No.5
2009.7.31
熊本大学教職員組合
Tel.:096-342-3529 FAX:096-346-1247
E-mail:ku-kyoso@union.kumamoto-u.ac.jp
PDF版はこちら


7月30日、2009年度定期大会において
特別決議を採択

2009年度ボーナス・給与問題に向けての特別決議


  2009年5月1日、人事院は6月期における公務員の期末・勤勉手当についての一部凍結を求める異例の臨時勧告を行った。これを受けて、熊本大学使用者は5月14日に組合に対して6月期期末・勤勉手当を0.2ヶ月分凍結することを提案した。
  2006年度に実施された平均4.8%の基本給大幅切り下げにより、地域給非支給地域にある熊本大学の給与水準は既に全国立大学法人中最低であり、法人化以前からの不当な待遇抑制を背景とする対国家公務員ラスパイレス指数は2008年度現在で83.3という法人化後最低の値を示している。このような劣悪な給与水準を反映し、熊本大学は既に優秀な人材の確保がままならない状況に陥っており、教員については、待遇の低さが災いして採用人事が不成立となる案件が発生、医療職員については期限付き雇用というさらに不利な労働条件も重なり、今後の業務の運用が危ぶまれる状況にある。
  一方、熊本大学は、基本給の大幅削減という多大な犠牲を教職員に押し付けることにより、第1期中期計画に掲げる人件費削減目標を超過達成し、法人として良好な業務評価を受け続けている。言うまでもなく、この良好な業務の実績は、教職員の献身的な労働の賜物であり、国立大学の賃金を業務の実態を考慮して決定することを求める独立行政法人通則法の主旨に照らしても、一時金の増額こそすれ、減額することなど、それが例え凍結という形であろうと到底許されるはずはない。
  当然のことながら、5月21日に学長出席のもとに開催された団体交渉に於いて、組合は臨時勧告への対応見送りを要求したが、使用者側が社会一般の情勢への適合のみを根拠として提案に固執する姿勢を見せたため、交渉が決裂すれば、一時金の減額が凍結に留まらず直ちに削減にまで繋がる危険性が生じた。一方、学長は交渉中、今回の提案が一時金の削減ではなく、あくまでも凍結であり、従って、解凍後に支給される可能性を残していることを示唆し、その扱いについては8月の人事院勧告を参考にしつつ、早期に交渉を持ち、組合との協議の上決定することを約束、さらには、今後人事院が増額勧告を行った場合、完全実施することが妥当であるとの見解を示したため、組合は、5月22日の臨時大会を経て、その発言の内容を労働協約として確認することを条件に使用者提案に同意することを決定し、5月25日の団交における合意成立、および、5月28日の協約締結に至った。
  6月末の一時金は、「改正」された就業規則の付則に従い、0.2ヶ月分を凍結した上で支給された。しかしながら、労働協約が確約するとおり、本年度6月期の一時金削減は提案さえされていないというのが偽らざる事実である。従って、凍結された一時金の金額の取り扱いを含め、2009年度以降の賃金を巡る交渉は未だその緒に就いてさえいないのである。
  私たち熊本大学教職員組合は、全国立大学法人中最低の賃金水準という憂うべき現状をさらに悪化させ、教職員の意欲の低下と優秀な人材の枯渇により国民に対する質の高い教育研究と医療の提供という地方国立大学法人の使命の遂行を一層困難にする労働条件の一方的切り下げを許すことなく、学内・外情勢の迅速な分析に基づく要求提示と協議における徹底的な追及を活動の核とし、幅広く、かつ、効果的な運動を展開することをここに宣言する。
  以上、決議する。

2009年7月30日                                           熊本大学教職員組合2009年度定期大会



赤煉瓦目次へ