No.41
2006.3.10
熊本大学教職員組合
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本当に看護師の始業終業時間の正確な把握は行われているのですか?
看護師問題団体交渉報告1

<医学部支部組合ニュース№23(2006.3.8)を再掲しています>

 2月27日15時から看護師問題について団体交渉を行いました。病院側の出席は倉津病院長、高宗看護部長はじめ13名、組合からは上田執行委員長はじめ5名が出席して交渉にあたりました。

要求項目1.看護師の勤務時間を正確に把握すること。

 1月25日の黒髪での団体交渉で使用者側に看護師の始業終業時間の把握についてきちんとされているか聞いたところあいまいな返事でした。病院側は事務局にどのように報告したのか、きちんと看護師の勤務の実態を報告したかどうか疑問です。

労基法違反だらけの職場実態!!
ご存じですよね?? 労基法違反は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金

 現在、看護師の終業時間のみをコンピューター入力する自己申告になっており、正確な入力をするよう管理者はきちんと指導しなければなりません。しかし、入力について次のような声が組合に寄せられています。
「新人は半年以上たたないと入力してはいけないと言われた。」「超過勤務時間の入力の仕方を教えてもらえない。今でも知らない。」「看護師部会に出席して初めてそういうなことを知りました。」「入力の仕方を知っていても上司の判断や職場の雰囲気で、あなたは新人なんだから遠慮しなさい。」「まだ、仕事を覚えていない内は入力してはいけない、という指導がされている。」「昼休みが十分に取れなかったり、朝早く1時間前からこないと仕事が回らないからといって始めるがそれでもなかなか仕事が終わらない。」「休憩時間は1時間とれることはめったにない。」「サマリーやパス入力は超勤として認められない。」
このような労基法違反がないように指導し、周知徹底させることは管理者の責任です。
 看護部長はこのような声について、昨年、回答したとおり、「新人に対して超過勤務の入力の仕方はオリエンテーションの時に教えている。超勤をつけるのを半年、遠慮しなさいという指導はしていない。」「サマリーとかパス作成など業務とみなすものは入力して良いとしている。」と回答しました。しかし、現場への周知徹底ができていないために、病棟によっては今だに先程のような言葉が飛びかっていたり、職場風土になったりしているのです。
 組合では、今後、このような事がないように合意事項として文書で確認したいことを要求しましたが、看護部長は「職場で不公平がでないようにできる範囲のやり方で周知徹底させる為に通知する。」という回答にとどまりました。

看護師の超過勤務時間入力システムの改善を!!
 超過勤務時間入力システムには、「勤務時間前の勤務」「休憩時間を取らなかった」「休日に業務の一環の会議などに出てきた」時間などを入力する欄がありません。勤務日の終業時間のみを入力するシステムになっているため、正確な超過勤務時間が把握できるように改善が必要です。
 これに対して看護部長は、「入力システムについては、いろいろ検討はしてもらってはいるが、予算面で入力システムを変更することはなかなか難しい。しかし、大事なことなので看護部としてはシステムの変更を引き続き要望という形でしていきたい。」「休日の講演会、会議についてシステムの問題になる。サマリー入力、係の話し合いは勤務時間内、できれば勤務日にやっていただきたい。時間がないというのはわかるが、まず努力していただきたい。」と発言しました。
 この件については、昨年8月10日の病院長交渉でも問題を指摘し改善を求めていました。しかし、半年以上たった現在でも何ら改善がなされていないままです。病院側は本当に正確な労働時間の把握をするつもりがあるのでしょうか?

正確な始業終業時間の把握を行うことについての明確な回答なし!!
 組合は、対処の方法として、改めてシステムの不備があるのであれば、改善を早急に始めること、また、現場においては超過勤務入力の周知徹底については職場風土の問題もあるかと思うので口頭だけでなく、徹底させる取り組みを組合と一緒になって行うことを合意していただけないかと要求しましたが、明確な回答は得られませんでした。
 また、サマリー入力、係の話し合いを勤務日にやってもらいたいのであれば、勤務日にそれなりの人員配置をするために増員も要求していく事が必要ではないのでしょうか? 本当の病院の労働実態を事務局にきちんと報告しなければ改善の目途がたたないことは明らかです。
 これまで組合は労働基準監督署へ組合が使用者側を訴えるということは避けてきました。しかし、現在のような正確な労働時間管理を行わない危険な状況をいつまでも続けるのであれば・・・。

次回は、「年休問題」「看護師の離職防止策」「認定看護師の待遇改善」「クラークの全科配置」についての報告します。

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