入れたフィルムのマッチングから始まり初診・患者の問診チェック・診療案内・問い合わせ・電話応対など殺到する種々雑多な業務に追われ患者の顔を見る余裕すらない場合もある。受付の繁雑さによりカルテの流れが滞り診察がすぐにできない状況になることもある。診察の介助にはつけてないのが現状である。また、血液検査結果などの伝票整理に携わるカルテの出し入れなどで時間の大半を費やしている。外来に看護指導室も設けられ環境面で形作られてきているが看護婦の時間がとれず有効利用されていないのが実状である。私たちは外来看護とは患者が通院、入院、在宅と看護が継続されていくため患者の自己管理を支援し次の外来日まで病状を安定させ質の高い生活ができるよう在宅療養を可能にする必要があると考える。又、患者を効率的にできるだけ待たせないで帰宅できるようにしなければならない。しかし、この現状の中から看護を必要としている患者を把握し、関わっていく時間を捻出するにはそれ相応の看護の力が必要であると思う。外来看護婦の仕事の中には医師や事務などの仕事ではないかと思われるものが整理できずにある。今回臓器別診療体制導入を機会に業務整理を検討していただきたい。提案の一つは中央カルテ化の導入推進に向けて基本カードをビニールに入れカルテと一緒に診療ブースへ搬送する業務の人員確保、例えばクラーク、パートの導入。二つめは電子カルテの導入推進に向け、毎日600枚以上の検査結果伝票の手貼りに伴う看護婦の膨大な労力と時間を外来看護に有効活用させるためコンピューター画面活用を最優先させた診療体制への変更、これには医師のご理解協力も必要。三つめは予約制導入の徹底、予約センターの設置、予約制を前提としてコンピューターシステムの充実です。以上のような事を今後検討していただき看護本来の役割を発揮し、実践に活かすための体制を作り上げていただきたい。
<組合> 続いて救急外来について発言していただきます。
<組合> 現在救急外来は日勤帯はICUが夜間は中央手術部が看ています。4月からすべてICUに移行することになります。夜勤回数が準夜5人、深夜5人で組んで3名増員で1人11回から12回組むことになります。これはみんなの意見ですが、他の病棟と回数に差があるのはおかしい。30年前から月8回夜勤が言われているのに増えるというのはおかしい。現在でも10回ぐらいの夜勤だが当面3名の増員を要求したい。又、救急外来は地域支援で行われているが体制が全体で考えられていない。交通事故で運ばれた患者で輸血が必要な患者だったが輸血部で交差ができないと言われた。こういうことがあったことを知っていただきたい。また、レントゲンを撮りに行くのにも装置がないので200から300メートル離れたところに移動しないといけない。途中で心停止などあった場合対応できない。教授が外傷専門ということで対応できる人員も十分でない。どこの部門でも足りないのは良くわかっている。しかし、医師が1名、看護婦が1名では何か起きたとき対応できない。病棟の医師の応援がない。又、あっても経験のない医師も多い。救急体制を確立していくのであればもっと全体で考えていただきたい。現状ではICUの看護婦は救急外来にいきたくないと言っている。
<当局> 他の病棟より夜勤が多い事は知っている。平均で10.4日多い人で12回。救急外来もこの一年みてみると増えてくる予測はある。ICUで患者が減ったら状況で年休をやるようにと指導している。今後様子をみていきたい。現状では3人の増員でやっていただきたい。本当は病棟に増やしたかった。力のある看護婦の実力を発揮していただきたい。実績をみていって対応していただきたい。
<組合> 夜勤回数が増える事についてはどのように考えられるのか。
<当局> ICUで考えなければならない。実績で判断しないといけない。実績をつくっていってほしい。
<組合> ストレスがある。ICUだけ夜勤回数が増えるので転科したいとみんな思っている。
<組合> 輸血とか、事務とかのトラブルが多い。病院全体でバックアップしてもらわないとやっていけない。たとえば事務の方が加害者の家族を処置室に通したりしている。また、多量の輸血を必要とするとき事務手続きが遅れたりしている。患者さんが重症の状況で1から2名のスタッフの対応ではできない。
<組合> 看護婦の努力の問題ではない。看護婦部会ニュースに「私には無理」という現場の声もある。何かあった時の責任体制はどうなるのか、また、医療法違反にならないか。
<当局> 医療法には触れないようにと婦長には言っている。

<当局> あと10分ですが。時間配分はちゃんと考えてこられてるんでしょう。5時から次の会議がはいっている。
<当局> 予備交渉では2時間と言ってある。
<組合> そのように言ってないでしょう。
<当局> 中の声を聞きたいと思ってやっている。後10分で終わらせてほしい。
<当局> では10分だけのばします。
<当局> 先ほどの危険の可能性があるという資料はありますか。
<当局> あれば後でいただけますか。
<組合> わかりました。
<組合> 医療法の問題に答えていただきたい。
<当局> 2対1はできている。
<組合> 準夜3、深夜3の体制の時に急患が増えた時のことです。
<当局> 医療法に触れることはない。応援体制を取ってもらうように婦長には言ってある。
<組合> 6)-②ですがどこの議事録もコンピューターに入力してある。そうすれば情報が下に伝わるのではないか。6)-③のナースキャップについても日赤とかは廃止している。必要な時につけるのは当然だと思うが業務に差し支えるときははずしてもいいのではないかと考える。検討していただきたい。
(交渉終了後、渡邊看護部長代行から「婦長会で検討する」との回答)


