病院長交渉報告



日時: 2002年3月6日 水曜日 15時00分〜17時15分
場所: 管理棟一階第一会議室
出席: <当局> 生塩病院長、太田事務部長、高宗看護部長、岩崎総務課長、深澤管理課長、宮田医事課長、渡邊副看護部長(16時10分〜)、増本副看護部長、中村副看護部長、片山総務課長補佐、中村人事係長、田代人事係主任(記録)  12名
<組合> 市川全学副委員長、斎藤全学書記次長、野崎支部長、前田副支部長、中村副支部長、奈須書記長、丸山書記次長、西山執行委員、井上執行委員、木下執行委員、濱田執行委員、田畑行(二)部会員(15時55分〜17時)、徳永書記(記録) 13名

それぞれ自己紹介
〈当局〉 まずはじめに確認事項をお願いしたい。例年通り録音をしない。時間は2時間、15時から17時までとさせていただきたい。先日の2月14日の交渉の席でうち解けて有意義な話ができた。今日も過激な発言は避けていただきたい。
組合側自己紹介
当局側自己紹介

病院長との懇談

1.病院の再開発について

 1) 情報の民主的な公開を常におこない、開発の進行状況を伝えること。
 2) 実際に働く職員の声を積極的にとり入れること。
 3) 再開発後の医療を充実させるための増員計画について明らかにすること。
 4) 保育所の位置づけの明確化並びに組合事務所の場所を確保すること。

〈病院長〉 いい病院を作ろう、働きやすい職場を、という理念では、目的は組合と一致している。心強く思っている。再開発の件ですが、西病棟が完成している。中に入る設備も文部科学省から満額で承認された。現在は内部を急ピッチで行っている。これで外観も内部も完成する。秋口に2、3、5病棟の患者を移動させる。移動作戦の時にはご協力をお願いしたい。移動後、2、3、5病棟を壊し、中央診療棟の建設に入る。その前に埋蔵文化財調査に数ヶ月かかる。今年度は見送り、15年度にできるように概算要求を出す。中央診療棟のソフトは出来あがっている。ハードもいつでもスタートできる状況である。そこには総合研修センターが7階に、その上にヘリポートの計画がある。血液浄化部が認められ、西病棟にはいる。高額医療は15年度に概算要求していく。現在のところソフト面、ハード面とも大きな変更もなく計画通りできている。西病棟ができたときに中央診療棟との渡り廊下を作っているが、中央手術部とICUの患者の動線を短くしたい。何かご質問があればお受けいたします。
〈組合〉 新病棟の人員配置はきまっているのか、教えてもらえないのでしょうか。
〈病院長〉 できるだけ早くしたい。有機的に配置したい。病棟も臓器別になる。できるだけ公表したい。
〈組合〉 平成10年までは再開発計画の冊子が配布されているので配置を確認できたが、それ以降出されてません。ぜひ、配置数などは教えてもらいたい。
〈組合〉 保育所の位置づけについてはどのようにお考えでしょうか。
〈病院長〉 現時点では念願の正式な認可された保育所はもてない。今のところ非認可である。しかし、現在存在しているものを尊重する事は当然のことだと思っている。
〈組合〉 建物も老朽化していてので早い内に考えていただきたい。

