2006.3.7 |
||
E-mail:ku-kyoso@union.kumamoto-u.ac.jp |
組合の論点紹介(1) 熊大職員の賃金は民間より低い 唖然!臨時的雇用も含めた全労働者の民間平均賃金と臨時職員を除く熊大教職員の平均賃金を比較!? |
2月27日、2006年度賃金改定に関する2回目の団体交渉が行われました。組合の再三の要請にもかかわらず今回も学長は欠席しました。また、内容面でも妥協に応じる様子は一切ありません。学長は組合の声を直接聞かないまま賃金大幅引き下げを強行しようとしています。組合はこのような学長の姿勢を強く批判します。 さて、今回からいくつかの項目に分けて賃金改定交渉での組合側の論点を紹介します。使用者側にはこの論点について誠実に回答するよう求めます。 論点 熊大職員の賃金は高いか低いか 論点 熊本大学が特別都市手当の改善を行う必要はあるか 論点 昇給・勤勉手当のインセンティブ付与は待遇改善といえるか 論点 人件費が不足しており経営が苦しいというのは本当か 論点 熊本大学に経過措置期間の1号俸昇給抑制を行う必要はあるか 論点 大学教員に対する地域給導入(東京との18%の賃金格差)は誰が決めたのか 論点 今後の昇格改善に向けて 熊大職員の賃金は高いか低いか 組合はラスパイレス指数の問題を取り上げ、熊大職員の賃金は社会一般の情勢より低いと主張してきました。昨年11月に実施した賃金アンケートでもその主張は職員の実感として裏付けられています。一方使用者側は厚生労働省の賃金構造基本統計調査をもとに、熊本県における全労働者の平均賃金と比べて、熊大の職員の賃金は最大66%も高いと主張しています。どちらの主張が実態を反映しているのでしょうか。 さて、総務部長が引用した厚生労働省の調査の数字は *熊本県の平均データ *企業規模は10人以上、100人以上、1000人以上の3通り *全産業(農林水産業は除く)の男性労働者の単純平均 *学歴、職階の考慮はなし *パートタイム職員を除く全常用労働者(1ヶ月以上の期間を定めた雇用の者を含む) というものです。これを熊大の全常勤教職員(臨時職員を含まない)の平均賃金と比較するのだから乱暴です。熊本大学では約3000人の労働者のうち1000人程度は教員です。それ以外にも公務員試験の合格者や看護師免許を持つものなどが多くいます。そのような事情を一切無視して「民間より高い」という主張を行い、それを理由に基本給の大幅切り下げを求めるのですから悪質です。なお、団交で総務部長は「単に統計データを引用しただけ」と発言しましたが、この数字を根拠に熊本大学職員の賃金は民間より高いと主張し、賃金切り下げを提案したのです。「引用しただけ」とは事実に反する無責任な回答です。 ちなみに組合が賃金アンケートで使用した人事院の賃金データは、職種・年齢層ごとの全国平均値です。その平均値との差を個々の職員に尋ねたところ結果は 一般職(一) 回答者 35人 平均43800円低い 一般職(二) 回答者 11人 平均32100円低い 教育職(一) 回答者 44人 平均47400円低い 医療職(一) 回答者 30人 平均26500円低い 医療職(二) 回答者 166人 平均16700円低い でした。熊本の賃金水準は全国平均の92%(何故地域手当の対象にならなかったかを説明するときに総務部長があげた数字)なので一般職(一)については熊本の民間よりも低いと言えそうです。これをさらに4.8%引き下げようというのが使用者提案です。社会一般の情勢への適合では決して説明のできない提案です。 学長は教職員の労働価値をどのように捉えているのか 職員の賃金決定に当たって社会一般の情勢を考慮しなくてはならないことは法で定められています。それに反論する気はありません。しかし、社会一般の情勢をどう捉えるのかは、労働者がどのような労働の質を求めてられているかで変わります。より良い質の労働を求めるのであれば、賃金は当然高くなります。さて学長に伺います。
上記項目については別途公開質問状として学長に提出します。回答が寄せられた場合は、ニュースでその内容をお知らせします。 |