No.10
2003.7.30
熊本大学教職員組合
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7月24日 2003年度代議員大会開催される

 7月24日18時より、くすのき会館レセプションルームにておいて、2003年度代議員大会が開催されました。代議員総数75名(定足数50名)のうち、出席は56名(内、委任状39名)でした。
 大会では万羽委員長の挨拶の後、来賓の県国公議長坂井氏(全建労)より連帯の挨拶がありました。議長団には法文支部の井原健氏と医学部支部の立山智氏が選出されました。
 議事に入り、濱田前書記長より2002年度の活動について、法人化反対運動、病院での勤務条件改善の運動、組織拡大のための運動を中心に報告がありました。また、昨年の大会でも大きな問題として議論された「教職員共済大学支部における不適正処理問題」に関して、伊藤書記局員より経過を踏まえつつ最終報告が行われました。質疑・応答では法人化反対運動での全大教の取り組みの弱さが問題になりました。濱田前書記長からは「国立大学法人法案に反対する大学教職員交流連絡会」に参加し運動を展開した経緯が説明されました。その後採決に入り全員一致で活動報告・決算報告が承認されました。
 休憩の後、2003年度運動方針(案)・予算(案)が提案されました。運動方針では来年4月の法人化に向けて、大学の自治を守るための取り組みの重要性、就業規則・労使協定・労働協約など労働基準法の下での労働条件決定の仕組みを正確に把握し、要求実現に取り組むことの重要性が指摘されました。とりわけ過半数組合の実現が最大の課題であることが強調されました。予算案については、繰越金の減少、組合費引き落としの口座登録が遅れていることによる財政難の状況が紹介され、全大教負担金の圧縮や積立金の取り崩しなどで対応することが提案されました。ただし、組織拡大に全力をあげ決算では取り崩しを行わずに済むようにしたいとの見解が示されました。報告の後、過半数組合が実現しなかった時の対応についての質問が出され、過半数代表者を選ぶことになるが組合が主体的に取り組んでいくとの考えが示されました。また、先行の非公務員型独立行政法人では、組合のあるところはその推薦者が過半数代表者として選出されていることが紹介されました。全大教との関係については、熊大教職組としては今後も全大教の現執行部に対して批判的立場をとるが、大学・高専の組合の全国組織として重要であり今後も参加していくとの方針が示されました。採決では方針案・予算案とも全員の賛成で承認されました。その後、特別決議が提案され拍手で承認されました。


組合員拡大に全力をあげ、法人化による大学破壊を阻止するための特別決議

 さる七月九日、参議院本会議において「国立大学法人法案」ならびに関係五法案が強行可決された。これは、大学人の長年の闘いを通じて獲得され、維持されてきた大学の自治と学問の自由を破壊し、憲法・教育基本法の理念を根本から踏みにじる暴挙である。今後、この法律に基づいて、強大な官僚統制のもとに大学が運営されることになれば、国立大学のみならず日本の大学全体の学問と教育研究に取り返しのつかない災禍をもたらすことになろう。
 私たち熊本大学教職員組合は、国立大学の「独立行政法人化」の問題が浮上して以来、その時々の局面において問題点を分析し声明を公表するとともに、全国の組合・関係諸団体と連帯しつつ全力を挙げて反対運動に取り組んできた。こうした私たちの運動を背景に、法案の国会審議では、その矛盾と問題点が次々に明らかとなり、最短日程での法案可決という政府・与党の目論みは崩れ、会期延長によって辛うじて採決に到るという状況にまで追い込んだ。本来、この法案は当初会期内に採決できなかった以上、審議未了廃案とされるべきものである。衆議院で一〇項目、参議院では二三項目にもおよぶ附帯決議が付されたこと自体、とても法律の体をなしていない代物であることを如実に物語っている。
 たしかに法律は成立した。しかし、評価委員会の構成、運営費交付金の算出基準等、重要な部分は政令、省令にゆだねられたままであり、就業規則の作成、雇用の継承、役員人事、中期目標・計画の作成など不透明な部分はいまだに多い。また、国会での闘いの成果として、たとえば、法人化にあたっての自主的・自律的な運営の確保、教授会の役割の重要性への配慮、現学長が学長選考会議の委員になることについての厳格な運用、文科大臣は中期目標の作成にあたって個々の教員の教育研究活動には言及しないこと、総務省評価委員会は具体的な組織の改廃、個々の教育研究活動については言及しないことといった附帯決議を獲得した。学長選考の具体的方法(投票も可)は各大学の判断に委ねること、長期的・基礎的研究分野の維持・発展には国も十分な目配りをすることといった文部科学省の答弁も引き出した。
 これらは、法人化による大学破壊を阻止するための貴重な財産である。そもそも、大学には学内民主主義が必要不可欠であり、その維持・発展を図るうえで教職員組合が果す役割の重要性はますます高まっている。法人制度のもとの労働関係は、国家公務員法と人事院勧告制度の体系から労働基準法と労使交渉による労働協約締結・労働条件決定の体系に大きく変化する。その際、組合が過半数の労働者を組織することができるか否かが、就業規則や労働協約の内容を大きく左右することになる。
 法人のもとでも、教職員の身分と権利を守り、大学の自治と学内民主主義、教育研究の自由を維持・発展させるためには、教職員組合の主体的力量をより一層強化することが緊要である。私たち熊本大学教職員組合は、組合員拡大に全力をあげ、過半数組合を達成し、真の意味で地域に開かれ、大学の構成員にとって働きがい、学びがいのある大学づくりに邁進することを誓うものである。
  右、決議する。
               二〇〇三年七月二四日
                               熊本大学教職員組合代議員大会



書記局紹介
赤煉瓦№2で書記局員を募集したところ、木村浩則さん(教育学部)、濱田明さん(文学部)、
斉藤靖さん(文学部)、伊藤正彦さん(文学部)、三澤純さん(文学部)にお願いすること
となりました。一年間よろしくお願いします。


 

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