2002.9.26 |
|
|
E-mail:ku-kyoso@mx7.tiki.ne.jp |
「国民のための大学づくり」を! 全大教九州 第7回教職員研究交流集会報告 No.1 |
8月23〜25日、宮崎市「あおしま太陽閣」において、全大教九州第7回教職員研究交流集会が開催され、12単組93名の参加がありました。熊大から9名(全大教九州役員1名含む)が参加し、研修と交流を深めてきました。 一日目の全体集会では、大会実行委員長の橋本修輔氏より挨拶があり、続いて来賓として宮崎大学長藤原宏志氏より挨拶がありました。続いて全大教九州議長の気賀沢忠夫氏により基調報告が行なわれました。続いて全大教書記長森田和哉氏が「国立大学等の法人化問題と課題・展望」と題し、特別講演を行ないました。法人化を目前に控え、「大学が生き残るため」という言葉を耳にしますが、「誰のための大学改革なのか」を改めて考えさせられる内容でした。 全体集会の後、職種別分科会が行なわれ、夜の懇親会では宮崎大学長も喉を披露してくださいました。 二日目は午前:職種別分科会、午後:課題別A分科会。三日目は課題別B分科会、全体集会では各分科会の報告が行なわれ、次回佐賀での再会を約束し閉会となりました。 教員分科会 この分科会では、福岡教育大学から「法人化後の教員の任期制についてー外国人教員の任期問題を先例としてー」というタイトルでレポートが提出され、それに基づいて報告と意見交換が行われた。 レポートは福岡教育大学が行った62単組へのアンケートのうち回収できた9単組の調査結果を基に作成されている。 外国人教員採用の先進大学であった東大、京大においては、採用にあたっては、「任期を定めない」が一般的になっている。調査結果もこの事態を裏付けるものであった。 外国人教員の任期の問題は、法人化後に予想される一般教員に対する何らかの形での任期制導入の企てに対して準備するために、もっと関心がもたれねばならないだろう。 二日目は、九州大学から「九大における任期制導入の状況」と題するレポートに基づき報告があった。2001年度からすでに三つの研究所で任期制が導入されている現状と、任期制の導入が「その教員を任用する場合において」との法律規定からいって、改組と同時になされることなどについて話し合われた。 また長崎大学の参加者からは、学長指導により導入された全学一律の教員の自己評価システムについて報告があった。 事務職員分科会 九大・熊大から出された昇給・昇格に関する資料をもとに討議をしました。熊大では情報開示請求によりやっと教官以外の職名別・級別現員数が明らかになりました。九大では全大教九州が取り組んでいる職種別・男女別・級別・号俸別実態調査に事務当局が記入し、そして更に男女別昇任数、専門職員の配置(級・年齢)まで出しています。 過半数組合を目指すため、事務職員への取り組みについて話し合いました。事務職員の組織率は2〜3%くらいです。佐賀大から、法人化に関する情報を知らせる朝ビラの取り組み、九大からは、事務職員の新人研修の後で、組合の訴えをさせてもらったと報告がありました。今後労使協定・労働協約を締結するためにも事務職員の組織化が必要になります。そのための努力をしようと意見がまとまりました。 事務職員分科会ですが、事務職員の参加者は一人もいません。事務職員対策分科会でした。 技術職員分科会 技術職員分科会は1日目午後、2日目午前・午後と合計1日半という十分な時間を取って行われました。検討議題は法人化後のアウトソーシングについて、組織化について等が話し合われました。法人化後に業務の効率化をはかる為に技術職員が「子会社化」され、技術業務がアウトソーシングされる危険性があるのではないかといった事から「子会社化」をされない為にはどの様にするべきかを議論しアウトソーシングされない業務すなわち教育・研究に関わる業務こそがそれにあたるのではないかといった事が話し合われた。 組織化することでどの様なメリット・デメリットがあるかについても議論が及び、様々な意見が出されました。また、複数の参加者の中から法人化後に技術職員の解雇があるのではなかろう かという声があり改めて厳しい情勢を認識させられました。