労働基準法等に基づく就業規則等についての協議報告3
発行日 2004.2.2
連絡先 熊本大学教職員組合
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 1月29日,就業規則等に関する3 回目の労使協議が行われました。この協議の中で,就業規則の内容をどう周知させていくかが話題になりました。労働者側からは勤務時間が延びることすらあまり知られていないとの指摘があり,また使用者側からは人事労務部会の意見聴取にもほとんど反応がないとの発言がありました。このような状況に,「使用者側も学部事務を通じて就業規則を読むよう呼びかけるが,労働者代表の側も勤務時間が延びることなど教職員に伝えるようにして欲しい」との提案がありました。このニュースのタイトルはこの使用者側の提案に応えてのものです。教職員の皆さんには就業規則とこの協議の状況に注目するようお願いします。そして,皆さんの意見を労働者代表(過半数組合または過半数代表者)または組合までお寄せください。皆さんの意見を元に,働きやすい就業規則を作っていきたいと思います。
さて,この日の協議の対象は臨時職員就業規則です.

1.初めに労働者側から,現状の臨時職員と正職員の待遇格差は大きすぎる。均等待遇の原則は判例等でも確立していることであり,今後臨時職員が待遇格差を訴えるような事態も予想される。少しでも均等待遇に近づけるよう努力すべきだとの指摘があった。

2.日々雇用職員の雇用形態について
(1)日々雇用職員はいわゆる日雇い労働の意味かとの質問について,そうではなく日給月給制で雇用される職員を表しているとの見解が示された。これに対して,「任期は1 日」「日々更新」「年度内に終期を付す」という扱いは,有期雇用の契約期間と任期・終期の関係が分かりづらく問題だとの指摘があった。使用者側からは労基署はこの扱いを問題にしていないとの回答だった。
(2)臨時職員雇用規則第4 条3 項の「12 ヶ月未満」という規定は日々雇用職員の任用中断日を意味するのかとの質問について,その意味も含むとの回答があった。

3.臨時職員という名称について
(1)雇用の実態を表していないとの意見が出された,有期雇用職員とすると任期制教員の問題が出るし,どういう観点から名称を決めるべきか難しい。意見は承ったので人事労務部会にも伝えておくとのことだった。
(2)附属学校の産休育休代替で入る教員が臨時職員ということだと附属の運営ができないとの指摘があった。これについては期間を定めた雇用の正職員で対応するとの回答があった。

4.3 年を越えて採用しないことについて
(1)非常勤講師も対象になるのかとの質問が出された。非常勤講師を臨時職員として扱うべきか,労働者性のない別の方法がないかも含めて今検討しているとの回答があった。臨時職員として扱う場合は学長が特に定める者の中に含めるとのことだった。
(2)附属学校の非常勤講師は大学とは実情が違うので配慮した規定にして欲しいとの要望があった。
(3)現在雇用されている3 年期限付きでない日々雇用職員,時間雇用職員については,この規定を適用しないと附則に定められていることが紹介された。
(4)大学の将来を支える職員の力量を考えると3 年で切るのはもったいないとの意見が出された。

5.臨時職員の人事について
(1)1 年間の雇用期間で働く職員に配置換えを命じられても「正当な理由がなければ拒むことができない」とするのは過酷だ。労働者に配転を拒む理由を求めるのではなく使用者が配転の必要な理由を説明するべきだとの意見が出された。一年契約だから配置換えはレアケースだ。しかし可能性はあるので就業規則に定めておく必要がある。もちろん職員の状況を十分考えた上で配置換えをお願いするつもりだとの回答だった。
(2)期間を定めた雇用であるのに解雇・退職について正職員とまったく同じ規定がなされている。運用上の配慮は行うのかとの疑問が出された。
(3)雇止めをする場合について,理由を求められた際には「期間満了」以外の理由を付して文書で示すことが必要だが,その規定がないとの指摘があった。

6.その他
(1)短時間雇用管理者を置くことについて質問が出た。置くことにしているが就業規則に載せる必要はないとの意見だった。
(2)休暇の扱いについて均等待遇の観点から産休などを有給にするよう要望があった。
(3)臨時職員の育児休業・介護休業の規則について,この規定では対象者がいなくなるのではとの質問があった。これについて第2 条(1)の「期間を定めて雇用される職員」は3 年期限で雇用される臨時職員を,(2)の「日々雇用される職員」はいわゆる日雇い労働者を指すのであり,表現について検討しているところだとの説明があった。
(4)臨時職員も永年勤続表彰の対象にすべきだとの意見が出された。退職時に感謝状を渡しているとの回答だった。

次回協議(2月6日(金))では委任規則について順に扱っていくことにした。

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