2006.6.7 |
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執行委員長 鈴木 桂樹 (法学部:政治学) めぐりあわせで06年度執行委員長を務めさせていただくことになりました。新執行委員のみなさんとともに、ほどほどに、しなやかに、ぼくとつとがんばってみたいと思います。 先日、05年度の執行委員さんから熊大職組の取組や成果、諸課題について詳しい説明を受けました。いろいろありすぎて、複雑すぎて、知識がなくて、自分のズブ・シロウトさ加減を痛感。といっても、いまさら、どうなるわけでもなし。むしろこの「シロウトっぽさ」を大切にしていきたい、と居直ったりもしています。 国立大学も独立行政法人となって早や3年目。それぞれの大学の当事者能力がますます問われてくる段階にあります。個性豊かで活力ある熊本大学を創っていかねばなりません。そのためには、政策決定過程がどれだけ多くの、そして多様な視点を含みこんでいるかが大切です。多面的な議論なくして、高いレベルの意思決定はできません。 いうまでもなく、労働組合は、職場環境や労働条件に視点を据えつづけてきた組織です。この点では、熊本大学の発展のためにさまざまな貢献をなしうる組織だと認識しています。適度な緊張感をともなった良好な労使関係を発展させていきたいと願っています。 ともかく、あまり眉間にシワを寄せないでやりたいな、というのが正直なところ。固定観念にとらわれないたのしい提案がありましたら、どんどんお寄せください。 一年間、どうかよろしくおねがいします。 書記長 稲葉 継陽 (社会文化科学研究科:歴史学) 2003年7月9日、衆議院本会議において「国立大学法人法案」ならびに関係5法案が強行採決されたとき、熊本大学教職員組合はこれに断固抗議する緊急声明を発表し、次のように記していた。 「教育研究内容への行政介入の仕組みは、1886年に公布された帝国大学令でさえ認めていないものであり、その意味で法案の可決は、戦前・戦後を通じた日本の大学の歴史における最大の汚点である。(中略)今後、非公務員化のもとで、『効率化』や『流動化』を口実にした教職員に対する攻撃も強められるだろう。また業績主義と競争原理の徹底が大学の教育研究内容をゆがめ、学費の高騰や大学の統合・再編によって国民の等しく高等教育を受ける権利が著しく侵害されることになろう」 近代史上最悪の教育行政が推進する、教職員の労働条件と教育研究内容への介入・圧迫、そして組織再編。3年前に誰もが予想した事態は、いま、すさまじい速度で進んでおり、引き返す術はないかのように見える。しかし、私たち大学構成員は本当に無力なのか? 私とて歴史家の端くれである。歴史家たる者は、政治の推移の奥底で、あるべき社会や組織を実現するために無名の人々が積み上げた主体的な営為を発見して、歴史社会像に組み込もうとする。先日の新旧四役会議で私は、この3年間に組合の執行委員や書記局員が重ねてきた活動の一つ一つを確認し、さらに給与大幅引き下げへの対応、労使関係の正常化、有期雇用職員の待遇改善、昇給・勤勉手当支給率査定制度導入への対応、時間外労働問題への対応といった、現在取り組まれている諸課題を引き継いだ。そのとき、今度は教育研究労働者であり歴史家でもある私自身が、主体的にこれらに取り組む段となったことを否応なしに実感し、そして決意した。 「歴史を主体的に捉えた人は、ほとんど例外なく、歴史を主体的に生きた人であった」というのは史学概論の基本であって座右の銘でもある。書記長としての活動は、教育行政の歴史的曲がり角における大学構成員・研究者としての自己実現の方途に違いあるまい。ただこの一点において、大役を引き受け、踏みとどまる事が出来る筈だと思っている。 組合の活動への諸賢のご支援とご協力をお願いし、挨拶に代えたい。 2006年度役員名簿
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