以下 交渉
〈組合〉 先日の予備交渉で回答をいただいた項目については今回は省いている。では交渉に移らさせていただきます。こちらで進行させていただきます。

2. 看護婦増員及び待遇改善について

 1) 充実した2対1体制を確立するために看護補助者を1フロアーに複数配置すること。
〈組合〉 まず、予備交渉でお聞きした看護婦の増員数を確認したい。定員内が1名、定員外がゼロ、暫定定数が12名ですね。それから定員削減は何名でしょうか。
〈当局〉 定員内の増員は3名、内訳は血液浄化部に1名、ICUに1名、リスクマネージャー1名。14年度の定員削減数は医(二)、医(三)のトータルで1名きている。
〈組合〉 現在の定員内と定員外の総数を3月末現在で教えていただきたい。
〈当局〉 3月末現在なので4月初めに知らせる。
〈組合〉 1)について回答をお願いしたい。
〈当局〉 補助者の経費は病院長裁量経費を使っている。病院長裁量経費が年々減少している。この経費の内訳は人件費に5割、医療機器に5割の割合となっている。機器も交換が必要なものがかなりある。これ以上補助者を雇うと医療機器が買えない。現状では困難。増額されれば考える。
〈組合〉 昨年の交渉ではきりきりの2対1を取ると言われた。ゆとりのある2対1にするための今後の増員計画はだされているのでしょうか。
〈当局〉 2.5対1でやっているところも今年はすべて2対1にしなさいと文部科学省が指示している。
〈組合〉 増員の要求は出されたのでしょうか。
〈当局〉 出した。結果、定員内の3名増が認められた。
〈組合〉 定員内の増員要求は何名されたのか。
〈当局〉 記憶にない。非常勤を定員化したいと要求した。
〈組合〉 定員外の要求数は。
〈当局〉 4月からCCUに3名定員外で増やす。
〈看護部長〉 あと5名は要求している。5名と3名の8名非常勤でいれてもらう。人員配置も検討している。CCUは4月から稼働はしないが、人員は前倒しでいれてもらう。
〈組合〉 8名の非常勤増員は院内措置でしょうか。昨年の交渉で「今年一年2対1にして増収になれば増員になる」と言われた。86〜88%の稼働率を維持したまま在院日数の短縮も28日を切りI群となり増収になった。文部科学省は増収になれば増員もしやすくなると言っている。先行投資で増員していたならその分を定員外で取ってこなかったのはなぜか。
〈当局〉 今回の約400名の増員は2対1になっていないところに配分される。
〈組合〉 2対1になっているところにも配分されている。
〈当局〉 熊大病院は平成13年6月に2対1になっている。14年の概算要求では2対1に移行していない大学が増員を獲得している。
〈組合〉 北大は2対1になったが、今年4月からも16名増員されると聞いている。
〈当局〉 2対1以上のことはありえない。さらに増えたということは新しい部署に看護婦を重点的に増やしたのではないか。
〈病院長〉 何らかのセンターとかで取っていかないといけない。実績を示して獲得していかないければならない。本院でもいろいろなセンターを要求している。センターが認可されると看護婦が増えている。救急救命センター等が認可されると増える。残念ながら当院の収支に関する評価は42大学中36位で高くない。
〈当局〉 定員内とはいかないが非常勤で雇用していきたい。病院全体で考えて行きたい。
〈組合〉 文部科学省が言っている2対1への移行による増員の目的は、看護体制の改善、医療事故の防止、医療サービスの向上のはずなのに現場はそのように感じていない。資料3を見ていただきたい。増員されても超勤は減っていない。各病棟、超勤を減らすように努力している。しかし、一人の能力にも限界はある。表にあるように退院患者が増えている。これが原因だと思う。業務を改善するのはスタッフだが、それに対応できる体制を整えるのは管理者ではないのか。
〈当局〉 厚生省の方針では患者2に看護婦1となっているが、それが日本の最高の体制である。それ以上は望めない。超勤を減らすのは中で工夫していかなくてはならない。
〈当局〉 文部科学省が2対1以上にお金をくれるはずがない。1.5対1にすると会計検査院から文句が出る。それ以上の配置は認めない。
〈組合〉 それ以上の配置を認めないと文部科学省がいっているのか。
〈当局〉 国の方針に反することになる。言い訳が利かない。2対1以上のことはできない。
〈組合〉 2対1以上の体制は患者の為になる。そのことに対して文句を言うというのはおかしい。初めて耳にした。
〈組合〉 2対1は最低基準だと私達は考えている。
〈当局〉 2対1は患者対看護婦の最低基準だとは理解している。国費をいかに有効に使っているかどうかを検査院はみてくる。2対1以上だと過剰投資としてみてくる。1.5対1や1対1が望ましいがそういうところにばかり金を投資できないと言っている。
〈組合〉 これまで病棟婦さんがおこなってきた周辺業務が看護婦にかかってきている。現状を話してもらいます。
〈組合〉 4月から看護婦が1名増えて看護助手も0.5人増えた。しかし、これまで1フロアーに1名だった病棟婦さんが2フロアーに1名となり配膳は看護助手さんが好意で早くきて行ってくれている。夕方は日勤者が居残りをして行っている。メッセンジャーがきてくれたりはしているが業務が増えて看護助手さんも手伝ってくれるが、看護婦にほとんど回ってきている。空床利用、救急、転科も多い。患者さんの出入りが多くて業務が繁雑になってきている。
〈組合〉 各病棟では配膳を超勤で対応したり、早出遅出を作って対応している。
〈組合〉 二内科6階では、病棟婦が2フロアーに一人で配膳業務が看護婦の負担になっている。夜勤帯は二人でできないので居残りで対応している。看護婦は何でもしてもいいというのもわかる。しかし、何でもできるからと何でもすると大事なことができなくなる。食事を配りながら患者さんを起こしたりしていると次の患者に配膳するのが遅くなる。現在の2対1は最高の基準といわれたが1.5対1を取っている病院は全国で2割くらいある。熊大病院でも検討して行くべきではないでしょうか。先日の文部科学省の桑原さんの講演会でもあったように、これからは病院の売りは何かを打ち出して行かないといけない。ここに入院してよかったと思う病院にしたいと看護部長もおっしゃっておられた。
〈組合〉 超勤がどうして減らないかを調べていただきたい。「生活給」発言が先日予備交渉であったが、この場で撤回していただきたい。
〈当局〉 ・・・・・(返事なし、数名うなづく)
〈組合〉 補助者は現状のままだということになったが新病棟移転後はどうなるのでしょうか。看護部長にお答えいただきたい。
〈看護部長〉 現在検討中です。
〈組合〉 補助者の必要性は感じておられるのでしょうか。
〈看護部長〉 あらゆる面から検討していきたい。どのようにしたら一番いいのかを考えていきたい。
〈組合〉 たとえば、洗面台を磨くのも必要な業務であり、患者サービスのひとつと思う。周辺業務をどのように考えているのか。2対1になっても病棟の改善にはならなかった。病院からもぜひ、1.5対1を要求してもらいたい。ご存じかと思いますが、資料5にありますように看護協会も要求している。ぜひ、お願いしたい。

