No.19
2004.11.4
熊本大学教職員組合
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過半数代表者の選出方法について合意がなされました

 赤煉瓦14号で、企画会議が組合の同意を得ないまま過半数代表者選出要項を決定したことをお知らせしました。またその案の問題点を指摘するとともに、この要項のもとでの選挙実施に断固反対することを表明しました。
 組合の求めに応じて、10月26日に過半数代表者選出方法についての団体交渉が行われました。団交において、組合は、暫定要項のもとでの選挙実施と、要項の修正すべき点を要求書として提出するとともに、その内容について役員会に持ち帰って検討し、改めて文書で回答するよう求めました。回答書は選出要項の修正案とともに28日に届きましたが、組合は基本的に要求書の内容が受け入れられたものと判断し、この修正案に基づいての選挙実施に合意することにいたしました。
 今回の使用者側との意見対立については、過半数代表者を選ぶと言う労基法に基づく労働者保護のシステムの根幹に関わる問題だったため、組合員の皆さんにも様々な不安を与えたかと思いますが、組合の意向に沿った解決がなされたことを報告いたします。

組合の要求と合意内容
1.
次回以降の選出方法については、選出された過半数代表者と組合及び使用者側の3者で協議して決めることについては、団交の席において口頭での了解を得ていましたが、回答書によっても確認されました。
2.
要項を今回の選挙限りの暫定要項とすることについては、「暫定要項」という呼び方自体は受け入れられませんでした。しかし、第29にこの要項が今回の過半数代表者選挙(補欠選挙を含む)のみに適用されることが明記されました。
3.
過半数代表者の権限から「(10)その他」を削除することについては、修正案では個別の権限を明示せず、公示の際に明らかにすることにされました。このことは組合が当初から主張していたことと一致します。
4.
選出された過半数代表者が任期途中でその資格を失った時の扱いは労使で協議することになりました。労使協定の締結状況など実情に応じて様々な方法があり得るのでこれによって柔軟な対応が可能になりました。
5.
立候補資格者について、「労基法41条2項に該当する管理監督者を除く」とすべきとの提案については、立候補有資格者が明確でないのは困るとの理由で受け入れられませんでした。この問題は、労働時間法の適用されない管理監督者の範囲と重なるので、「管理職手当を受け取るものは全て労基法第41条2項該当者」というような無責任な判断は許されません。今後、職員の労働時間管理のあり方の問題とあわせて、議論していく予定です。
6.
不在者投票を希望する者が、公示日前までに不在者投票届を出すという手続は廃止されました。学長選挙をモデルにした肥大化した選挙システムが、少し改善されました。

労働条件の決定を各種委員会に委ねるべきではない
 法人化に伴い、教職員の労働条件をどのように決めるかは法人の課題になりました。学長はその課題に企画委員会などの従来型の学内意思決定システムによって対応しようとしています。これには次の問題があります。まず第一に、専門的知識を持たない委員のために委員会ではその課題の趣旨から説明せざるを得ず、委員会準備のための職員の負担、委員会審議に臨むための委員の負担が膨大になることです。第二に、労働条件決定の課題は基本的には教学事項ではないため、主に教員による委員会では事務局作成案の大幅な変更は難しいことです。そして第三に、本来あるべき組合などの労働者側の関与が委員会審議中は排除されることです。
 この全ての問題が今回の過半数代表者選出要項決定をめぐる混乱の背景にあります。役員会は課題に応じて専門的知識を持つ対策チームを作り、そのチームが必要に応じて組合などと協議をしながら案を作っていくのが、事務負担軽減の上からも有効だと考えます。また、それが労働条件決定という法人化後に生じた新しい課題について、役員会の責任を明確にすることでもあります。

裁量労働制の検討に際して今回のような過ちを繰り返してはならない
 10月28日の教員人事専門委員会で教員の裁量労働制導入について検討することが決まりました。また同日の企画委員会では、次世代育成支援行動計画の立案作業を行うことが決まりました。どちらも基本的に労働条件事項であって、従来型の委員会システムで対応するのは困難な課題です。とりわけ裁量労働制は労使協定事項であり過半数代表者との協定が無ければ導入できません。また対象労働者からの意見聴取も過半数代表者の責任でなされるべきであり、教授会で導入を決めるということも許されません。
 労働条件の決定という課題は、使用者の責任を明確にした上で労使の協議を通じて対応すべきものです。従来の学内意思決定システムでは対応できないということを早く認識すべきです。

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