No.14
2009.10.9
熊本大学教職員組合
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10月1日、給与問題について
労使協議を行いました
− 第一回目の団体交渉は10月15日に −

  人事院勧告に対応した給与問題について、10月1日に労使協議を行いました。この労使協議は、新政権が誕生し、人事院勧告の扱いさえもどのようなものになるか分からない情勢のなかで、5月28日に締結した「労働協約」を実質化するために行ったものです。

人事院勧告に対する大学の方針は?
  使用者は、9月4日の役員会で人事院勧告に対する方針を決定し、9月10日に組合へその方針の説明を行いました。その際の説明は、「09年度人事院勧告を重要な参考資料として対処する」という、従来の姿勢と何ら変わらないものでした。その後、新政権になり、情勢も変わりつつあるなか、熊本大学としての勧告への対応に変化があるのかを組合は問いただしました。これにたいする森理事の回答は、「9月4日以降も使用者側としては、対応に変化はない。国や他大学の動きを注視しているが、現時点では人勧通りにするしかないのではないかと考えている」というものでした。
  しかし、その一方で、「これ以上、熊大教職員の給与を引き下げることは、使用者としてもできればしたくはないのですよね」との組合の質問に対して、理事は、「熊大として、これまでも積極的に給与を引き下げたいと思ったことはないし、今回もやむを得ずということだ」、そしてさらに、組合からの「もし、政府の姿勢が緩めば、人事院勧告通りにしなくてもいいと考えるか」という問いには、「今までは閣議決定が大学に届いていたが、そういった前提が変われば、熊大もそれに応じて対応を新たに検討しなければいけない」と回答しました。

政府への働きかけは!?
  組合は、新政権の誕生は国立大学法人制度の歪みを改める可能性がある機会だと考えています。そもそも民主党は、「国立大学法人法案」には反対の立場だったのです。法人化によって大学の自主性は拡大するとしながらも、文科省の評価制度に縛られ、運営費交付金を握られ、大学はまさに「官僚支配」のなかに置かれ、自主性を奪われているのです。給与問題は、その最たるものに他なりません。
  現在、民主党政府は、「官僚支配の打破」、「教育研究の充実」を掲げており、まさに今こそが、国立大学法人の置かれている状況の改善を学長が政府に対して働きかける絶好の時期だと組合は考えています。この状況を踏まえ、組合は、「学長(大学)は政府に対してどのような働きかけをしているのか」と尋ねました。理事の回答は、「国大協で何かをするということはまだ聞いていない」、「明確ではないが、学長の集まりのなかで、国に対して働きかけようという動きはある」という歯切れの悪いものでした。組合は、「国大協に対してはもちろんのこと、全国でも最低の給与水準となっている九州地域の他大学の学長たちとも連携し、政府及び地方選出議員等に積極的に働きかける」よう強く要望しました。また、そのような働きかけを行った場合には、組合に報告することを求めました。

今後のスケジュール
  12月期のボーナス支給を考えれば、それほど時間的猶予はなく、10月15日に団体交渉を行うことになりました。使用者としては10月中をメドに結論を出したいと考えているようです。組合は、団交には学長及び財務担当理事が出席することをあらためて要望しました。

使用者側が給与引き下げを提案する場合の組合の要望
  組合が給与引き下げに断固反対の立場であることに変わりはありません。かりに引き下げを使用者が提案する場合には、その引き下げによって生じる財源の総額を明示し、その財源を必ず人件費に使用すること、そして、給与引き下げに対する代償措置も併せて提案することを要求しました。

特定有期雇用職員問題について
  特定有期雇用職員の雇用期限については、再交渉になったままです。当事者の方々は、どうなっているのか、心配されていることと思います。この問題の進捗状況について、組合は、「次の交渉をいつにするのか」を確認しました。理事は、「前回の団体交渉を踏まえ、現場へ赴き職場の状況等を聞くことにより、当事者にとっても、そして、大学(病院)にとってもより良いものにしたいと考え、現在、再検討を行っており、この件に関しては11月くらいまでには何らかの方向性(方針)を出したい」と回答しました。これを受けて、組合は、当事者の方々のことを考えれば、年内には結論を出す必要があると伝えました。
  これ以上の給与の引き下げは、我々の生活と熊本大学の将来に決定的な影響を与える死活問題です。我々は、すでに、2006年度に強行された平均4.8%もの大幅な賃下げによって、耐え難い損失を被っているのです。教職員全員、力を振り絞って闘っていきましょう。

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