 2) 増員によって充実した看護体制を実現して労働条件を改善すること。
  (1) 夜勤体制を3人以上に強化して回数を月8回以下にすること。
〈組合〉 夜勤回数をまずお聞きしたい。2001年4月から2002年3月までの月平均回数がわかりますか。教えていただきたい。
〈当局〉〈看護部長〉 (資料を探しながら) 今日はもってきていない。
〈組合〉 あとで教えていただきたい。
〈当局〉 平成14年1月現在、平均8.5回。これは9月から12月の4ヶ月の平均。
〈看護部長〉 複数月8回以下については、努力はするが限られた人数でやらざるを得ない状況をご理解願いたい。昨年4月からの非常勤23名の増員で三人夜勤にしたところもある。急には減らない。夜間看護加算の縛りもある。
〈組合〉 妊産婦の夜勤免除の件ですが、予備交渉では妊娠が判明したら夜勤免除できると言われた。資料4のニュースを見てもらいたい。このアンケートは2000年に全大教が行ったものだが熊大病院では80%の回収率だった。調査の結果9割近い人が夜勤を申し出ていない。異常があった人は6割近くいる。実際、病棟では夜勤が他の人にかかるからと言い出しにくい状況である。このような状況をわかっていただきたい。
〈組合〉 超勤の話しに戻りますが、人事院規則15-1によると超勤には次のような文言がある。『超過勤務は、業務があれば命じうるものではなく、「臨時又は緊急」の必要がある場合に限られる。』現在の超勤は常態超勤である。どのように考えておられるのか。
〈病院長〉 今の状況は充分でないと思っている。このままだと医療の荒廃に繋がる。一人でも二人でも増やしていきたいと思っている。ぜひ、皆さんと共闘していきたいと思っている。

   (2) 充実した救急外来体制を確立するために適正な人員配置を行うこと。
〈当局〉 昨年10月ICUに4名増員している。充分とは言わないが措置はした。
〈組合〉 今後の増員計画はあるのでしょうか。
〈当局〉 8床ですよね。
〈組合〉 それはICUのみについてですね。
〈当局〉 ICUと救急外来は一緒と考えている。
〈看護部長〉 看護婦だけの問題ではない。全体を考えていかないといけない。患者がはいらないときもある。毎日変わる。実績が増えれば増やさないといけない。患者が入るか入らないで考えていく。
〈組合〉 救急外来はICUと一緒になっているので夜勤は準夜5、深夜5で組んでいる。夜勤は月10回でやっている。患者数が減れば年休をとるので夜勤が減ったりはする。昨年12月は忙しかったので回数が増えた。準夜5、深夜5で組んだとき12回の夜勤になるというのは考えていただきたい。
〈看護部長〉 2、3床の時には休んでもらっている。悪い条件は重なる。12月から1月にかけては確かに忙しかった。婦長から忙しい状況の電話が入ったのでICUには他科からの応援をかなり配慮した。稼働率は70%で考えている。お互い理解し合ってほしい。
〈組合〉 悪い条件が重ならなくても夜勤を10回はしないといけない。予備交渉では夜間看護加算の対象になっていないとおっしゃられたが、加算が取れないからといって9回以上でもよいのでしょうか。
〈看護部長〉 財政が許して人が増えればと思う。8床でないこともある。
〈組合〉 救急外来も患者が増えてきている。波があるのは仕方がないと思う。しかし、ICUと救急外来を同じで考えているのがおかしいのではないか。
〈看護部長〉 他では看れない。
〈当局〉 常時2対1を考えていけば、減ってくるのでは。
〈組合〉 昨年は新人が10人増えた。教育もできない状況だった。
〈看護部長〉 1対1アルファの体制もある。どこに応援に行きたいといっておられるのでしょうか。
〈組合〉 現状のICU、救急外来の夜勤回数を減らす方向で考えてもらいたい。

