2005.11.4 |
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———シリーズ「人勧準拠のココが問題」(1)——— |
人事院は2006年度からの「給与構造見直し」を勧告しました。これによって公務員の賃金は来年4月より平均4.8%削減されることになります。大学は、9月の労使協議において、この勧告に従いたい考えを示しました。11月8、9日に人事院勧告の学内説明会が開催されますが、これは人勧準拠の方針の下に勧告の内容を周知するために開かれるものと思われます。 さて、『赤煉瓦』No.12で組合が「人勧準拠に根拠なし」とする主張を大きく4つの理由に分けて展開しました。そして、組合として賃金闘争に取り組む考えを表明しました。今後、賃金闘争に向けて、様々な論点ごとに情報提供を行うとともに、組合運動へのご理解を求めていくことにします。
社会一般の情勢に適合した水準とは 国立大学法人は独立行政法人通則法第63条により、職員の賃金を「社会一般の情勢に適合した水準」にするよう求められています。そして、熊本大学の使用者側は「社会一般の情勢に適合させる」ことはすなわち「人勧準拠」だと「信じている」わけです。しかし、人事院勧告とは
熊本大学 318,665円(公務員の平均給与 382,092円の83.4%) 全国の民間平均賃金 380,703円(人事院勧告より) 九州・沖縄の民間平均賃金 357,437円(人事院勧告より) となります。通則法第63条に従えば、賃金は上げるべきであって決して引き下げられるような状況ではありません。 社会一般の情勢に適合させるためにすべきこと 給与構造の見直しによって、地域によっては国家公務員の賃金が「社会一般の情勢」に適合しなくなります。その場合に3〜18%の地域手当を支給するよう勧告されています。熊本大学でも独自に基本給表を作成しないのであれば、地域の民間賃金との格差を埋めるための手当を支給すべきです。 なお、一部の大学では事業場ごとに地域手当支給率が異なるにもかかわらず、学内で最も高い地域の支給率に統一する考えが示されています。熊本市は地域手当の支給対象地域に入っていませんが、大学の判断で一定の率で支給することは法律上問題ありません。国立大学法人には、公務員法は適用されないのです。 次号では、地域給が導入された場合の賃金への影響について試算した結果をお知らせします。
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