No.50
2003.5.30
熊本大学教職員組合
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当局は組合の「要望書」に対し、
直ちに「回答」を示せ!

  熊本大学教職員組合は、国立大学協会法人化特別委員会の石弘光委員長名による「国立大学法人制度運用等に関する要請事項等について(検討案)」(5月7日付け)なる文書が各国立大学長に送付され、5月15日午後5時までに意見を寄せるよう依頼がなされたという情報を入手した。その内容は、現在国会で審議中の「国立大学法人法案」が可決成立された場合、来年4月1日からこの法案を適法的に実施することがほとんど不可能であることを前提に、法人化後の各種法令適用除外や制度運用上に関する配慮を政府に求めようとするものであった。
  このことに関し、われわれは5月12日、「この文書は、各大学に対して、違法・脱法行為を求めるというきわめて反社会的なもの」であり、「大学が違法・脱法行為に加担すること」があってはならず、「国立大学法人法案は廃案とすべきである」と明記し、国立大学協会法人化特別委員会に回答するよう、学長に「要望書」を提出した(赤煉瓦No.47、2003年5月13日)。

学長との会見
  当初、組合の副委員長、書記次長、書記の3名が職員係長を通して学長にこの要望書を渡す予定であったが、その後、学長に直接渡せることになり、午後3時10分頃、学長室で会見が実現した。学長は真摯に「要望書」に目を通されていたが、末尾にいたる頃を見計らって、組合は要望書の「なお、国立大学協会法人化特別委員会への回答後、どのような内容の回答をされたか、われわれ熊本大学教職員組合に速やかにお知らせくださいますよう、あわせてお願い申し上げます。」の箇所を指摘し、組合への回答を重ねて要求した。学長は、「いま各部局に下ろしており、その後運営会議で回答書を作る」趣旨の発言をされた。時間の制約もあり、早々に会見は終了した。会見後、別の会議室で職員係長と人事課専門員と学長交渉の日程の詰めをしつつ、先の「要望書」に対する回答の申し入れを行った。

全構成員に公言されるべき「回答」
  その後、各部局から出された意見を集約し、熊本大学としての回答が国大協に送付されたとのことてある(第4回運営会議、5月15日)。しかし、5月30日現在、組合の要望書に対する学長がらの回答は示されていない。違法・脱法行為に加担するが否かという極めて重大な問題であり、学長は国立大学協会法人化特別委員会に対して熊本大学としてどのような回答をしたのか、教授会に出席しない教員、職員などを含めて大学のすべての構成賃に公表すべきである。

人事課の対応
  この間、学長交渉の日程の件で5月20日に職員係長に連絡を取った際、「要望書」の回答について尋ねると、職員係長からは「『回答します』と約束した覚えはない」との返事であった。この発言に強く抗議したところ、「上に確認します」との返答があったが、26日(月)事務局でのやり取りで、「やはり『聞いておきます』ということでした」との人事課の回答が披露された。しかし、28日の書記長の再度の申し入れに対しても同様の趣旨の発言が繰り返されただけであり、「要請書」に対して学長から回答が得られない理由の説明はなかった。

  5月29日に開始された参議院文部科学委員会の審議日程、国大協法人化特別委員会(5月22日)、国大協理事会(5月30日)、国大協総会(6月10日)という日程から考えても、法人化後の各種法令適用除外や制度運用の問題は、国大協が「国立大学法人法案」に対する姿勢を示す意味で、極めて重要である。
  われわれは、学長および窓口となっている人事課に対して、これまで「回答」がなされていないことに強く抗議し、組合に対してただちに「回答」を示すよう重ねて要求するものである。


 

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