 3.医療職(二)職員問題について

1) 定員外職員増に伴う業務計画及び勤務計画について明らかにすること。
2) 来年度から実施される人事交流については職場の声を反映させること。
3) 大型機器導入の際、また、業務当直に伴う業務拡大を軽減する為に人員を確保すること。
4) 理学療法部に技師長制を導入すること。当面、学長辞令による技師長名を導入すること。
5) 以下の要求について人事院、文部省へ上申すること。
技官の研究費、研修を制度化すること。
業務当直手当を増額すること。

<組合> 再開発でリハビリセンターができるが技師長をおくというという構想はありますか。
<当局> 考えていない。
<組合> 私たちは作るべきだと考えている。


 4.賃金に関わる諸問題について

1) 各職種の基準適合者の昇格の実現を積極的に進めること。
2) 看護助手の3級定数の枠拡大に努力し、基準適合者は早急に昇格させること。
3) 行政職(二)職員の昇格については、附加業務を含めた職務内容を正当に評価し、昇格を速やかに実現すること。特に設備管理技士の職務内容を正当に評価し、積極的な昇 格をおこなうこと。
4) 看護婦の2級高位号俸者は全員3級に昇格させること。

<組合> 4-2)についてですが予備交渉の時に京都大学の事を調査するという事だったが。
<当局> 京大病院の事は調べていない。今の状態では無理。
<組合> 4-4)については努力していただきたいという事でお願いしたい。

 5.定員外職員の定員化及び待遇改善について

1) 定員外職員を定員化すること。特に国家資格取得入職者については優先すること。
2) 本人の意志に反して日々雇用職員のパート職員への切替を行わないこと。
3) 本人の意志に反して賃金の切り下げ、解雇を行わないこと。
4) 日々雇用職員の退職手当の支給割合については第3条の第2項ではなく第1項を適用すること。
5) 3年期限付き雇用を撤廃するよう人事院・文部省へ上申すること。
6) 以下の待遇改善について人事院、文部省へ上申すること。
パート職員へボーナスを支給すること。
日給額の算定に祝祭日や年末年始を考慮すること。
特別休暇(夏期休暇、パート職員への忌引休暇・病気休暇など)を適用すること。
7) 超過勤務手当の支給については実働分を支給すること。

<組合> 5-5)で4月から増える医(二)職員については3年期限付き雇用ではないと聞いているが。
<当局> 新しい人は3年期限付き。
<組合> 3年で辞められても継続性がないので現場は困っている。
<当局> 決まっていることなので。
<当局> 文部省の方針なのでしょうがない。
<組合> 期限がないと聞いているがデマでしょうか。
<当局> はい。
<組合> 5-7)超勤時間が15時間できられている。帰るような指導はしているのか。
<当局> そのように言っている。
<組合> 現場では忙しくしていてなかなか帰れないのが現状。特に看護婦さん達はそうではないですか。婦長から言ってもらえるよう指導してほしい。
<当局> していると思いますが改めて言っておく。

 6.行政職(二)職員問題について

1) 栄養管理室に主任調理師をおくこと。
2) 退職者の後補充を行い、業者委託(下請化)を拡大しないこと。

<組合> 主任調理師の件ですが医事課に現場から要望があればということでしたよね。今職場でまとめておられるのでよろしくお願いしたい。それから調理師長と、副調理士長とおられるが何か規則か何かで明文化されているのでしょうか。
<当局> 後で調べます。
<組合> 主任が実現したら4月からになるのでしょうか。
<当局> 4月は無理。
<当局> 今は採用とかで忙しい。
<組合> 来年の4月からになるのか。
<当局> 年度途中からでもできる。昨年もこの問題はでていましたね。
<組合> 今室長さんのところで検討中です。

 7.教官の諸問題について

1) 教官の定員削減にどのように対処するか明らかにすること。

<組合> 5年間で20名と聞いているが。
<当局> 15、16、17年度で3名。
<組合> 治療しながら教育もやる。3名減はなじまない。削減がなじまないことを全国病院長会議であげてもらいたいと思う。
<当局> 必要なところに回すために定員削減している。先生の言われるとおり。


 8.病院の職場環境の整備について

1) 病院内の歩道を整備すること。
2) 看護婦の更衣室の整備、清掃を行うこと。
3) 恵和会役員への天下り人事への道義的責任についての説明すること。
4) 院内郵便局の設置に努力すること。
5) 本人の履歴書のコピーを許可すること。

<組合> 8-1)だが2名ぐらいが事故に遭っている。出口とか標識が分かり難くなっている。表示の字が小さい。矢印を大きくするとか考えてほしい。駐車できないようにしてある鎖も夜間は見えにくいので蛍光塗料を塗るとか考えていただきたい。又、歩道に自動車が乗り上げていて通れないこともある。立体駐車場で解決できるのか。
<組合> 安全対策とか考えてほしい。
<当局> わかりました。こういったことはどんどんおっしゃってほしい。
<組合> 6病棟の1階のトイレがきちんと清掃されていない。苦情がきている。掃除の徹底を働きかけてほしい。

<組合> 今日はありがとうございました。


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