2003.12.1 |
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E-mail:ku-kyoso@mx7.tiki.ne.jp |
就業規則作りなんてどうせ今の勤務条件を規則化するだけだからたいしたことは無いと思っている人はいませんか。しかし、決してそんなことはありません。私立大学では教員の事務職員への配置換え、不当な解雇が行われた例があります。裁判で争えば勝てるかもしれませんが、多大な労力がかかります。就業規則に教育公務員特例法の趣旨を明記させれば、そうした行為に歯止めをかけることができます。職員への懲戒処分や解雇についても、本人弁明、不服審査の手続きを明記させれば、不当処分・不当解雇を事前に避けることができます。 組合の力も重要です。組合員の配置換え等に事前に組合への通告と協議を行うよう労働協約を結べば、組合員の意に反した配置換えを防ぐことができます。整理解雇を行う際にもそれが解雇の要件を満たしているかを組合としてチェックすることができます。確かに、公務員としての身分保障は無くなりますが、より良い就業規則と組合の力により私たちの雇用を守ることができるのです。 就業規則(案)への組合の意見をホームページに掲載しました 熊本大学就業規則(案)が11月19日付けで熊本大学のホームページに掲載されました。この案には、上に述べた教員人事における教育公務員特例法の趣旨を踏まえた措置、懲戒・解雇への本人弁明・不服審査の手続きは記されていません。出向を含めて配置換え職種換えには何の制約も無く、労働者はそれを拒むことはできないとされているのです。組合はこれらの点を含め就業規則(案)の詳細な検討を行い、熊本大学教職員組合ホームページ(http://ww7.tiki.ne.jp/~ku-kyoso/)に掲載しています。是非一度ご覧になってください。また、ホームページで見ることが困難な方は、組合事務所に連絡していただければ、印刷してお届けします。 みなさんの意見を伺うため「就業規則」公開学習会を行います 先日の過半数代表者選挙で、黒髪事業場、本荘・大江事業場において組合推薦候補が信任を頂きました。投票していただいた皆さんに厚く御礼申し上げます。また,選挙管理と選挙運営を担当していただいた,法人制度設計委員会人事労務部会の委員の方々および事務職員の方々本当にご苦労様でした.お蔭様で附属病院事業場とあわせて、就業規則の意見聴取に組合が主体的に対応する態勢が整いました。今後、より良い就業規則作りのために組合は最大限の努力を行います。 皆さんの就業規則に対する意見を伺うために黒髪地区と本荘地区において就業規則に対する公開学習会を開催することにしました。この機会に一人でも多くの教職員の方が参加し意見を出すようお願いします。また、この機会以外にも就業規則への意見があれば組合にお寄せください。
就業規則(案)の優れた特徴 さて、就業規則(案)の問題点ばかり述べてしまいましたが、先行独立行政法人の就業規則と比べて優れた点もあります。これについては作成作業に携わってきた人の見識を見る思いがします。ホームページに掲載した意見には含まれていませんのでこの場で3点指摘しておきます。 まず第一は、休日振替について土曜日を起算日とする一週間以内に振り替えることを明記したことです。休日振替は使用者の都合により可能ですが、休日を振替えてしまうので休日労働とはみなされず割増賃金の対象になりません。休日出勤とはされないのです。これを先行法人では、公務員における代休制度を準用して、4週間前から8週間後の間に振り替える規定を置く例が目立ちます。一週間以上先に振り返るとその週の労働時間が40時間を越え,割増賃金の支給が必要になります.そのため多くの企業で一週間以内に振り替えるという運用をしています。なお、休日に出勤させ、その分の賃金を支払う変わりに代休を与える場合は、割増部分の賃金支給は行わなければなりません。また、代休が取得できない場合には、賃金として支払われなければなりません。この違いは分かりづらいので、おって法人化後の労使関係Q&Aシリーズで解説します。 第二に、遵守事項で文書画の配布等の許可制が削除されたことです。法人制度設計委員会の一次案には残っていましたが、就業規則(案)では含まれませんでした。一次案に対して提出した組合の意見を取り入れたものとして評価します。 第三は、現在雇用されている定員外職員について、臨時職員就業規則の附則に雇用期間の承継が取り入れられたことです。法人法では職員の身分の承継について規定されていますが、定員外職員は年度末で雇用が切れることから身分の承継が最大の関心事になっていました。この規定は過去の組合との協議の中で、当局側の述べてきた「現にそこで働いている人の首を切ることはできない」という回答を具体的に裏付けるものとして高く評価します。 従来の規則制定手続と労働者代表の意見聴取の間に制度的な接点はない さて、今回の就業規則(案)に対して教職員の意見を求める通知が法人制度設計委員会人事労務部会長名で出されています。その通知文には、部会が就業規則(案)を取りまとめるとしています。このことについて組合は疑念を感じざるを得ません。そもそも就業規則は労働者保護の観点から使用者に作成と労働基準監督署への提出が義務付けられているものです。その際、労働者代表(過半数組合または過半数代表者)の意見聴取が義務付けられているのはすでにお伝えした通りです。では、人事労務部会は使用者の立場から就業規則(案)の取りまとめを行うのでしょうか。それとも使用者・労働者という概念をこえた高い立場から行うのでしょうか。前者の立場であれば部会として労働者代表の意見を聴取する責任があります。後者の立場であれば、検討を使用者の影響下で行うことは許されません。現在、人事労務部会には使用者に相当する総務部長などが陪席し意見を述べているのですから、このままの形での就業規則(案)の取りまとめは使用者の提案を権威付けるだけの役割になってしまうのではないでしょうか。 従来の学内での規則制定手続と労働者代表の意見聴取の間には制度的な接点はありません。従来の規則制定手続きに沿って就業規則を作るのであれば、最も重要な労働者代表の意見聴取が形骸化されてしまいます。組合はこのような疑念に基づき、法人制度設計委員会に対し質問書を提出しました。迅速な取扱をお願いします。 あなたも組合へ!! 組合員にはこんな特典もあります。
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