No.4
2008.9.1
熊本大学教職員組合
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えっ、こんな時期に重要な意見聴取!?
次期中期目標・中期計画に深く関わる
「熊大プラン2008(中間まとめ)」

 
皆さんは、総合企画会議将来構想検討WGから7月29日付けで提示された「熊大プラン2008(中間まとめ)」(以下、「中間まとめ」)をお読みになりましたか。
この「中間まとめ」は、次期中期計画・中期目標を見据えて構想された、50頁を超えるPDFファイルで、最も早い部局では、8月4日にメールで添付・配信されました。そして、熊大の全教職員から直接意見を聴取するという主旨から、部局単位で意見を取りまとめることはせず、個人個人が8月29日までに意見を返信することになっていました。しかし、締め切り3日前の8月26日になってもまだそれが配信されていない部局もあり、明らかに部局によってその検討時間に差が生じている事実があります。
 折しも、文学部と教育学部は耐震改修工事のため、引っ越し作業に追われていました。学生の夏休み期間を利用して長期出張や研修に出かける教員も少なくありません。意見の取りまとめはしないとは言え、教授会を休会にする部局も多くあり、教員間で広く意見交換や議論ができにくい状況でした。果たして、これが次期中期計画・中期目標に深く関与するような内容をじっくりと検討するのに適した時期と言えるでしょうか。
さらに、その内容については、次の二点で特に問題であると考えられます。
(1) 組織改編や新学部創設など改組にかかわる事項が構想されている。
(2) 現在議論中の事項が規定項目のように取り扱われている。
 (1)については、特定部局学科の定員配置見直し、学内共同教育研究施設の再編、創造経営学部(仮称)・国際化推進センターの創設などが構想されており、これらについては学内の合意はおろか、十分な議論さえも全くなされていません。
 (2)について、9月(秋季)入学、英語共用語化、4学期制導入、学士一貫教育などの項目の多くは現在議論中です。それを「中間まとめ」はまるで規定項目のように組み入れています。
 その他にも、読んでいくと問題点が多々見られる内容の「中間まとめ」ですので、今回のような形での意見聴取は全く不十分と言わざるを得ず、これは今後も引き続き、学内的に広く議論していかなければならないと考えます。そして、その最終案は必ず全学的合意を取った上で策定し、実施計画を進めていくことを強く求めます。「中間まとめ」p.7には、「学内コンセンサスに留意しつつ」としっかり明記してあるのですから。
 なお、熊大教職員組合執行委員長と書記長の連名で以下の文書を教職員からの意見として8月26日に提出しました。
 さらに、同文書を熊大教職員専用ホームページの「学長への提言ボックス」にも投函していますので、学長からの返答を期待したいと思います。


「熊大プラン2008(中間まとめ)」について

2008年8月26日
熊本大学教職員組合執行委員長 市川 聡夫
書記長   松瀬 憲司

 次期中期目標・計画策定の基礎になると考えられる「熊大プラン2008」に関しては、その最終案を作成する前に、内容を全学に徹底して周知すること、そしてその内容については全学から十分な合意を得ることを強く要望する。

 この「熊大プラン2008」の「中間まとめ」は、7月29日付けで総合企画会議将来構想検討WGから提示されたものだが、教職員個々人から意見を聴取するために部局に降りてきたのは、早い部局で8月4日、遅いところでは8月20日であり、8月26日現在、全くこの「中間まとめ」の存在を知らされていない部局までも存在している。にもかかわらず、8月29日までにメールによる意見提出が求められているのである。
 まずもって、長くて3週間程度、短いところでは10日足らずで、50頁を超える大部な資料を十分に検討し、意見を提出するということ自体が多くの教職員に本当に可能かどうかという根本的問題がある。
 次の問題として、8月はじめに定期試験やオープンキャンパスを終え、研究のために長期出張や研修に出かける教員も多く、さらに文学部と教育学部については、耐震改修工事のために研究室の引っ越しやその後始末等で、この「中間まとめ」をじっくり検討する時間的な余裕がとれない状況にあり、とても「全教職員から」聴取できるという状態ではない時期に意見聴取を行っていることがあげられる。
 加えて、8月は通例教授会が開催されない部局が多く、熊大全体の将来構想に関わる重要な内容を含む、「中間まとめ」が教授会で全く審議されないという事態が起こることは非常に問題である(現にいくつかの部局ではそうである)。
 また、内容的には、以下の点で非常に問題である。
(1) 部局・学科の定員配置見直しや新しい学部の創設といった「改組」に関わる事項が構想されている。
(2) 9月入学や英語共用語化推進、また、教養教育と専門教育の区分を廃止し、学士一貫教育に変更することなど、「現在議論中の事項」があたかも確定事項のように構想されている。
(3) 戦略的な人事制度への言及はあるが、大学や病院現場からの優秀な人材流出をいかにして防ぐかについての方策は示されていない。
(4) かつては7つの運営方針の一つに「基礎研究などの競争や経営になじまない部分の重視と堅守」をあげておきながら、先端的・重点的研究に関する支援策は多く言及されているが、今回、基盤的研究に対する具体的支援策への言及がない。
これらは、より十分な形で、時間をかけて、真剣に議論しなければならない事項であることは言うまでもない。
 「中間まとめ」p.5では、中期目標・中期計画とは、「計画の実行を実質的に担う全構成員による共有と共同を前提としている」ものであり、「将来構想が構成員の活力の源泉となり、役割と責任を自覚した構成員の自立的な諸活動の総体により、中期目標・中期計画が完遂されることが最も重要である」としながらも、次期中期目標・中期計画に大きく関わる「熊大プラン2008」の「中間まとめ」については、今回のような全く不十分な形で意見聴取するにとどめ、最終的な正案が今後短期間の内に作成されるとすれば、その実施に際して、大混乱が起きることは明白である。「熊大プラン2008」の正案作成にあたっては、本当の意味で「全学的に」十分な議論が展開されることを強く求める。


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