   (3) 外来看護の充実を図ること。
〈組合〉 現在は外来の本来の業務、外来看護が行われていない。昨年の交渉は覚えておられますでしょうか。受付業務や伝票張りなど看護婦でなくてもできることをやっている。その時指摘したことがそのまま現実問題となっている。
〈看護部長〉 私達もそう思う。看護職としておかしいと思っている。
〈組合〉 昨年、外来看護婦が出席して3つの提言を話した。ひとつは中央カルテ化の導入、2つめが電子カルテの導入、3つめが予約制の導入だった。今年4月から予約制が導入されると聞いたがどのような体制になるのでしょうか。
〈当局〉 予約制については4月スタートの予定で準備を進めている。再来や新来の予約の事務を行う。
〈組合〉 職種の配置はどのようになるのでしょうか。
〈当局〉 外来担当職員と外注者がオペレーターとして電話で午後、対応する。ファックス、メールはこれまで通り24時間体制で受け付ける。
〈組合〉 わかりました。現在伝票貼りについては医師の考えもあるでしょうが、どのように考えておられるのか。必要ないとも思いますが。
〈病院長〉 電子カルテになれば改善できる。
〈組合〉 現在、内科外来では検査結果を2時間かけて貼っている。応援は翌日くる伝票貼りが業務になっている。応援が来る以前は内科の方は居残りしてやっていた。
〈病院長〉 そうですね。電子カルテに一刻でも早くできればいいのだが。
〈当局〉 看護婦だけの仕事でないならば現場の医療従事者で話し合って考えて行けばいいのではないか。
〈組合〉 医師も業務が多いと思っいてる。検討してほしい。本来の外来看護ができない。
〈組合〉 本来の看護業務ができないのは問題だと思う。
〈当局〉 やるとなると事務職か外注になると思う。
〈組合〉 お互い問題点は認識できたと思う。よりよい職場環境をつくるのが目的だから検討していただきたい。 

  (4) 超過勤務時間が短縮できるような体制を整えること。
  (5) 年次休暇の取得日数を全国平均(14日)に引き上げること。

 3) 専門性の低下とリスクの増大を防ぐために恒常的な応援体制は中止すること。
〈組合〉 資料2のニュースを見ていただきたい。ICUでは日勤帯で患者が少ないときに余った看護婦をどうするかがあると思う。それで病棟への応援に行っているのだが、応援先では患者のケアができずに雑用ばかりで不安、ストレスが大きい。看護の質を考えていくならば考え直していかないといけないのではないでしょうか。
〈看護部長〉 余った看護婦とはとらえたくない。応援とは考えていない。勤務でしょう。
〈組合〉 そうですね。勤務時間です。
〈看護部長〉 不満があると言うことだったので昨年3回ほど話し合いましたよね。外来とか固定されているところがいいとの意見が出た。それもとりいれている。あくまでも応援ではなく勤務です。〈組合〉
〈看護部長〉 4月からは変えたいと思っている。
〈組合〉 考えておられると言うことですね。
〈看護部長〉 外来に固定したいと思っている。負担があるのはよくわかる。
〈組合〉 スタッフはいつも不安に思っている。
〈看護部長〉 微調整しているところだったので公表できなかった。明日(7日)に発表する。
〈組合〉 わかりました。

