2009.1.13 |
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学長発言について |
9月に行われた組合執行部交代時の四役による学長との懇談の席において、組合は団交への学長出席を求めました。これに対して学長は明確な回答を示さずに「組合との話し合いは建設的ではない」旨の発言を行いました。 この発言を念頭において、12月16日の団交ではまず執行委員長から「組合はすべての任期制に反対と主張しているのではありません。きちんとした導入手続きが行われていないこと、その任期制の運用が熊大の発展に寄与するものであるかどうかを問題にしている。どうか誤解のないように」との発言を行いました。これに対し学長が述べた発言の中に組合として黙視できないものがあります。このニュースは学長の発言自体を批判するものではありませんので、学長の発言内容と組合の主張、過去の議論をできる限り客観的にまとめることにします。ただし、今後の基本的労働条件に関する団交において、組合主張の根幹に関わる問題です。以下述べる組合の見解に理解を示さない場合には、今後の団交に学長自ら出席し、直接の議論に応じることを求めます。 学長発言の内容 「意識的にされているかどうか分かりませんが、文書で人件費5%削減し10億円あまっているはずではないか、それをどうしたのかという表現があった。まったくの誤解です。人件費は現状維持しているのでなんら削減の効果で余剰のお金が出ているわけではない。意識的か間違って表現されたのか分からないがご理解いただきたい。」 この問題に関する組合の基本認識 学長発言にある「文書」が何をさすのか確認しているわけではありません。ここでは学長選アンケートの質問項目で組合の基本認識をまとめたものを掲載します。 「2006年度の国家公務員給与構造の見直しに伴い、熊本大学教職員の賃金は平均5%削減されました。本学の総人件費は約200億円ですので、最終的に10億円程度の財源が生じることになります。確かに運営費交付金も削減されていますが、その算定に大学所在地の地域手当支給率は考慮されていません。地域手当を高く設定された地域の大学では、その捻出に苦慮しているのが実情です。熊本大学に固有の財源といえます。」 なお、各大学の運営費交付金の削減状況を表にまとめておきます。運営費交付金には退職手当が含まれるので、完全な比較は困難ですが、地域手当支給率の扱いが考慮されていないことが読み取れます。 2006年の給与構造見直しで何が変わったか ここでは、公務員制度で変わったことのみ記述します。使用者側にも反論の余地はないはずです。
熊本大学の総人件費は約200億円です。有期雇用職員など非正規雇用の職員も多くいますが、基本給の切り下げは有期雇用職員に対する日給、時間給に対しても行われており、現給補償がなければ、人件費は約10億円削減されたはずです。 現給補償のための経費を正確に算定する資料を組合は持っていません。しかし、モデルごとの試算では大多数の人は2010年までに現給補償の対象から外れると出ています。組合は人件費削減により生じる財源は最終的に10億円になると主張しているのであり、現時点で10億円あると主張しているのではありません。 また組合は実際に総人件費が10億円下がると主張しているのではありません。看護師や非常勤の研究員が大幅に増やされており、そのための人件費も必要になります。また賃金不払い残業も改善されていると思われ、そのための経費も必要なはずです。しかし、それは人件費切り下げによる財源がなかったということではなく、人件費切り下げによって生じた財源を、看護師の確保や賃金不払い残業の解消のために使ったと認識すべきです。 過去の団交での経緯 給与構造見直しに伴う賃金切り下げでどの程度の余剰が出るのかは、賃金に関する団交の基本になるものです。これについて2006年2月9日の団交では1億6千万円の余剰が出ると回答し、教職員のインセンティブに使いたいとの方向性を示していました。その後、2月28日の団交でインセンティブに回す余裕はないとの立場に変わりましたが、その際に使用者側の示した資料を掲載します。残念ながら2006年度以降の団交では、人件費削減効果に関する具体的数値を示していません。しかし、余剰があるという組合の主張に対し反論もしていません。 組合はこのような過去の経緯を踏まえ、事実に基づいて正当な主張をしていると考えます。 資料 18年度人件費増減見込み額
資料 国立大学の運営費交付金削減状況 国立大学法人法人別運営費交付金予算額( 単位は100万円 平成21年度は政府案)
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