No.7
1999.8.2

熊本大学教職員組合

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学内審議の表と裏!?
 
――熊大組織運営改革のその後

 組合ニュース『赤煉瓦』2(99年7月2日号)では,学校教育法等の一部改正に伴う組織運営体制の改革案とタイム・スケジュール案が,突如,6月22日の臨時部局長会議,同月24日の評議会において学長特別補佐会議の「中間まとめ」として示されたこと,また,今回の大改革も学内審議を形骸化したトップ・ダウン方式で進められる危険性のあることをお伝えしました。その後,各学部で教授会・教官会が開かれましたが,各学部の意見をうけて学内審議はどのように進められているのでしょうか。ここでは,組合が把握した範囲で学内審議の状況をお知らせします。

評議会で審議することが正式に決定
 この間の重要な動きとして第一に挙げられるのは,7月6日(午後)に学長から全教職員に対して「大学改革に関する資料について」という6月25日付の文書が配布されたことです。この文書は,学長特別補佐会議の「中間まとめ」など四つの資料(ほかに「大学改革の推進について」,「学校教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」,「大学改革推進のための審議スケジュール(案)」)から成っており,教職員各位に「大学改革について認識願う」ことを目的としています。しかし,肝心の各教職員の意見をどのような手順で集約していくかについては何ら示されておらず,改革の構想を教職員に周知徹底することを意図したものにすぎないようです。
 第二は,7月15日の部局長会議です。この会議では,当初,来年4月からの運営諮問会議と評議会の人員構成案などが議題とされていました。しかし,いくつかの学部長から"こうした問題を部局長会議で審議するのは適当ではない。学則改正に関わる問題は評議会の第一部会で審議すべきである"という旨の意見が出され,学長は評議会で審議していくことを了解しました。
 これは,7月22日の評議会で正式に決定され,8月初旬の臨時部局長会議において審議事項を整理し,評議会の第一部会で審議を行ない,その結果を評議会にフィード・バックすることになりました。第一部会での審議は8月中に始まります。
 以上の経過から明らかなように,当初,学長・大学当局は大学構成員の意見聴取の手続きを不透明にしたままトップ・ダウン方式で改革を進めようとしていましたが,各学部の意見によって評議会で審議を行なっていくことになりました。先のニュースでも主張しましたが,現制度の下ではこれが学内審議の当然のあり方です。
 この間,明らかになったこととして,いま一つ確認しておくべきは,学長特別補佐会議の「中間まとめ」の性格です。これは,7月6日に全教職員に配布された文書でも「大学改革に関する資料」とされているように,改革の原案というものではなく,資料の一つにすぎません。したがって,今後,評議会では学長特別補佐会議の「中間まとめ」に縛られることなく,法改正の趣旨を正確に認識し,慎重に審議が行なわれることが期待されます。そのためには,改革のタイム・スケジュールを評議会が独自に審議するとともに,8月中に予定されている文部省令はもちろん,国会の議事録なども十分に分析することが不可欠でしょう。今回の改革は法改正によるもので一律に行なわざるを得ないものとイメージされがちですが,それは事実に反しています。評議会のメンバー構成や教授会の審議事項など,多くを大学の判断に委ねることを政府・文部省は認めています。
 なお,念のため確認すれば,評議会の審議結果は,従来の慣行上,各学部教授会にフィード・バックされて当然です。今回の改革は,教授会権限自体の問題ですから,学部に降ろすことなく,評議会で即決するということは決してあってはなりません。

その一方で,学長と学部の懇談会も設定
 もう一つ看過できない動きがあります。評議会で審議していくことを学長が了解した部局長会議の翌日の7月16日,大学当局は学長と学部の懇談会を行なうことを各学部に申し入れました。この懇談会は,各学部ごとに学部の代表が大学改革について学長と懇談するというもので,学部の代表については各学部の判断に基づくもののようです。薬学部と文学部はすでに7月中に行なわれており(薬学部:7月26日,文学部:7月28日),理学部と医学部は8月3日に,法学部と教育学部は8月4日に予定されています。工学部・医技短については現時点では不明です。
 夏期休暇に入ったことの影響もあるのでしょうが,ほとんどの教職員はこうした懇談会が設けられたことを知らされていません。学部によっては,学科長クラスでも知らないという所さえあります。
 評議会で審議することが正式に決まった一方で,なぜこうした懇談会を設ける必要があるのでしょうか。学長特別補佐会議の「中間まとめ」のタイム・スケジュール案に合わせ,学部レヴェルの改革も審議させることが目的なのでしょうか。学長・大学当局の真意は分かりませんが,この間の一連の動きを見ると,果して本当に評議会で十分に審議してゆくつもりがあるのかどうかさえ疑わしく思えます。
 こうした時,自ら所属する学部以外でどのような議論が出されているのかを知っておくことは重要です。組合で把握できた限りですが,今回の改革について各学部の教授会・教官会で出された主要な意見を裏面に一覧として載せました。是非ご覧ください。


学部教授会・教官会の主要意見一覧

医学部

6/23
  • 学部教授会で審議し,その意見をボトム・アップしてゆくのが,本来の審議手続きではないか。
 

理学部

7/2
  • 学長特別補佐会議の「中間まとめ」は今後どのような扱いを受けるものなのか。
  • 「中間まとめ」の構想で,評議会・教授会の審議結果を尊 重することへの配慮が見られないのは問題ではないか。
総務委員会で検討

文学部

7/7
  • 「中間まとめ」のタイム・スケジュール案では,9月に大枠を決めるように構想されているが,このように急ぐ理由が明確ではない。
  • 改革を先取りして部局長会議を主要な舞台に審議を進めるように構想されているが,現在の制度の下では評議会において審議を行うのが本来のあり方である。
  • 学長特別補佐の「英国高等教育調査報告書」には,民主的な学内審議を軽視する文言が見られるが,こうした主張をする特別補佐は解任を求めるべきではないか。
組織委員会で検討

教育学部

7/14
  • 現在の評議会は来年3月までとされるが,選出されたばかりの評議員を解任するのは問題ではないか。
  • 評議会のメンバー構成は,各大学の判断に委ねること,従来と同一でもよいことを,政府は認めているではないか。
組織委員会で検討

法学部

7/21
  • 学長特別補佐の「英国高等教育調査報告書」に見られる民主的な審議を軽視する文言をからすると,意識的に評議会や教授会の審議の形骸化を図っているのではないか。
  • 「中間まとめ」では大学運営会議といった法改正でも設置を義務づけられていないものが構想されており,必要以上に学長・学部長のリーダー・シップ強化が図られているのではないか。
  • 学則改正に関わる問題は本来,評議会で審議して然るべきではないか。
  • 国会の附帯決議や議事録を踏まえ法改正の趣旨を正しく理解して慎重に審議すべきである。
  • 学長のリーダー・シップを強化するならば,候補者の情報を詳細に提供するなど,学長選挙のあり方も検討すべきではないか。また事務局との関係も工夫すべきではないか。
非公式の委員会を設置して対応を検討

※ 工学部,薬学部については残念ながら不明です。
情報をお持ちの方は是非とも組合事務所(内線3529)までお知らせください。 




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