2008.1.25 |
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1月10日の部局長等連絡調整会議において、表彰・報奨制度(案)が提案されました。人件費・報奨制度WG(座長、佐藤隆理事・事務局長)で取りまとめたもので、各部局に持ち帰り2月1日(金)までに意見を出すこととされています。このニュースでは、提案の概要とそれに対する疑問を述べます。 今回の提案の内容 従来の就業規則では表彰について具体的に規定されているのは永年勤続表彰のみです。今回の提案は永年勤続表彰以外の表彰を3種類に分類するとともに、その一部に報奨金を支給するというものです。具体的には
とされており報奨金が支給されるのは(1)の外部資金受入の場合のみです。報奨金の額も受入外部資金の額によって次のように提案されています。
報奨金は今年度については、平成18年度実績に基づき平成20年3月に支給するとされていますが、来年度以降は前年度の実績に基づき、6月の賞与支給の時期に合わせて支給するとの提案です。また財源は外部資金の間接経費をあてるそうです。 案に対する様々な疑問 表彰規則の整備の必要性は認めましょう。しかしあまりに唐突な提案との感を禁じえません。特に報奨金については、WGでも支給総額の検討すら行われていません。100万円程度の助成を10件程度採用するとして学内公募された出版助成が、総額600万円ほどにまで削減されるなど、多くの予算が削減されている中で、このような新たな財政支出を行うことについて、より詳細な説明があってしかるべきです。以下、原案に対する疑問を箇条書きします。 学長は従来から科研費不申請に対するペナルティなどで外部資金獲得競争をあおってきました。確かに経営者の立場からはどれだけ金を取ってくるかが重要と感じるのかもしれません。しかし大学にとって最も重要なのは教育・研究の活性化です。民間での「売上高の多い人に報奨金」という考えをそのまま持ち込むことには疑問を感じます。出版助成など堅実な研究活動に対する助成を大幅に削減し、資金獲得事実のみを評価するのは本末転倒です。 また、研究に必要な経費は分野ごとに異なるし研究計画内容でも大きく変わってきます。外部からの研究費も獲得しやすい分野とそうでない分野があります。外部資金獲得にしか目を向けなければ、学内の教育・研究の構造を歪めかねません。使用者側にはより慎重な取扱いを求めます。 |