2001.4.12 |
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国立大学の独法化の検討が進むなか、熊本大学教職員組合では上部団体である全大教からの要請もあり、2月初旬から熊本県議会及び熊本市議会を通じて、政府に対し慎重審議を要請する請願書提出の取組みを進めてきた。既に同じような取組みが、全国の各大学教職組でも実施され、佐賀県議会・山口県議会・静岡県議会及び秋田県内の24市町村議会等から同じ主旨の意見書が総理大臣・文部科学大臣宛に提出された。この度、当組合の取組みの結果、熊本市議会でも標記の意見書が採択されたので、これまでの手続き・経緯を報告する。 まず、組合として、自民党を初め各会派の政調担当議員、または文教委員会担当議員を対象に、県議会・市議会同時並行して請願書の紹介議員の同意を求める懇談を重ねた。その結果、県議会では「県民クラブ」(民主党・社民党系)からは同意を得られたものの、最大会派である自民党からは再三の紹介議員の要請に対して"今回は見合わせたい。県連内は勉強不足、県連内で気運が高まってきたらその時はまた考えたいので、今回の紹介議員は見送りたい"との回答が寄せられた。中央で連立を組んでいる公明党・無所属の会(保守党系)からも同じような回答が寄せられ、県議会への請願書提出は困難になった。 一方、熊本市議会への請願も県議会と同様に、自民党からは"党中央の考えを踏まえ紹介議員にはなれない"との回答が寄せられ、公明党からも同じように紹介議員にはなれない旨の回答が寄せられた。 しかし、民主党・社民党系議員で構成された「くまもと21」と共産党からは請願書の紹介議員を受託する回答が寄せられた。また、紹介議員については消極的だった保守党系の「平成クラブ」からも、"勉強の為、独法化に関する資料がほしい"との回答が寄せられ、後日資料を送付した。 その後、「くまもと21」より連絡があり、"請願書にある意見書を議会から政府宛に提出させる技術的な手段として、組合が作成した意見書案をモデルにして「くまもと21」が直接政府宛の意見書を作成し、会派提案として議事運営委員会へ提出する。その上で、自民党を含めた他の会派に賛同してもらい、全会一致の形で議会から政府宛に意見書を出したい"との提案が組合へ寄せられた。早速、この提案について執行委員からの意見集約を行い、「くまもと21」の提案で進めることに決し、その旨連絡した。 その結果、2月末に議事運営委員会へ「くまもと21」発議の右欄に示す意見書(案)が提出され、同時に共産党からも同様な意見書が独自に提出された。その後、当初、紹介議員に対し消極的であった「平成クラブ」から"組合からもらった資料をもとに勉強した。独法化に関しては憂慮すべき点もあるので、同じ与党の自民党も意見書に賛同してもらうよう要請した。"との連絡があった。その結果、市議会最終日の3月27日の本会議で自民党を除く会派の発議により、自民党も賛成の全会一致で意見書が採択され、後日、総理大臣・文部科学大臣宛に市議会より送付された。 この間、県議会の「県民クラブ」から請願書提出を、"自民党等から賛同を得られず否決覚悟で出すか、再度自民党等に賛同を求める取組みのため、今回は取り下げ次回の議会に廻すか"の選択を要請された。この要請を受け四役で協議し、"否決された場合は、それで終わってしまう。自民党にも勉強してもらう時間を与える。また、5月には独法化に関する新たな情報も入ることから、今回は請願書の提出を見合わせる"旨「県民クラブ」へ回答し、市議会の結果も踏まえ県議会への請願は6月県議会を目指す事とした。
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