No.49
2004.3.22
熊本大学教職員組合
Tel.:096-342-3529 FAX:096-346-1247
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法人化後の組合活動の前進を目指し、3月29日に団体交渉を行います

長時間労働と賃金不払い残業をなくすための具体的方策を求めます
定員外職員の雇用確保と待遇改善を求めます
看護師の増員と月8日以内複数夜勤の実現を求めます
組合員の人事についての労働協約を求めます

 2003年度の団体交渉は3月29日(月)10時30分から行われることになりました。昨年12月1日に交渉を申し入れた際に、できれば1月中遅くとも2月中に交渉を行うように求めていたにもかかわらず、法人化直前にずれ込んでしまったことにまず抗議をしたいと思います。使用者側が多忙なことは承知しています。そのため、要求項目は法人化前に協議の必要な事項を中心に厳選しましたし、例年のように病院長交渉を行ってから本交渉を行うという形式もとりませんでした。法人化直前になってしまい今さら就業規則の変更はできないというような回答があるかもしれませんが、このように遅れたのは使用者側の責任だということを忘れないでください。
 今回の交渉は人事院登録の職員団体としての熊本大学教職員組合と、当局側との交渉です。しかし、法人法成立を受けて、労働組合と法人の交渉という側面も併せ持ちます。例えば、国立大学法人法可決の際の参議院附帯決議第二十一では
法人への移行に際しては、「良好な労働関係」という観点から、関係職員団体等と十分協議が行われるよう配慮すること。
とされています。ここで公務員については使われてこなかった「労働関係」という用語が使われているのは注目に値します。使用者側は法人法に基づいて正式に準備を進めている中で、組合が職員団体のままでは制度作りに有効な活動を行えないので、法人化後は労働組合に移行することを踏まえて「良好な労働関係」と述べているわけです。ですから、今回の交渉での合意事項について使用者側は労働協約として結ぶ責任を負うと考えます。もちろん、協約の締結は法人化以降になりますが。

予備交渉の報告
 さて、2月10日に予備交渉を行いましたがその報告を簡単にします。交渉でのやり取りの詳細については活動報告集に掲載する予定です。
【1】交渉項目から外した事項について
 まず、項目3の定員外職員の雇止めをしないようにという要求ですが
《回答》法人化に伴う雇止めはない。新しく採用するときは任期をつける。在職の人は臨時職員就業規則(案)の附則にもあるとおり。
 法人化によって定員外職員の解雇を許さないということは組合最大の課題でしたが、臨時職員就業規則の附則で3年期限が適用除外されていたこととあわせて、大学の良識に基づく判断と高く評価します。今後、各職場における様々な事情の中で解雇問題が生じることも考えられますが、団体交渉では取り上げないことにしました。
 次に項目9の看護師の夏期休暇取得期間の弾力化の要求ですが、
《回答》これまでは人事院規則に縛られていた。弾力的に運用できるように考えている。現場実態に合わせて知恵を絞る。就業規則のほうで解決する。
 夏期休暇は7月から9月までの期間で取ることになっていますが、3交替で勤務する看護師さんたちが集中して夏期休暇をとることは困難な状況がありました。もちろん看護師を増員して皆がこの期間に取れるようにするのが第一ですがそれができないのならせめて取得期間を弾力化して希望通りに夏期休暇を取得できるようにしてくれというのが看護師さんたちの要求です。
 他にも、時間単位の年休取得については勤務時間等規則の中に明記されており交渉項目から外すことにしました。また生理休暇の有給化については病気休暇として認められたことから、臨時職員の待遇問題として取り扱うことにしました。
【2】労働協約事項について
 法人化後は交渉で合意した事項は基本的に労働協約として結ばなくてはなりません。労働協約として結ぶことを拒否したり、あるいは協約を結ぶ段になって新たな条件をつけてきたりすることは基本的に不当労働行為になります。今回の要求項目のうち、項目20の組合員の人事についての事前協議の要求、項目21の組合に対する便宜供与の要求については、合意の範囲で労働協約を結ぶよう求めました。
【3】その他の合意事項について
 項目14の教員の人事等について教育公務員特例法の趣旨にそった運用を行うようにという要求は基本的には就業規則等で実現しました。しかし、教員の有期雇用について労基法14条に基づいて行うという任期制法の趣旨を逸脱した見解が出されており、この点を重点に扱うことで合意しました。また、人事・労務担当理事予定者の交渉出席とお互いの記録の交換を要求しました。記録の交換については記録作成時期が組合とずれることを理由に難色が示されましたが、同時にはこだわらないので是非実現するよう求めました。

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