No.13
2003.10.2
熊本大学教職員組合
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過半数代表者の選出方法を決定するためには組合との協議は不可欠!
法人制度設計委員会に対し懇談を申し入れました

 10月1日、国立大学法人法が施行されました。今後法人化に向けての準備は、法に基づく作業としてますます加速していくものと思われます。さて、この日を待っていたかのように事務局長より「就業規則に対する意見聴取等に必要な労働者代表について(通知)」なる文書が出されました。そこでは過半数代表の選出の必要性と選出方法の検討体制について述べられていますが、組合との関係については一切記されていません。過半数代表者の選出方法を決める際の組合の役割について述べるとともに、この通知の問題点を指摘いたします。
 就業規則は労働者保護の観点から使用者に作成が義務付けられているものです。そのためそれを労働基準監督署に提出する際には、過半数組合(過半数代表者)の意見を聴取しなくてはなりません。また、時間外労働、変形労働制など労働基準法の原則に反する勤務体制を導入するには過半数組合(過半数代表者)と労使協定を結ぶことが義務付けられています。労使協定のための協議の際には超過勤務の時間制限など労働条件の悪化に歯止めをかけさせることができます。しかし、あくまで労使協定は時間外勤務を導入するなど使用者の必要に応じて結ぶものです。過半数組合のない事業場で過半数代表を選出することは労働基準法が使用者に課した義務といえます。
 このことから、過半数代表者の選出は使用者の発議によって行われます。しかし、それは選出方法を使用者が決めるということを意味しません。あくまで労働者の代表を選出するのですから使用者の関与は最小限に止めなくてはなりません。事務局長の通知では、過半数代表者の選出方法について「法人制度設計委員会の人事労務部会で検討する」としていますが、組合の公的な関与なしに委員会が具体的方法を検討するということは許されません。
 選出方法の中には有権者・候補者の範囲をどうするかが含まれます。労働基準法には原則的なことが規定されているだけですから、その具体的な決定は労使の合意の下に行われる必要があります。これを確定しなければ過半数とは何かも決まりません。事務局長の通知の付属文書(Web上では人事課名で出されています)には労働者の範囲についてもあたかも決定しているかのように記述されていますが、組合はこのもっとも基礎的な問題から協議することを求めます。
法人制度設計委員会に懇談を申し入れました
 以上述べてきたように、事務局長の通知文に組合の関与が一切述べられていないこと、労働者の範囲について組合との協議がないにも関わらずあたかも決定した事項であるかのように述べられていることは重大な問題だと考えます。そして今後、組合との十分な協議に基づいて議論が進められることを求め、10月1日に法人制度設計委員会に対し懇談を申し入れました。委員会に対し過半数代表者の選出方法の検討にあたっては組合と協議すること、今後の就業規則案の作成の際には組合の意見に配慮しながら進めることを求めます。
組合は過半数組合・過半数代表者として教職員の願いの実現のために奮闘します
 熊本大学教職員組合は、附属病院事業場においてはほぼ過半数を確保しており過半数組合として使用者との協議に臨む予定です。しかしそれ以外の黒髪事業場、大江・本荘事業場、京町事業場ではまだ過半数が確保できていません。組合は引き続き過半数組合を目指すとともに、仮にそれが実現できなかった場合でも各事業場に推薦候補者を立て、主体的に就業規則や労使協定のための交渉にのぞむ決意です。皆さんの声を組合にお寄せください。組合はその声の実現のため最大限の努力を行います。

情報:

 ★文部科学省は10月1日付で国立大学法人評価委員会委員16名を発令しました。委員は下記の通りです。▽阿部博之(元東北大学長)▽荒川正昭(元新潟大学長)▽飯吉厚夫(中部大学長)▽ウィリアム・カリー(上智大学長)▽奥山章雄(日本公認会計士協会長)▽勝方信一(読売新聞論説委員)▽木村孟(大学評価・学位授与機構長)▽後藤祥子(日本女子大学長)▽椎貝博美(元山梨大学長)▽寺島実郎(三井物産戦略研究所長)▽鳥居泰彦(元慶応義塾長)▽南雲光男(連合副会長)▽中村桂子(JT生命誌研究館長)▽丹羽雅子(元奈良女子大学長)▽野依良治(名古屋大教授)▽御手洗冨士夫(キヤノン社長)

 ★厚生労働省は9月10日付で大学教員に裁量労働制を導入するための告示案に対するパブリック・コメント(10月8日締切)を求めています。告示の趣旨・目的・背景について「大学教員の業務の遂行方法等の実態からみて専門業務型裁量労働制の対象業務とすることが適当と考えられる「大学における教授研究の業務(主として研究する業務に限る。)」を専門業務型裁量労働制の対象業務に追加することとするものである。」と述べています。

 ★東京都大学管理本部は都立新大学の「教員配置案」を作成し、個々の教員に同意書の提出を求めています。同意書には今後の詳細設計への参加とそれを口外しないことの同意も含まれています。これについて9月29日都立大学総長が抗議の意見を発表しています。
http://members.jcom.home.ne.jp/frsect_metro-u/doishonituite.htm をご覧ください。

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