No.37
2002.2.27
熊本大学教職員組合
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全大教、「非公務員型」問題等で、
「要望書」に基づき、文部科学省と「折衝」
−「最終報告素案」に基づく説明に対し、
「公務員型」等を強く主張

 全大教は、2月22日、文部科学省「国立大学等の独立行政法人化に関する調査検討会議」の連絡調整委員会の事務局である文部科学省大学改革推進室杉野室長と緊急に会い、「『新しい国立大学法人』像について(案)」(「最終報告素案」)の内容について説明を求めるとともに、その問題点をただしました。杉野室長は、2月21日の連絡調整委員会で、「最終報告素案」が配布され、昨年9月の「中間報告」で、「最終報告」に向けた主な検討課題とされていた「教職員の身分の扱い」「運営組織の在り方」「中期目標の作成手続き」等について基本的方向が出されたとして、以下の説明を行いました。

1.「教職員の身分の扱い」について、「諸規制の大幅な緩和と大学の裁量の拡大」という観点から、教職員の身分は「非公務員型」とすることが適当であること。その際、法人への移行職員が不利益を被らないよう、退職手当、医療保険・年金、宿舎などについて法的措置を講じること、大学が、共同して採用試験・研修を実施するための具体的方策の検討、円滑な人事交流の方策についての検討が必要であるとしています。また、「非公務員型」に伴い、教育公務員特例法が法的に適用されないことについて、憲法上保障されている学問の自由に由来する「大学の自治」の基本は、教員人事を大学自身が主体的に行うことであり、具体的には、教員等の人事に関する基準手続き等は、大学内部の規則として定めるとしています。(詳細は「最終報告素案」26〜29ぺ一ジ参照)

2.「運営組織の在り方」については、具体的には、以下のような運営組織とするとしています。
(1)主に教学面に関する重要事項や方針を審議する評議会(仮称)と並んで、主に経営面に関する重要事項や方針を審議する運営協議会(仮称)を設け、そこに相当程度の学外の有識者を参画させる。
(2)学長は、経営面に関する運営協議会(仮称)の審議と、教学面に関する評議会(仮称)の審議を踏まえ、最終的な意思決定を行う。
(3)ただし、特定の重要事項については、学長の意思決定に先立ち、役員会(仮称)(監事を除く役員(学長・副学長)で構成し、学外者を含む)の議決を経る。

3.「中期目標の作成手続き」については、「中期目標については、大学の教育研究の自主性・自律性を尊重する観点から、あらかじめ各大学が文部科学大臣に中期目標の原案を提出し、文部科学大臣は、これを十分に尊重し、大学の教育研究等の特性に配慮しつつ、また、国の高等教育・学術研究に係るグランドデザイン等や各大学の定める長期目標との整合性に留意して、中期目標を策定する。」としています。

4.また、杉野室長は3月6日の連絡調整委員会までに「調査検討会議」の全委員から「最終報告素案」に対する意見を求めること、「最終報告」の公表は3月26日頃の予定であることも明らかにしました。

 これに対し、全大教は、「調査検討会議における『最終報告』ヘ向けての『教職員の身分の扱い』等に関する検討作業に対する要望書」(別記)に基づき、「非公務員型」の問題点を明らかにし、「教職員の身分は公務員型とし、教員については、教育公務員特例法を適用すること」をはじめ、大学の自主性・自律性を高める立場から、制度設計の再検討を強く要求しました。また、その立場から改めて会見することも求めました。

 全大教、各単組ては、「最終報告素案」の分析・批判をすすめつつ、この間の全大教通知等に基づき、要求打電、学長への要望書提出・会見、宣伝、緊急集会、国会請願署名等のとりくみを強化します。また、今後のとりくみについては、あらためて中央執行委員会で検討し、第25回臨時大会で意思統一を図ることにしています。
(全大教発60 通知41 2002年2月25日より転載)

「『新しい国立大学法人』像について(案)」(「最終報告素案」)は広島大学ホームページに掲載されています。詳しくはそちらをご覧ください。

 

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