と同時に一層の努力が必要なのだと感じさせられました。 今回の分科会に参加して一番の収獲は自分が今まで考えてこなかった「技術職員としての今後」を真剣に考える時間を持てたことだと思います。 農場職員分科会 13名参加(九大、佐大、鹿児島大、宮大、熊大) 昇任、昇格の問題について 行(一)技術職員の昇任、昇格の問題では5級、6級への昇格は行(二) から行(一)へ早く移行していれば問題はないが高齢になって移行すれば在級年数がネックになってくる。今後の課題としては学長交渉、それ以外の事務当局との交渉も多く持ち継続していく。おとなしくしていれば前へは進まない。鹿大の農場職員は活発に要求をしているので九大、佐大、宮大と比べて昇格が進んでいる。
研修問題について 研修については技官が主に計画立案してそれを要求して希望通りに行っている。技術習得のための学外研修はここ2〜3年は年度末にまとまって行っていた。 生産物について どういうものを作っているのか、販売の方法を個人的に聞きました。肉類(牛肉、ハム、ソーセージ、豚肉)くだもの(みかん、かき、もも、すもも等)野菜、花、米など、農場生産物の7割は場内販売を行っている(週3回か週一回のペース)残り3割については市場、農協、デパートなどで販売を行っている。 医療職員分科会・病院分科会 (参加者 大分大1名 熊本大2名 長崎大1名 九大1名) 1.「21世紀をになうあなたへ」(医労連)の学習 医療労働組合の基本的な知識を学ぶために医労連が編集したテキストを使いました。国民の基本的な権利である「医療を受ける権利」と、私達の働く権利の両方を追求していくことが大切であることを、薬害エイズを闘った川田悦子さんの言葉や、医療事故裁判に取り組んでいる京都大学の仲間の言葉をかみしめながら再確認しました。 2.医科大学との統合問題 大分大学のかたからは、医科大学との統合を控え、組合の過半数組織のためにどこから手をつけていくかという課題が出されました。 3.超過勤務と厚生労働省通達 病院の職場でも多忙化に伴い、超過勤務が増え、そのうちかなりの時間がサービス残業です。超過勤務が増えた要因としては、入院日数短縮で職場が忙しくなっていることがあげられますが、事故防止のための作業も見過ごせません。対策としては人員増が根本ですが、その前に、まず使用者の責任を明らかにした「通達」(2000年4月)はサービス残業を解消する上で大きな力となります。管理者も知らないことが多いので、職場に徹底しようということになりました。 4.病院協議会の取り組み ・特定機能病院にふさわしい医療職員の配置を求める請願署名運動 02年2月に第1回の請願を行いましたが、中央行動を中心としたもので、運動を広げるために署名運動に取り組むことが7月の総会で話し合われ決定されました。特に医(二)職員の配置数は現状は私立大学の半数です。入院患者20人に対し一人の配置では一人夜勤(2交替)しかできません。医(二)職員の議論を再現しつつ、「入院患者15人に対し一人の配置」を要求していくことを学びました。 ・中期目標・中期計画に対応した取り組み 法人化に反対しつつ、進行する法人化の動きに対応した取り組みです。中心となるのは雇用問題で、非常勤職員が特に危険です。今いる職員全員の雇用を確保するために大学へ要求していきますが、具体的にどのような交渉や協約の結び方が必要なのか、久留米大学の「夜勤協定書」をもとに話し合いました。 ・ 「マネジメント」について 国立大学病院長会議の常置委員会で出された「提言」ですが、全国いっせいにこの方針で走り出しています。この中で強調されているのは、第一に病院長のリーダーシップの強化です。大学の中で唯一の事業体であるため、病院長を副学長とすることがうたわれていますが、大分大学から「文部科学省は病院長の副学長は認めなかった」という報告を受けました。また「提言」では検査部の外注化など危険な内容がたくさん盛り込まれていること、これを署名運動でうち破っていくことが必要だと話し合われました。 ・医大懇 これらの運動を盛り上げるため、医科系大学懇談会を11月9〜10日に行うとの報告がありました。 |