2004.2.27 |
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なお,多くの問題点が残されており最後まで改善の努力を続けよ |
2月24日付で就業規則及び臨時職員就業規則が改定されました。いくつか改善点もありますが,問題として残された点も多々あります. (1) 労働協約への言及がないこと 労働協約は就業規則に優先します。この規定をおかないからといって,労働協約の効力が無くなるわけではありません。しかし,就業規則とそれと異なる労働協約があった場合,職員の混乱は避けられません。 「就業規則と異なる労働協約の適用を受ける職員については,就業規則の当該部分は適用せず,労働協約の定めるところによる。」という規定を就業規則に明記すべきです。 (2) 起訴休職について 起訴休職の規定に「職務の正常な遂行に支障をきたす場合」が付け加えられたことは改善です。しかし,それと連動した休職期間の規定が「裁判所に係属する期間」となっており,問題が残されています。釈放された場合には裁判が進行中であっても復職できるような規定が必要です。 (3) 禁固以上の刑による解雇について 当然解雇という規定が削除されたこと,また執行猶予の場合を除いたことは改善です。しかし,懲戒解雇とは切り離されており,一方で解雇予告の対象からも外しています。解雇予告手当を支給せずに即時に解雇するには労働基準監督署長の承認が必要ですがその規定もありません。この解雇についての予告の扱いについて定める必要があります。 (4) 労使協定の扱いについて 時間外勤務等を命ずるには労働者の過半数を代表するものとの間で労使協定を結ばなくてはなりません。しかし,労使協定には使用者に対する免罰効果しかありません。労使協定で時間外勤務等を命じる事由を制限したとしても,それだけでは就業規則に対する効果を持ちません。就業規則に労使協定との関係を明示することによって初めて,労使協定の労働者保護規定は意味を持つのであり,就業規則に「労使協定の定めるところにより」を入れないのは欠陥です。 なお,今回の規則では変形労働時間制,裁量労働制に対する規定が削除されました。委任規則に示すから構わないという考えかもしれませんが,少々乱暴な取り扱いと言わざるを得ません。 (5) 日々雇用職員という名称について 労働法の下では日々雇用される者,あるいは日々雇い入れる者と言えばいわゆる日雇い労働者をさします。国が必要な人員はすべて定員で措置しているという建前から,常勤職員と同等の勤務を行う定員外職員に対して日雇い労働者の雇用形態を押し付けたのです。このような雇用形態を維持することに経営上の意味がないことは国大協第4常置委員会作業委員会の盛誠吾一橋大学教授も認めているところであり,労働法適用に伴って勤務実態にふさわしい雇用形態に変更すべきです。 なお,今後大学が短期の事業に際して日雇い労働者を雇用することもあるでしょう。その際,規則上の無用の混乱を起こさないためにも,現在の8時間勤務の定員外職員について日々雇用職員と呼ぶのはやめるべきです。 その他,停職と懲戒解雇との間に諭旨解雇が設けられたこと,自己都合による退職手続が14日前でも可能になったことなど若干の改善点はあります。しかし,臨時職員を永年勤続表彰の対象から外していることなど,協議において労働者側から強く求めた事項でも改善されずに残されています。当局側は就業規則の内容はほぼ固まったと考えているのかもしれませんが,まだ法人化まで一月あるのですから,変更すべき点は変更するという態度を維持するよう求めます。 |