No.14
2002.10.2
熊本大学教職員組合
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「独法化反対」の姿勢を堅持し、
「国民のための大学づくり」を!

全大教九州
第7回教職員研究交流集会報告 No.2

定員外職員分科会
  レポートは、宮崎・佐賀・長崎各単組からの3本。法人化に向けて実質的な対応が様々に進行しているなかで、とくに雇用的に一番弱者である「定員外職員」の雇用について、岡山大学の事務局長が発した文書(02/03/29)をめぐって議論がなされた。その対策として、宮大教職組は学長・事務局長宛に「非常勤職員(定員外職員)の雇用に関する要望」書を提出(02/06/17)し、法人化に向けて経費節減のための安易な職員の解雇(退職強要や雇用打ち切り)を行わないよう申し入れを行った。また、来年度の非常勤職員の雇用についても、この12月中に何らかの雇用契約が結ばれることが予想され、各大学教職組もその取組を進めなければならないことが確認された。一方、長崎大学医学部での雇用問題の実情が一部紹介され、九州で医系の単科大学との統合が進められている大分・宮崎・佐賀の各大学では、法人化後も含めて教職組の重要性が確認された。

独立行政法人化問題分科会
  この分科会では鹿児島大学と宮崎大学からレポートが提出され、それぞれの説明・報告と意見交換が行われた。
  鹿大のレポートは、組合が6月から7月にかけて行なった教職員に対する「国立大学法人化に関するアンケート」の集計結果と分析である。アンケート回収数は506人でそのうち組合員は177人であった。それによると法人化への賛成派は107名、反対派は277人である。
  また宮崎大学では、大学内部の独立行政法人化問題への取組体制が紹介された。宮崎大学長自身が総会に続いてこの分科会に出席・発言されたことにも現れているように、宮崎大学では、大学執行部(学長、評議会)と組合が法人化反対の取組みでは一致しており、他大学に比して活発な活動が展開されてきた様子が報告された。

教員養成系問題分科会
  レポートは、佐賀・大分と追加で宮崎・長崎の各単組から合計4本。参加者は、鹿児島を除き九州内の各教員養成系大学・学部からあった。先の学生定員5,000人削減に伴う改組に続き、今度は少子化に伴う教員養成系大学・学部の再編・統合問題が降りかかってきた観があるが、この問題を本音で語り合えた気がするのは私だけだろうか!とくに、新課程を担当している教員の参加が比較的多かった(?)せいか、改組によって独自のカリキュラムや学生教育を実施してきた経緯と誇りから、再編・統合に伴う新課程の軽視に批判が集中した観がある。しかし、福教大を除いては目立った動きもなく、山形大学と地元の問題がマスコミに流れて以来、文科省の風向きも変わったのではないかという「願望」も手伝って、新たな道を積極的に模索する大学はないようである。

青年分科会
  清水@熊大、上野@都城高専の全大教青年部組が参加することもあり、この分科会では全大教青年部活動および両氏による九州オルグの話から現在の青年部活動の基本方針及び今後の展望について話があった。以前の青年活動から比べても、あまり変わらないように思えるが、総会や集会等に参加してくる者の意識が変わってきているようである。それはこれから独法化の先(将来)を考えた青年層の仕事に対する不安があるからなのかもしれない。給料の引き下げや首切りなど、あらゆる不安があるなか青年層は、まだ数十年働いていかなければならない。また、一人だけでなく家族という大切なものを守っていかなければならないのだ。集会のはじめに宮崎大学長の話の中に「生き残りだけ考えるのではなく・・・」という言葉があったが、青年層はそれこそ「生き残り」をかけて仕事をしていかなければならない。両氏曰く「今の組合活動に参加することも大事だが、自分達のこれからを決めていくのは、あくまでも自分達だ。自分が動かなければ人は何もしてくれない時代がくる」そのためも青年層個々人が将来を考え様々なネットワークから情報を仕入れ「自分の生きる道」を探していかなければならないと言われていた。そのためか最近の総会や集会等では、目的意識をもった青年層が多くみられるのだという。また、全国的な活動への参加も大事であるが、九州地区としてお互いに強固なネットワークを築き、これからの様々な情勢に対応していくことができる組織も必要だし、そのようなことが確実に実を結ぶような「集まる場」の提供が必要である。最後に九州においても「集まる場」を提供していくことと、そのような会には率先して参加し、おおいに若手の意見を述べ、若手同士でも意見の交換をしていこうということでこの分科会は終了した。

組合作り分科会
  大分大学からのレポートを中心に、組合の量・質を高めていく両面からの議論を行いました。組合が職場環境の改善や要求活動はを行なうのは当然ですが、学習会やレクリェーションの取組みも大事にしたい。イベントへの参加が「あすの役員作り」につながっていくという内容でした。
  定年退職者を上回る組合加入者があればいいのですが、どこも年々組合員が減少しています。ここでも法人化を前に50%の組合作りが焦点になり、事務職員の組織率の低さが出されました。先入観をなくしみんなに平等に声をかけよう。1人では組合に加入しにくくても、法人化になった時にみんなで入りましょうと予約を取ってはどうかという提案がありました。そのためには組合がやっていることをアピールしよう、法人化後組合の存在がますます重要になることを知らせていこう、安定した組合活動を継続していこうと話し合いました。

セクハラ分科会
  大分大学のセクシャルハラスメントに関する調査(3104名)を元に議論されました。主観的なセクハラ、意図的なセクハラ、性差別的なセクハラに分類される。男性の立場としてはここで一番陥りやすいのが男性が女性のファッションに対して意見をしたつもりが、受け取り方次第ではいやらしい目でみているということでセクハラになる。セクハラの範囲が広すぎるのではないか。現在、佐大で起きたセクハラに対する裁判が行われている。

シーガイア&諫早湾分科会
  宮崎大から「シーガイア破綻問題と地方自治の発展」、長崎大から「短期開門調査をめぐる諸問題」と題したレポートを元に報告が行なわれました。シーガイアはリゾート法の適用第1号と鳴り物入りで開業しましたが、巨大な負債を抱え倒産しました。宮崎県はシーガイアの支援と称し、60億円もの公金を支出しています。シーガイアの破綻は観光政策のあり方や地方自治のあり方、自治体の第三セクターへの関与のあり方を問い直しているようです。
  1997年4月に諫早湾の潮受け堤防の最後の開口部が293枚の鋼板によってギロチンのように閉められ、海苔の色落ちなどが問題、有明海の環境の変化・漁業の不振が伝えられるようになりました。この有明海をとりまく最新情報が伝えられ、宝の海を取り戻すことの大切さを再確認させられました。

 

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