執行委員や書記局員あるいは一般組合員からの投稿を掲載するコーナーです。組合の主張や思いを少しフランクな表現で発信します。皆さんからの投稿はこちらで受け付けています。



組長の「あさってのこころだ!」其の2 (2006.12.18) [pdf版]

その1:教育基本法
 改正教育基本法が成立してしまいました。演劇集団the News Paper曰く:「ゆとり教育」から国の「いうとおり教育」へ変っちゃうのでしょうか。それにしても、右翼団体「一水会」を創設し、40年にわたって右翼運動・愛国運動を展開してきた鈴木邦男さんが、
「愛国心は心の中に持っていればいい。口に出したら嘘になるし、他者を攻撃する武器になる。」(論座2006年3月号)「愛国心を教えることがどれだけ危険かということをよく考えるべきだと思います。」(季刊教育法No.150)と言っているにもかかわらず・・・・・
創価学会名誉会長の弛田大作さんが、
「断っておきますが、私は『教育基本法』の見直しについては、拙速は慎むべきだと思っております。前文や1条に謳われた理念は、それ自体文句のつけようのないものですし、また、条文に郷土や伝統、文化等の文言を盛っても、それだけでさしたる実効が期待できるとは思えません。まして、『教育勅語』の徳目の復権など、それらが戦前の天皇制、家父長制のもとでどのような役割を演じてきたかを考えるなら、時代錯誤以外のなにものでもないでしょう。」(「教育のための社会めざして」創価学会HP、「教育基本法:見直すより大いに生かせ」朝日新聞2001年5月23日も参照)
と言っているにもかかわらず・・・・・
国会や公聴会で意見陳述した有識者たちが、
「私たちが述べた審議すべき重要な課題について、衆議院の特別委員会ではほとんど審議されませんでした。中央公聴会の場合は、私たちが述べたことは、一度も審議する時間もないままに与党のみによって法案採決が行われました。」(「【アピール】公述人・参考人として教育基本法案の徹底審議を求めます」)と訴えたにもかかわらず・・・・・
そして熊本大学の理念が、
「本学は、教育基本法及び学校教育法の精神に則り、知の創造、継承、発展に務め、知的、道徳的及び応用的能力を備えた人材を育成することにより、地域と国際社会に貢献することを目的とする。」(「熊本大学の立つところ目指すところ!」)と謳っているにもかかわらず・・・・・
変っちゃいました。どうする?!


じんじいん かん
その2:2006年人事院勧告
 8月に出た人事院勧告のこと、何か書こうと思っているうちに、「赤煉瓦」や「やまくら〜ズ」に先を越されてしまったので、絵だけ描きました。人事院勧告は独法化後も、重要な参照基準だとは思うのだけれど、どうしても納得できないことまで鵜呑みにする必要はないし、縛られる義務もないと思うのですが。そういえば、むかし、岡林信康の歌に「それで自由になったのかい」ってあったですね。もっとも、組合もかなり皮肉った歌詞だった気もするけど・・・・・

創刊号 組長の「あさってのこころだ!」 (2006.07.20) [pdf版]

 先日、久しぶりに小沢昭一を見た。ご本人には失礼なのだが、「これが見納めかな」という思いもあって、時間を割いて見に行った。77歳。ピアノを傍らに配した舞台の中央にマイクが一本。白のスーツ姿の小沢昭一のぽっねんとした「歌謡トークショー」といった風情だった。さすがに観客を飽きさせないあっという間の90分。
 別に小沢のファンというわけではない。何本か芝居を見たことがあるが、記憶は漠然としている。「強いばかりが男じゃないといつか教えてくれたひと」というのが唯一思い出せる演目。芝居の内容はなにも思い出せないが、観劇後、やたらカツどんが食べたくなる芝居だったような(?)気がする。
 そんなこんなの小沢昭一の舞台。昭和初期の流行歌、童謡にはじまり、蒲田での子ども時代の思い出、長崎の海軍兵学校での敗戦、死臭漂う広島、名古屋での「斬り込み隊」脱走、一面焼け野原の東京。そして全財産はたいてやっと手に入れたハーモニカのはなし。小沢の体験を谷川俊太郎が作詞した「ハーモニカブルース」をじっくり聞かせた。だが暗くない、むしろずっと笑っていたような気がする。しかし、ゲラゲラ、コロコロの笑いを通して、「戦争だけは金輪際まっぴらごめんだ!」のメッセージが確実に伝えられていた。感心し、感服し、そんな技量をうらやましく思った。

 翌日、「学長挨拶」に出た。ふつう、入学式などで学長挨拶といえば、「学長が挨拶する」のだが、この時期の組合の用例では、「学長に挨拶する」ことを言う。業界用語は難しい。ともかく、久しぶりに崎元先生にお会いし、組合に対しても率直な感想を伺うこともできた。とりわけ、労使関係の現状に関して、「けして良好な関係とは言い難い」という認識はまったく同感。もちろん、その要因については労使双方に主張はあろうが、「互いに疑心暗鬼になり、話し合いに入る前に身構えてしまう」状態は、大学の将来にとっても好ましいものではない。なんとかしたいな、と正直思った。
 と思ったが、すこし時間がかかるだろうな、との思いもよぎった。個人の関係ならともかく組織と組織の関係だから一朝にしてというのも難しかろうな、と。コロコロと談笑しながら互いにメッセージを伝えあえたらどんなにいいことか、とつくづく思う。小沢昭一はやっばりエライ!

 そこで(どこで?)、組合活動「ズブ・シロウト」(「赤煉瓦」no.1参照)の今期委員長であるぼくは、個人として感じたこと、考えたことを自分の言葉で発信していこうと、なんの脈絡もなく、なぜか考えた。どんな意味があるのか自分でもよくわからないが、ともかくその第一弾がこれ。ライバル紙は「やまくら〜ズ」(青年部機関紙)といったところか。
鈴木組長近似影
鈴木組長近影
 さて、件(くだん)の小沢昭一の舞台。「ハーモニカブルース」でしみじみと幕が降りないところが小沢の小沢たるゆえん。突如ミラーボールが降りてきて、ラジオ番組「小沢昭一的こころ」のテーマソング「あしたのこころだ!」を軽やかに歌い上げ、エンディング。この能天気さがとてもいい。これにあやかって、このレターの副題を「あさってのこころだ!」にした次第。要は次がでるかも分からない、ということ。ちなみに、「組長」は労働組合委員長の略。「乞うご期待」と言いたいところだが、この企画、はたして書記局のお許しをいただけるかどうか。 まあ、それも含めて、あさってのこころだ!