No.50
2006.4.10
熊本大学教職員組合
Tel.:096-342-3529 FAX:096-346-1247
E-mail:ku-kyoso@union.kumamoto-u.ac.jp
PDF版はこちら


学長の無責任な回答を糾弾する
このような態度では賃金引下げを求める資格は無い
教職員の皆さん、賃金引下げ拒否の声をあげてください

 4月に入り就業規則の改定は強行されました。組合は団交の機会が十分に保障されていないことから、組合の主張の論点を6回のニュースに分けて紹介し、その論点について公開質問状を提出しました。3月24日、公開質問状に対する回答が文書で示されましたが、それはまったく唖然とする内容でした。まず、組合の提出した質問とその回答を紹介します。

驚くべき回答の内容、学長は教職員の理解を求める努力を放棄した
質問1.
熊大職員の平均賃金の比較対象は全常用労働者の平均賃金と考えていますか。
[回答]厚生労働省の示した常用労働者の賃金です。
質問2.
熊大教員の賃金を県内8大学教員の平均賃金と比較しましたが、熊大教員の教育研究活動は県内8大学の平均的なレベルであれば良いと考えているのですか。
[回答]県内8大学だけでなく、他の地域についてもお話をしたものです。本学としては、全国レベルの教育研究が必要であると考えています。
質問3.
看護師の賃金についても、一般病院を含めたデータと比較していましたが、高度先進医療を担う熊大病院の看護師に対してそれは適切なことですか。
[回答]厚生労働省の示した14業種の中に医療・福祉関係も含まれていることの話をしましたが、看護師の賃金についての話はしていません。
質問4.
大学教員に地域給を導入することは熊大のような地方大学の将来に深刻な影響をもたらすとは考えませんか。
[回答]人材確保及び円滑な人事交流を推進するために必要と考えています。また、他の大学等においても人事院勧告を参考にし地域給が導入されるということであり、本学だけが行わないということは難しいところです。
質問5.
大学教員に地域給を導入させないための具体的行動をとる考えはありませんか。
[回答]上記4.と同様に人材確保及び円滑な人事交流を推進するうえで必要と考えています。教員に地域給を導入させないということは難しいところです。
質問6.
異動前の在職地域は職員の優秀度を測る尺度になるとお考えですか。また、移動前の在職地によって特別都市手当をつけるという方式は、優秀な人材確保に有効だとお考えですか。
[回答]人材確保のために必要であると考えています。
質問7.
幹部事務職員が人事交流職員で占められている状況について、是正する考えはありませんか。
[回答]人材確保の観点から人事交流は必要と考えています。さらに内部からの登用も考えています。

 一つ一つコメントをつけることは敢えてしません。唖然とするのは質問1への回答で、学長は熊大職員の賃金の比較対象が、非正規雇用の含めた全常用労働者の賃金だと言い切ったことです。学歴も職種も無視しますよ、という宣言です。到底受け入れられるはずがありません。学長は賃金引下げについて、教職員の理解を求めようとする姿勢を放棄しました。

教職員の皆さん、学長に対し賃金引下げを行わないよう要求しましょう
 就業規則は使用者が一方的に決めることができます。しかし、私たち個々の労働契約の内容は使用者側が一方的に変更できるものではありません。就業規則には労働契約内容を下支えする効果しかないので、就業規則によって一方的に賃金を引き下げることはできないのです。就業規則は国家公務員の給与法ではありません。

 しかし、黙ったまま4月の給料をもらってしまえば、労働条件の不利益変更に同意したとみなされます。ですから、今回の賃金引下げに納得できない人は至急その意思を学長に伝える必要があります。組合はその意思表示をより確実にするため内容証明つき郵便で送付することを提案しています。詳しくは赤煉瓦49号をご覧ください。

赤煉瓦目次へ