労働基準法等に基づく就業規則等についての協議報告11
発行日 2004.3.30
連絡先 熊本大学教職員組合
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労使協定について合意に達しました

 法人化を目前に控えた3月29日,労働者代表と大学側の最後の協議が行われました.今回は時間外・休日労働に関する労使協定が議論されました.

1.時間外労働または休日労働を命じる際の個人の事情への配慮について
 前回の協議で労働者代表側から,異議申し立ての仕組みを取り入れるべきだとの意見が出されました.この意見に基づいて異議申し立ての権利を明文化した案(第1案)と,この意見を踏まえて,使用者側の配慮義務として取り込んだ案(第2案)
「なお,時間外労働又は休日労働を命じる場合にあっては,当該職員の事情に配慮して行うものとする.応じられない場合,当該職員はその事情を申し出るものとする.」
が示されました.異議申し立ての事由を限定しておくという第1案のほうが良いのではないかとの意見もありましたが,第1案だと命じてから異議を出すことになるので職員の事情に配慮しながら命じるとする第2案のほうが運用しやすいという使用者側の意見を了承し,第2案をなお書きではなく別条仕立てにすることで合意しました.
 なお,前回の「何時間前に命じる.ただし,業務上止むを得ない場合はこの限りでない」というような規定を設けられないかとの要望については,現場には様々な事情があり一律に時間を決めるのは困難との判断から撤回されました.

2.看護師の時間外労働への配慮について
 奈須附属病院事業場代表から,日勤深夜と続く場合勤務の間隔が7時間になってしまう.この場合の時間外労働に制限をつけて欲しいとの意見が出されました.使用者側からは,例えば2時間と決めてしまうと突発的な事情でそれを超えてしまうこともあり得るので困難だ,職員の事情への配慮の一つとして考えることはできないかとの意見が出されました.議論の末,努力義務として業務上止むを得ない場合の例外規定を含めて明文化することになりました.

3.就業規則に対する労働者代表の修正提案について
 前回の協議において修正提案に対する使用者側の対応結果が示されました.その際,懲戒解雇の意味づけと日々雇用職員という名称が検討中ということでしたが,これについても修正提案の趣旨を踏まえて変更する形で決定したことが報告されました.

 協議終了後,学長と事務局長が会場を訪れ,労働者代表の諸氏に謝辞が述べられました.また使用者側として実務を担当してきた人事課の職員にも謝辞が述べられました.

労働者代表の皆様,人事課職員の皆様,長い間ご苦労様でした

 この場を借りて熊本大学教職員組合として一言述べさせて頂きます,1月16日の第1回協議から2ヵ月半の間に11回もの協議が行われました.時間は毎回6時からで9時近くまでかかることもありました.協議時間はのべ30時間近くになると思われます.この他にも労働者代表の皆さんには個別の案件で人事課と協議をしたり,労働者代表の立場で職員の意見を聞いたりすることもあったと伺っています.一方,西人事課長をはじめ人事課の職員の皆さんにも,この多忙な折にかくも長時間にわたる協議において,真摯に労働者代表の意見に耳を傾けて頂きました.
 このような労働者代表のご努力と使用者側の姿勢があって初めて,就業規則・労使協定に労働者側の意見を反映させることができました.厚く御礼申し上げます.組合としてはこの経験を踏まえて,使用者側との信頼関係をさらに深めていき,法人化後の熊本大学の労働条件改善のため努力していく決意です.

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