 4) 病休、長期研修者についての代替要員をただちに保障すること。
 5) 新病棟再開発後の看護体制を強化するための増員計画を立てること。また、移転に伴う看護体制の再編時には労働条件が悪化しないようにすること。
〈組合〉 新病棟は50床になる所もあるが夜勤人数はどのように考えておられるのか。また全体の配置数はどのようになるのでしょうか。
〈看護部長〉 全部が50床ではない。人員配置はまだ確実でない。現場の不安が募るので発表できない。
〈組合〉 他大学に聞いてみますと移転の際は一時的に稼働率を下げているがどのようになるのでしょうか。
〈病院長〉 おそらくそうなるだろう。
〈組合〉 移転を経験した他大学病院では夏休みが取れなかったとも聞いている。労働条件が悪くならないようにお願いしたい。

 6) 4週8休を責任をもって完全実施すること。
 7) 二交替制の試行、導入は行わないこと。
 8) 働きやすい職場づくりのために
(1) 職員の配置については看護の専門性を生かせるように本人の希望を重視し配慮すること。 
(2) 統一した情報が届くように婦長会報告などはコンピューターに入力すること。
(3) ナースキャップを自由着用にすること。
〈組合〉 3年前に行ったアンケートでは6割から7割の看護婦が希望している。その時々の業務にあわせた自由着用を検討してほしい。


3.医療職(二)職員問題について

 1) 定員外職員増に伴う業務計画及び勤務計画について明らかにすること。
〈組合〉 1)については現場で行っているとの回答だった。

 2) 2001年4月から実施されている人事交流については職場の声を反映させること。
〈組合〉 2)については現場で行っているとの回答だった。

 3) 増員によって以下の体制を整えること。
(1) 当直明けの勤務日には、職員の健康維持、業務の安全を考慮し職務を免除すること。
〈組合〉 3)-(1)については現場に任せているとの回答だった。

   (2) 中央検査部の日直は2人体制で行えるようにすること。
〈組合〉 3)-(2)については、4月からは無理だが、働きかけをしているとの回答だった。

 4) 大型機器の設置・導入の際には必要な人員を確保すること。
 5) 理学療法部に技師長制を導入すること。当面、学長が自らの責任で技師長を任命すること。
〈組合〉 予備交渉の時に他大学を調査すると言われたが、結果を教えていただきたい。
〈当局〉 神戸大学に調査をかけた。運営審議会に技師としての資格のまま出席していたので他のメンバーから正式でないと浮いた形になっていた。名札だけでも肩書きをつけてくれないかということで学長命で技師長になったという実態があった。うちもリハビリ技師長が認められたら検討していく。
〈組合〉 下からの要求がないとしないというのはおかしい。熊大は現在理学療法士が3名、作業療法士が2名いる。4月からは2名非常勤で増員になるとも聞いている。神戸大は理学療法士が3名、作業療法士が2名で熊大と変わらない。
〈当局〉 元々技師長という職名は級別定数にはない。
〈組合〉 神戸大学にはできている例がある。
〈当局〉 現場の責任者はセンターになったときに考えるとおっしゃっている。
〈組合〉 責任者である教授は組合執行部が聞きに行ったときには組合でやられる分には問題はないと言われた。
〈組合〉 私も一緒にいったが、院長が民営化のことなどで忙しいからそういう状況の中で自分からは院長に言い出せないと言われた。
〈当局〉 職場の最高責任者は考えてないということだった。
〈病院長〉 組織の改革をするときには効率的に動かす。必要性があれば考慮する。妥当性、必要性を検討して行くべきだと思う。各部署から出てきたら検討していく。
〈組合〉 全体の枠で考えていただきたい。
〈病院長〉 現場の動きを尊重したい。一例が中央検査部。
〈組合〉 神戸大学は組織をよりよく動かすほうで考えられたことだと思う。下からの要求だけでなく上からも現場に働きかけを強力に行ってもらいたい。

 6) 以下の要求について人事院、文部省へ上申すること。
(1) 技官の研究費、研修を制度化すること。
(2) 業務当直手当を増額すること。
〈組合〉 6)-(1)(2)については文部科学省に伝えているとの回答だった。


