2004.4.21 |
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E-mail:ku-kyoso@mx7.tiki.ne.jp |
サービス残業なんてなくせるはずがないと思っている職員の方もいらっしゃると思います。確かに全廃は困難なことです。しかし、サービス残業は労基法違反の行為です。これを放置すれば使用者は30万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役を科される可能性があるのです。厚生労働省も、始業終業時刻の正確な把握についての指針、賃金不払い残業の解消のための措置についての指針を出し、サービス残業の全廃に向けて取り組んでいます。その背景にはサービス残業によって多くの雇用が失われており景気にマイナスの影響があるとの認識があります。公財政によって支えられている国立大学法人が、全廃に向けた取り組みをしないですむはずがありません。 組合は法人化後の労働条件改善の最重要課題としてサービス残業の全廃を取り上げています。人事課など大学の労務担当部門にも協力を求めながらこの問題に取り組む決意です。このニュースでは基本的立場と取り組みの提案を行います。多くの職員の方がこの運動に参加することを願っています。 |
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熊本大学教職員組合
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サービス残業全廃に向けた組合の基本的立場 1.業務の見直しを行い労働負担を削減する。 これがまず第一になされるべきことです。本来なら法人化前に様々な角度から検討されていなければならないものですが、殆ど手付かずになっています。例えば全学委員会では各学部の事務職員がずらりと陪席している場合がありますが、これは本当に必要な業務でしょうか。 2.時間外労働縮減のための労働時間制度は最大限有効に利用する。ただし、法的な運用要件の確保の他、職員の生活への配慮が不可欠である。 熊本大学の就業規則・労使協定ではシフト勤務や休日振替の他、大学教員について一ヶ月単位の変形労働時間制、看護師について4週間単位の変形労働時間制、附属学校教員について年間変形労働時間制が採用されることになっています。これらは勤務の形態を不規則にし職員の生活に影響を与えます。しかし、長時間労働が蔓延している大学においては長時間労働削減のための有効な方策でもあります。組合として労働環境の悪化につながらないようチェックを行います。 3.始業終業時刻の正確な把握する。 このことは使用者が当然やらなければならない責務です。職員の自己申告に委ねることも認められていますが、その際、正確に記録をつけるよう指導しなければなりません。しかし、法人化後このような指導が行われたという話は聞きません。少なくとも明確な指導が行われていない職場があります。使用者は厚生労働省の求める指導を怠っている可能性があります。 始業終業時刻を正しく記録することは、業務がどこに集中しているか明らかにする資料になります。長時間労働が行われている職場について、その原因を調査し、業務の見直し、職員の配置の見直しなどの対応策を検討すればよいのです。 4.その上で、実労働について賃金を支給する。 上記の方策をとってもなお行われる時間外労働・休日労働にはその分の賃金を支払わなければなりません。これは大学の義務です。研究費に食い込むからというのは理由になりません。なお、時間外労働・休日労働の賃金を受け取る代わりに代休を取ることは可能です。ただし、予算不足を理由に代休を取ることを強制することはできません。また、割増部分については支給の義務が残ります。 サービス残業全廃のために 1.始業終業時刻について正確に記録をつけましょう これは長時間労働を無くしていくための出発点です。組合は人事課にも協力を求めながら、正確な記録の徹底を訴えていきます。もし、正確な記録がつけられないような職場があるなら組合に連絡してください。組合から改善を求めると同時に人事課にも連絡し直接指導を行うよう要請します。 2.削減可能な業務はありませんか 皆さんの周りにもまだまだ削減可能な業務があると思います.各部署で何が削減できるのか自由に議論できるようなシステムが必要ではないでしょうか。他の職種の人に協力・配慮を求めることで仕事量が減らせるということもあるかもしれません。末端で実際に業務を行っている人の目から見ることが重要だと思います。もし具体的なものがあれば組合にお伝えください。微力ながらお役に立ちたいと思います。 3.シフト勤務・休日振替・変形労働時間制などの運用状況に問題はありませんか。 シフト勤務の指示は余裕を持って伝えられていますか。休日振替について振替日の事前特定は行われていますか。振替の命令は一週間前までに出ていますか。一ヶ月単位の変形労働時間制については起算日は毎月1日ですが、起算日の前に一ヶ月分の始業終業時刻の特定は行われていますか。また以上によって皆さんの生活に何か支障はありませんか。少しでも問題があれば組合に連絡してください。 4.データが集まった段階で労使協議を求めます 以上について皆さんからデータが集まればその時点で使用者側に協議を求めていくことにしています。将来的にはこの問題についての労使委員会を設置し、継続的に対応していくことを考えています。皆さんのご協力をお願いします。 【参考】一ヶ月単位変形労働時間制の運用に関する留意点 (1)起算日以前に毎日の始業終業時刻を特定しなければなりません。 (2)法定労働時間は一ヶ月単位で守られなければなりません。例えば、30日の月では法定労働時間は、40×(30/7)≒171時間42分です。これは6月の所定労働時間8×22=176時間を下回っています。そのため1ヶ月単位の変形労働時間制を適用した教員について、6月に所定労働時間と同じ176時間の勤務を割り振った場合、4時間18分について25%の割増賃金が必要になります。(要注意) あなたも組合に加入しませんか。 組合員にはこんな特典もあります。
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