No.2
2009.7.17
熊本大学教職員組合
Tel.:096-342-3529 FAX:096-346-1247
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2009年度新執行部が発足しました。よろしくお願いします。

  
7月9日、政策調整会議は有期雇用職員の雇い止め問題についての人事制度改革検討WGの報告を了承し、今後必要に応じた修正は学長と人事労務担当理事に一任することになりました。現在、有期雇用職員は3年(5年まで延長可)、特定有期雇用職員は5年という契約更新の上限が設定されていますが、一定の条件の下に5年以降も契約更新を可能にするというものです。しかし、抜本的な解決とは言い難いもので、正規の看護師、医療技術職員と同等の業務を行う特定有期雇用職員の願いに沿うものではありません。
  WGの報告はすべての有期雇用職員、特定有期雇用職員を対象にしていますが、このニュースでは特定有期雇用職員の問題にしぼって、これまでの経過を含めて報告することにします。

特定有期雇用職員の雇い止め問題とは
  この問題の背景には、看護師の定数を増やさないまま非正規雇用の形で増員を続けたことがあります(詳細は下の表をご覧ください)。そのため非正規雇用の看護師も看護の中核を担う必要が生じました。また国家公務員時代からの3年という雇用期限では正職員になれないまま雇い止めになるという事態が必至になりました。医療技術職員についても高度化、複雑化した医療に対応するために新しい様々な職種が必要になりましたが、定員がないため非正規雇用でしか雇えず、業務に慣れたころには雇い止めになるという深刻な問題が生じていました。
  その対応策として2006年度から特定有期雇用職員の制度が作られ、賃金は月給化し賞与も含めて正職員との格差が解消されました。また契約更新の回数も4回まで可能になり5年間の雇用が保障されるようになりました。さらに運用によって2006年度が1年目の契約とされたために、雇い止め問題は2010年度末まで回避されることになりました。
  しかし、7対1看護基準の導入もあってその後も看護師の大幅増員は続き、異動の少ない医療技術職員だけではなく毎年数十人が退職する看護師についても雇い止めが避けられない状況になりつつあります。現在でも、5年間という契約更新の制限は、優秀な看護師・医療技術職員の確保のための重大な障害になっています。このまま放置すれば今後の病院経営に深刻な影響が生じます。
年度 備考 正看護師数 フルタイムの看護師数
1999年度   411人 29人
2004年度 法人移行時 417人 77人
2006年度 特定有期雇用職員の制度化 420人 128人
2008年度   416人 284人

組合の取り組みの経緯

  組合は2008年度からこの問題の解決を組合活動の最優先課題と位置づけて取り組みを強化してきました。2009年1月の団体交渉では契約更新回数を4回に制限することになんら法的な必然性は無いことを主張し、4月の団体交渉で「附属病院の運営に支障をきたす重要な問題であり、見直しについて2009年度中には結論を得たい」との回答を引き出しました。
  一方で2月の病院長交渉では、特定有期雇用職員の雇い止め問題は病院経営上深刻な問題であること、組合と協力して問題解決を図っていくことを確認し、病院からも学長に継続雇用の要望書を出すことになりました。病院長名での要望書は4月17日付で提出されています。
  病院と組合の要求を受けて、政策調整会議の下に人事制度改革検討WGが設置されました。しかし、WGに示された最初の案は、5年経過後も1年ずつ更新できるとしただけのまったく不十分なものでした。組合は7月2日の病院長との懇談において、この内容では不十分であることを確認しました。また7月7日の恒例の新執行部と学長との懇談の席を利用して、附属病院と当事者たちの意向を踏まえて最終的な方針を決めるよう求め、学長も基本的に同意しました。

WG報告の見直し案の内容
  さて、7月9日の政策調整会議に提出されたWG報告は、当初の案よりも幾分改善したものになりました。早急に結論を出す必要性を認め、短期間のうちに実質的な検討を行い見直し案をまとめたことについて、組合は評価します。しかし冒頭で述べたようにこの報告内容も抜本的な改革案とは言い難いものです。

 WG報告では、現状の問題点を
  特定有期雇用職員の雇用期限による雇い止めは、附属病院の業務に支障をきたすばかりでなく、優秀な看護職員、医療技術職員の確保にも大きな影響がある重要な問題である。ただし、雇用期限を撤廃すると、勤務条件が一般職員とほとんど同じになるため、退職手当の問題が発生してくることになる。
と指摘し、見直し案として
@ 現行の5年までの雇用期限を維持しつつ、5年ごと雇用期限を延長することができることとする。ただし、有期雇用職員の雇用期限の延長とは異なり、学長への協議は不要とする。
A 雇用を延長したものについては、毎年度、態度・能力等の評価を実施する。評価の結果、勤務実績及び勤務遂行能力が十分ではないと認められる場合は、延長された5年の期間中であっても、当該評価を受けた次年度の雇用延長は行わない。
を提案しています。
  雇い止めの深刻な影響は認めつつも「退職手当」の問題を考慮し雇用期限撤廃には踏み込みませんでした。また、見直し案のAの趣旨は、評価結果によってはいつでも雇い止めにできることを担保することであり、期間を定めない雇用にしないための措置といえます。
  これによって確かに雇用の延長は可能になりますが、正職員になるまでは毎年雇い止めの心配が残り続けます。産休・育休を取った場合に評価にどう影響するかも不明です。上司との折り合いの悪さが評価に影響する可能性も否定できません。組合の求めた「安定雇用」とはかけ離れた内容です。

組合は当事者の声を踏まえこの問題への取り組みをさらに強化します
  7月10日、教職員組合医学部支部主催で特定有期雇用職員を対象に説明会を開催し、WG報告の見直し案に対するアンケートを行いました。現在、アンケートについては参加できなかった人も含めて全特定有期雇用職員を対象に取り組んでいます。アンケート結果と使用者案の問題点などまだまだお伝えしなくてはならない事項がありますので、今後も継続的にニュースでお伝えしていきます。


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