4.賃金に関わる諸問題について

 1) 各職種の基準適合者の昇格の実現を積極的に進めること。
 2) 看護助手の3級昇格について、医(三)定数流用者を含め、2級高位号俸者が全員昇格できるよう対策を講じること。
〈組合〉 予備交渉では努力しているとの回答だったが、京大、新潟大を調査された結果はどうでしたでしょうか。
〈当局〉 京大では平成2年から5年に一時定数がついた。その後、そういう定数はきていない。新潟大では平成11年度に2名配分されたが追加はないということだった。定数の要求を本院でも出しているが認められない。
〈組合〉 京大、新潟で現在何名ついているのでしょうか。
〈当局〉 新潟は2名、京大は6名。なぜついたかわからないということだった。
〈組合〉 京大では3年間に6名ついたと言うことですよね。新潟もついている。熊大は長い間ついていないがその理由はどのように考えられているのか。要求するときの違いがあるのではないのでしょうか。聞いたりされなかったのでしょうか。
〈当局〉 その違いはわからない。拡大は要望している。
〈組合〉 新潟大からのヒントは何かなかったのでしょうか。
〈当局〉 新潟大もわからないと思う。わざわざこちらから聞いたりもしない。
〈組合〉 同じ国立大学として何か工夫をしたはず。そういうところを学んでみてはどうでしょうか。新潟に聞かれたらよいと思う。
〈当局〉 新潟も何で自分の所についたのかわからないと思う。
〈組合〉 そういうものなのでしょうか。
〈組合〉 資料7を見ていただきたい。来年、2名、再来年は3名の方が定年で退職を迎えられる。1993年に全大教が文部省に明らかにさせた基準があるが全員がこの基準を満たしている。他大学でできている実態を聞いた。ぜひ、実現してもらいたい。以前は3級が2名おられたが昨年3月に定年で退職されて以降熊大にはきていない。熊大に残る定数ではないことは承知している。現在在職されている方に定数を取ってくる努力をしてもらいたい。
〈当局〉 定数改善については事務局がやっているので、事務局に対して現状を訴えることしかできない。事務局にがんばっていただく以外ない。努力は怠っていない。一部局の立場として言えない。
〈組合〉 看護助手さんたちは私達看護婦よりも本当にがんばっておられる。休みを取られた時に代行してその業務を行うが本当に業務が多い。ここで、出席されている看護助手の田畑さんから発言してもらう。
〈組合〉 これまで2名の3級の方が退職されて自然消滅した。私達は自動的になるものだと思っていたがそうではないことがわかり初めて出席し、この場で発言させていただく。看護助手の業務は縁の下の力もちの職種だと思っている。長崎大では13名が専任看護助手になったときいている。熊大は押し方が緩いのではないか、他大学からも言われた。この機会をいただいて3級昇格を強くお願いしたい。
〈当局〉 基本的に看護助手は2級までしかいけない。あとは文部科学省にお願いするだけ。
〈組合〉 組織の作り方もあるのではないかと思っている。資料を見てもらえばわかりますが、みなさん退職時には40年以上になられる方ばかり。今まで熊大病院で一生懸命働かれた方に少しでも上の級になってもらいたいと思う。
〈組合〉 各科の看護助手を組織化してひとつのグループにするという方法もあるのではないか。
〈当局〉 そこら辺は人事課と相談してみる。
〈組合〉 本当にあと1年で辞められる。他大学からはどういう仕打ちだと熊大の組合が言われている。ぜひ、お願いしたい。学長交渉でも交渉項目とするが、そちらからも人事課に言ってほしい。

 3) 行政職(二)職員の昇格については、附加業務を含めた職務内容を正当に評価し、昇格を速やかに実現すること。特に設備管理技士の職務内容を正当に評価し、積極的な昇格をおこなうこと。
 4) 看護婦の2級高位号俸者は全員3級に昇格させること。


5.定員外職員の定員化及び待遇改善について

 1) 定員外職員を定員化すること。
〈組合〉 非常勤の医(二)、医(三)の定員化の件でお聞きしたい。定員になる人とならない人の基準は明確にあるのでしょうか。
〈当局〉 医(二)、医(三)の場合、まず、免許取得が採用の条件となる。公募して採用するのが現状。現在働いておられる非常勤の方についても均等に受験の機会を与えて行っている。
〈組合〉 ペーパーになるとどうしても現役に有利になるということだったが。
〈当局〉 採用されておられるあとの勤務成績は考慮している。
〈組合〉 仕事上での判断基準はお持ちか。定員になった方と非常勤で残る人の差はどのようにして出されるのか。
〈当局〉 選考にあたっては公募が原則。公募をかけて先行委員会を設置し当該科の方も委員メンバーになる。選考については学科試験と小論文、面接。面接の時に考慮するとすれば経験していることの質問などをいれる。あれば加点する。
〈組合〉 看護部としては考慮されているのか。
〈看護部長〉 面接は全部やっている。担当部署に実績を聞いている。人物本位でやっている。
〈組合〉 非常勤が増えているので不公平にならないようにやってほしい。働く環境も安定しないというのではいけない。
〈看護部長〉 理解している。
〈組合〉 定員化でスタッフを納得させる基準は何かお持ちでしょうか。非常勤で入った方から不安であるとの声がでている。
〈当局〉 今後検討する。
〈組合〉 非常勤ではいって同じように仕事をしていて定員内にならないと志気も下がる。

