No.46
2000.4.7

熊本大学教職員組合

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2対1看護への移行がより有利に(その2)


 前号では、1.この4月1日からの診療報酬改定によって、2対1看護への移行がより有利になったこと、2.熊大病院では、17人の追加増員によって、夜勤看護加算に加えて2対1看護が、見方を変えればきわめて効率的な増収が実現すること、3.この追加増員は新たな支出によらずに可能であること、をお伝えしました。

 最後に、解決しなければならないのは、本部当局の回答=姿勢です。学長予備交渉で本部当局は、「非常勤〔職員〕を雇うのはまかりならない。……熊大の非常勤枠が増えるのは問題」などと回答しています。この回答は、定員外看護婦の特性を、病院予算の仕組み・趣旨を知らない者の回答です。のみならず、この回答は国会でなされた文部省の答弁に抵触するだけでなく、会計検査院の指導や文部省調書の趣旨にも背反しています。本部当局は、直ちにこのような回答=姿勢を改め、2対1看護を実現すべきです。
 あくまでもこのような回答=姿勢に固執するというのであれば、本部当局は、97年以降の看護婦削減が結果した違法行為・違法事態――4週8休-週40時間労働制および看護基準の破棄――に対して、責任をお取りいただきたいと思います。『赤煉瓦』42号(99年2月9日号)、同43号(99年2月9日号)、同44号(99年2月10日号)、同45号(99年2月10日号)、同46号(99年2月10日号)、同50号(99年3月1日号)において、私たちが指摘した諸問題に対してご回答をいただきたいと思います。本交渉の場での回答を改めて要求いたします。

 さて、一般に定員外職員の雇用を増やせないのは、「雇用費がかさみ校費(とりわけ教員研究費)が圧迫される」、「定員削減の趣旨に反する」からだと言われています。いずれの理由も定員外看護婦(と定員外看護助手)には全く妥当しません。それは、定員外看護婦には(定員外看護助手にも)、一般の定員外職員にはない二つの特性があるからです。
 現行の診療報酬制度は看護婦数を評価する制度であり、看護婦を増やせば、その雇用費を上回る増収が実現する仕組みになっています。とりわけ現行の診療報酬制度は、看護婦の増員によってはじめて可能となる在院日数の短縮を高く評価しています。この制度を活用しない限り、病院の経営は成り立ちませんし、経営改善もありえません。つまり、定員外看護婦は一般の定員外職員とは決定的に異なり、増収をもたらすのです。定員外看護婦の雇用については、「雇用費がかさみ校費が圧迫される」という理由・根拠は全く成り立たず、それとは正反対に、「投資(支出)に対して投資以上の収入増が図れる」(00年2月8日付け文部省調書)のです。
 のみならず、そもそも定員外看護婦の雇用は「費目」として認められてもいます。「看護業務改善経費」がそれであり、この経費は年々増額されています。つまり、定員外看護婦の雇用については、「定員削減の趣旨に反する」という理由・根拠も全く成り立たず、それとは正反対に、予算・制度上公式に承認されているのです。この点についても、定員外看護婦は一般の定員外職員とは決定的に異なります。定員外看護婦の雇用にこのようないわば「特例」が認められている理由は、・上記のように病院の経営にとって、看護婦の増員が不可欠であるからです。・早急に「月8以内複数夜勤」を実現することが、35年も前に下された人事院の裁定内容であるからです。・のみならず、これを本年までに実現することが、「看護婦確保法」に基づく「指針」によって定められているからです(92年12月25日付け、厚生省健康政策局長・労働省職業安定局長・文部省高等教育局長から各都道府県知事宛通知「看護婦等の確保を促進するための措置に関する基本的な指針について」)。
 それゆえ、定員外看護婦の雇用と増員が可能であることは、当然公式に確認されています。参院文教科学委員会(98年11月24日)における、佐々木高等教育局長の答弁がそのひとつです。この答弁は、『赤煉瓦』52号(99年3月2日号)および『赤煉瓦』33号(00年2月1日号)に掲載してありますので、本交渉までにご一読ください。また、99年11月16日に会計検査院は、この答弁をひとつの根拠として、定員外看護婦の雇用によって夜勤回数を減らすように、北海道大学長を指導しました。この指導の詳細については、『赤煉瓦』31号(00年1月27日号)および『赤煉瓦』33号(00年2月1日号)をご一読ください。

 本部当局はさらに、「熊大の非常勤枠が増えるのは問題。今回5名増えたのは本省に交渉に行っている。本省が認めてくれた」と理解に苦しむ回答をしています。この回答によれば、「熊大の非常勤枠」が文部省によって設定されており、その変更には文部省の了解が必要だということになります。
 ・文部省によって各大学の非常勤枠が設定されているという回答は、他の大学でも聞いたことのない前代未聞の回答です。
 ・文部省によって各大学の非常勤枠が設定されており、その変更には文部省の了解が必要だという回答は、上記の佐々木高等教育局長の答弁内容に抵触します。佐々木高等教育局長は、「それぞれの大学〔の〕工夫」によって、あるいは「大学当局の……裁量に」よって、定員外看護婦を増やせると回答しています。
 ・本部当局の回答は、会計検査院の理解・指導にも背反しています。「平成10年11月の文教・科学委員会において委員の質問に対して文部省当局は、看護業務改善経費等により非常勤の看護婦等を雇い入れることは各大学の自主的判断で行い得る旨の答弁を行っている」、と会計検査院は当然の理解をしています(西川・阿久津・宮本・矢富「医学部附属病院に……是正改善の処置を要求」、『会計と監査』)。それゆえ、会計検査院は、「定員抑制計画が実施されている状況下で、実現可能な方策として、非常勤職員の雇用が可能であると判断し」(同上)、「文部大臣ではなく大学長あての異例の」(「会計検査情報」)指導を行ったのです。それだけではありません。会計検査院は、大学の自主的判断による定員外看護婦の増員を、各大学に対して間接的に指導してもいます。「適正な診療報酬の確保を図ることは、〔国立大学附属病院の〕経営改善を図っていく上で極めて重要となっている。本件措置要求事項が、北海道大学のみならず他の国立大学にとってもその一助となれば幸いである」(『会計と監査』)と。
 したがって、私たちは熊大当局に対して、・「熊大の非常勤枠」なるものに関わる詳細な事実関係を、本交渉の場で明らかにするように要求いたします。・「非常勤〔職員〕を雇うのはまかりならない」などとする回答=姿勢を改め、直ちに2対1看護を実現するように要求いたします。



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