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2002.3.22 |
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は最高の看護体制ではありません |
またぞろ問題発言 3月6日に行われた病院長交渉において、手厚い看護婦の配置を要求する組合側の要求に対して、当局は次のように回答しました。 「2対1以上のことはありえない」。2対1は「最高の体制であり、それ以上は望めない」。「1.5対1にすると会計検査院から文句がでる」。2対1以上の配置は「国の方針に反することになる。言い訳が利かない。2対1以上のことはできない」。 これまで組合は看護婦の大幅な増員と労働条件の改善を要求してきましたが、当局(それも課長以上の幹部)は、交渉の度ごとに、この類の問題発言を繰り返してきました(第1表参照)。第1表に掲載した問題発言は、診療報酬をはじめとする医療制度・政策あるいは国家公務員の労働条件を定めた人事院規則などを正しく理解していないがゆえに、繰り返されてきました。今回の回答もまた診療報酬制度や厚生労働省の政策を正しく理解していないがゆえに、なされたものです。 第1表 熊大当局の主な問題発言とその後の経過
入院基本料の仕組み 2対1(患者2人に対し看護婦1人の配置)は最高の看護体制ではありません。診療報酬が定める入院基本料は第2表の通りです。一見して明らかなように、二つの仕組み−−人員配置評価と出来高払い−−から構成されています。「看護婦配置」数に応じて「基本点数」が設定されており、手厚い看護婦配置が高く評価されています(人員配置評価の仕組み)。熊大当局の目には、「看護婦配置」の上限が「2対1」であり、これ以上の基準は設けられていないように見えます。
「入院期間」を(したがって「在院日数」)を短縮するためには、そして特定機能病院であろうとすれば、看護婦を増やす以外に方法はありません。看護婦数と平均在院日数には明らかな相関があること、すなわち看護婦を増やせば在院日数が滅ることは、すでに数々の研究や実践によって実証されています(第3表参照)。厚生労働省もこの相関関係を認め、わが国の病床あたりの看護婦数が諸外国よりも少ないために、平均在院日数が長いと指摘しています(01年3月「医療制度改革の課題と視点」など)。それゆえ、入院基本料は手厚い看護体制を入院期間短縮の観点から評価し、手厚い看護体制に対して入院期間に応じた出来高払い(「初期加算」)を設定しているのです。したがって実際のところ、「入院基本科」(2対1)」を算定する病院では、一般病棟の実際の平均看護婦配置は、「2対1」をはるかに上回る1.69対1となっており、私立大学病院のそれも「2対1」をはるかに上回る1.75対1となっています(日本看護協会「01年看護職員需給状祝調査」、「99年病院看護基礎調査」)。
夜勤看護加算では 「1.2対1」ないし「1.5対1」の配置 診療報酬は各種の「入院基本科加算」も認めています。その最も代表的なものが「夜間勤務等看護加算」です。これは夜勤体制と夜勤回数を評価する制度ですが、02年度診療報酬改定によって、新たに「10対1」の基準(夜勤帯について患者10人に対し1人の看護婦の配置基準)が新設され、ずば抜けて高い点数が設定されました(第4表参照)。
2対1以上の看護婦の手厚い配置をしても、 会計検査院から文句は出ませんし、 国の方針にも反しません 診療報酬制度は国の医療政策を具体化したものであり、2対1を越える看護体制を設定し、評価しています。会計検査院がこの制度の仕組みを正しく理解していないはずがありません。正しく理解していないのは、熊大当局です。 熊大当局が、「会計検査院から文句が出る」あるいは「国の方針に反するjという回答に固執するのであれば、来る学長交渉でその根拠をお示し願いたい。 |