 2) 日々雇用職員のパート職員への切替を行わないこと。
 3) 賃金の切り下げ、解雇を行わないこと。特に教室系事務職員が配置された部署でこのような問題が起こらないよう充分留意すること。
 4) 日々雇用職員の退職手当の支給割合については第3条の第2項ではなく第1項を適用すること。
 5) 3年期限付き雇用を撤廃するよう人事院・文部科学省に上申すること。
 6) 以下の待遇改善について人事院、文部科学省へ上申すること。
(1) パート職員へボーナスを支給すること。
(2) 日給額の算定に祝祭日や年末年始を有給日として考慮すること。
(3) 特別休暇(夏期休暇、パート職員への忌引休暇・病気休暇など)を適用すること。
 7) 超過勤務手当については実働分を支給すること。
 8) 福利厚生を充実させること。
(1) ・永年勤続表彰の対象者とすること。
〈組合〉 現在は食事会はされていないということは納得したが、感謝状を渡しているということだが。昨年1名おられた方への連絡があったかどうか調べてもらえたのでしょうか。
〈当局〉 病院の方でですか。
〈当局〉 大変申しわけないが事務手続きでもれていた。2名の方がおられたのだが、ご本人にわびをいれ話して説明して了承してもらった。改めて表彰状をお渡しするという方向で動いている。
〈組合〉 どういう風なことでこのようにもれたのか。
〈当局〉 こちらで担当していないので事務局に聞いた。持参して授与すると聞いている。
〈組合〉 今後このようなことが起こらないようお願いしたい。
〈当局〉 こちらからも事務局にお願いしている。
〈組合〉 事務局はこちらから言われてわかったと言うことでしょうか。 

   (2) 生涯設計セミナーに参加する機会を与えること。


6.行政職(二)職員問題について

 1) 栄養管理室に主任調理師をおくこと。
〈組合〉 資料9を見ていただきたい。昨年はこの席で事務より「職場からの要望があれば考慮します」とのことでしたので現場の調理師全員の要望書を記名捺印して栄養管理室長に提出しましたが受け取りを拒否され、室長に「どうして主任が必要かわからない」と言われた。医事課長にお聞きします。このことは聞いておられるのか。
〈当局〉 聞いていない。
〈組合〉 上司がなぜ、部下の昇格を喜ばないのかわからない。このような話しをどう思われるのか。
〈当局〉 ペーパー(要望書)を今日初めてみた。医事課長補佐は紙をもらったと言っている。待遇改善が理由となっている。それとは別に業務改善の理由も含めてほしいということで返した、と言っている。
〈組合〉 この問題は4、5年前にさかのぼる。7、8年前に全国調理師長会議に出席した。帰ってから、調理師長、副調理師長の職名について職場で話し合った。その結果、熊大にも調理師長1名、副調理師長3名が実現した。主任は実現しなかった。岩崎課長は以前給食係におられたので詳しいと思う。適温給食にご尽力いただいた。
〈当局〉 長、副、主任とする場合には必要理由がある。現場で働いている方々が副調理師長は長の補佐をする。主任調理師は何をするのかと思うのではないか。円滑な運営ができるかを検討していただき、又、こちらでも検討したい。
〈組合〉 4、5年前から出している。
〈当局〉 主任をおくことによって有効的に動くかということをまず考えてもらいたいということ。
〈組合〉 組織化した場合、外注も部下として考えてよい。
〈当局〉 主任が何人いるかはわからない。おくことでどういう指導、活用をされるかが重要になってくる。
〈組合〉 医事課長、この問題で栄養管理室長と考えてもらいたい。現場の話し合いを持ってもらいたい。
〈組合〉 必要性を考えればもう一度考え直すと言うことも言われたので次の項目に移ります。時間も押していますので。

 2) 退職者の後補充を行い、業者委託を拡大しないこと。


7.教官の諸問題について

 1) 教官の定員削減にどのように対処するか明らかにすること。
〈組合〉 予備交渉での回答は平成15年、16年、17年にそれぞれ1名づつ。講座が増える度に今いる人員を新講座に配置している。定員削減が文部科学省からきたから、はい、1名づつ減らしますということではいけないのではないか。
〈当局〉 文部科学省からきているので仕方ない。診療体制がマイナスにならないようにする。スクラップアンドビルドが必要で、いらないところから減らす。きているところが多い。削減の為に体制がこわれないように病院長裁量経費でカバーする。

