2009.6.1 |
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0.2月分は決して削減されたわけではありません |
赤煉瓦33号でもお知らせしたように、使用者側は人事院勧告を参考に6月期ボーナスの0.2月分凍結を提案しています。凍結という言葉を聴いて実質的に削減だと思われる人も多いと思います。しかし凍結は直ちに削減を意味するものではありません。多くの大学で凍結と削減の区別を曖昧にしたまま、労使協議が不調に終わっていく中、私たちはまずこの措置が削減ではないことを明確化することが重要だと考えました。労働法のもとでは就業規則変更による不利益を、遡って適用することが許されないからです。 組合は決して使用者側提案の正当性を認めているわけではありません。現時点でも凍結は見送るべきだと考えています。しかし交渉を決裂で終わらせることは、凍結と削減の区別の曖昧さを残してしまうことになります。また凍結分の扱いが曖昧になってしまう可能性があります。このような判断から5月25日の団体交渉において労働協約の締結を条件に0.2月凍結に同意することにいたしました。このニュースでは合意の内容とそこにいたる経緯について報告します。組合員の皆様のご理解をお願いします。 5月28日に調印された労働協約とその趣旨 まず28日に調印された「組合員の給与に関する労働協約」をご覧ください(裏面)。このうち実質的な意味を持つのは第2条から第5条までです。 第2条はこの措置が削減ではないことを明確にすることを目的とします。今回の就業規則の変更は、給与規則の本則は変更せず、附則に読み替えの内容を示す方式をとっています。改正趣旨に暫定的凍結であることを盛り込んでいますが、規則だけでは凍結か削減か不透明だからです。 第3条は凍結した額の扱いを定めたものです。人事院勧告を受け速やかに労使交渉(団交)を行って決定します。第2条と第3条によって、凍結がなし崩しに削減にされることを防ぎます。 第4条は夏の人事院勧告(ボーナスの大幅削減を含むことが予想される)を受けた団交で、減額分の使途についての交渉を行うことを約束したものです。なお、第3条で交渉を早期に行うことにしていますが、この交渉も同時に始めることになります。 第5条は将来増額の人事院勧告が出た場合の対応です。勧告を社会一般の情勢として不利益を押し付けるわけですから、増額の場合にそれを無視することは許されません。今回、これを協約として確認したことは意義あることと考えます。 なお、5月21日の団体交渉において谷口学長は「基本的には下げるときには下げるので、上がるときは上げる。逆の答えが出ればそれはある種の約束」と明言しています。協約より踏み込んだ内容であり、団交の場での発言として重く受け止めています。 労働協約締結に至る経緯−5月22日臨時大会で方針を決定 さて、労働協約締結に至る経緯を報告します。この件に関して21日と25日に団交を、22日に組合臨時大会を行いました。21日の団交では、組合として凍結見送りを強く求めましたが、使用者側の姿勢は変わりませんでした。組合は、
5月22日の組合臨時大会では、団交の報告と労働協約案とその趣旨が提案され、妥協できる範囲についても議論しました。暫定凍結を明確化し粘り強く運動を進めていくことが必要との執行部の判断が支持され、労働協約案の内容についても執行部に広い裁量を与えることになりました。 5月25日の団交では双方から労働協約案が示されましたが、お互いに21日の団交を踏まえた内容を提案したために大きな違いはありませんでした。双方が誠実に対応した結果だと考えます。 今後のボーナス闘争のために皆さんの声をお寄せください 組合は今年度のボーナスを巡る闘いにおいて、山場は8月の人事院勧告以降と判断しています。国立大学法人が教職員の賃金水準について「社会一般の情勢に適合させること」を求められている以上、厳しい戦いになることが予想されます。しかし仮に削減された場合には、減額分を何らかの形で人件費として教職員に還元するよう、粘り強く運動することが必要です。例えば、入試手当の総額拡大、時間外手当割増率アップ(超勤のために勤務間隔の取れない看護師や、特例措置で月45時間以上働く職員には急務です)、パートタイム職員のボーナスなどが考えられます。夏までに組合として要求項目を整理しますので組合員の皆さんの声をお寄せください。 もう一つ、人件費(賃金)に関する交渉は大学の財務状況を踏まえて行う必要があります。使用者側は財務状況の具体的説明を行い、削減しなければならない合理的根拠を示す義務があります。それに対し組合は予算の執行状況を批判しながら、もっと人件費に回せるはずだと主張する必要があります。そこで皆さんの周りで大学の予算執行にかかわって無駄だと思えることがあれば是非組合にお伝えください。無駄を放置しながらボーナスを減らすのは許せないという強い態度をとることが可能になります。 組合員の給与に関する労働協約 |