 2) 教官、医員、研修医に白衣を支給すること。
〈組合〉 他大学に聞いみるということだったが結果は。
〈当局〉 5、6大学に聞いた。大学によってばらばらだった。支給している大学もある。1年に1着貸与しているところもある。
〈組合〉 根本的な問題。光熱水費、ペーパータオルなどと同じ最終的なところ。
〈当局〉 どこかを増やせば、どこかを減らさなければならない。
〈組合〉 支給は最優先にしてもおかしくない。
〈当局〉 医師は絶対着用しないといけないのでしょうか。そのような規則がどこかにあるのでしょうか。私は見たことがない。
〈組合〉 8年くらい前からは支給があったはず。どうしてなくなったのか。
〈当局〉 予算が厳しくなってきてそのようになった。
〈組合〉 委任経理金という方法もあると思うが。
〈当局〉 委任経理金は教育、研究のための助成金。そのようなところには使えない。
〈組合〉 先ほどの発言はおかしいのではないか。白衣を着るのは誰が考えても当然のことだと思う。病院長、どのように思われますか。
〈当局〉 白衣を着なければならない規定があるんですか。
〈組合〉 病院長、ご意見をお聞きしたい。
〈組合〉 これは国立病院の規定だが、一番に医師への支給のことが書いてある。一番に。
〈組合〉 医師は白衣を着用しなければならないという規則があるのか、という質問は理解できない。
〈当局〉 長崎大は支給なし、九大は1着、鹿児島大は長袖、半袖を1着づつとなっている。今、この病院は再開発で予算がいっぱい。このような財政状態であることも視野に入れていただきたい。再開発でお金がいるということ。
〈組合〉 他大学に近づけるように努力してもらいたい。研修医になることは医師の始まりで学生意識をなくすためにも支給されれば自覚が出てくるのではないかと思う。


8.永年勤続リフレッシュホリデー制度について

 この制度の趣旨、目的を周知徹底させ、対象者が取得できるよう充分配慮すること。
〈組合〉 事務局から以前は通知がもれていたり、本人にしか通知がいかないなどで取りにくい状況。周知徹底の方法として誰でもみられるものにすべき。佐賀大学のホームページでは「佐賀大学永年勤続リフレッシュホリデー制度要項」としてのせてある。熊大でも周知徹底の方法をご検討いただきたい。
〈当局〉 該当の方には言っている。もれている方には申し訳なかった。公務に支障がない限り取っていただきたいと思う。
〈組合〉 本人が知っていても先ほど言ったように回りが知らなければ取りにくい。所属の長にも知らせていただきたい。
〈当局〉 わかりました。


9.病院の職場環境の整備について

 1) 病院内の歩道を整備すること。
 2) 看護婦の更衣室の整備、清掃を行うこと。
〈組合〉 自分で使う所は自分でするというのもわかる。予算の関係もあるかと思いますが、今後も考えていただきたい。新病棟移転後の更衣室の清掃はどのようになるのでしょうか。
〈看護部長〉 現在、お願いしている。しかし、厳しい状況である。他職種の方だけさせておいて看護職だけ外注にやって欲しいとは言えない。その代わり、更衣室の整備は充分行う。
〈組合〉 予備交渉で、現在の清掃の外注は考えていないと要望を拒否されましたが深夜明けの看護婦が掃除している姿を想像されて今後考慮していただきたいと思う。

 3) 院内郵便局の設置に努力すること。
〈組合〉 昨年の交渉では、あれば便利でしょう、とのことでしたが、今年の予備交渉では何も不自由ないでしょう、ということだった。医局の補助員がわざわざ郵便局に行くのはその必要が有るからでそのことを認識していただきたいと思う。例えば、用紙による振り込み、外国為替、外国郵便などがある。

 4) 本人の履歴書のコピーを許可すること。
〈組合〉 病院判断でやっているのではない、という予備交渉での回答でした。学内共通問題なので学長交渉に出す。
〈組合〉 15分ほど過ぎてしまいました。事務部長がおっしゃられた、看護婦を増やせないのは会計検査院の指摘だ、ということはこちらも初めて聞きました。これについては今後行われる学長交渉で追求していきたいと思います。本日はありがとうございました。


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