2009.7.22 |
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−特定有期雇用職員雇い止め問題 緊急アンケートの結果から− |
『赤煉瓦』№2(2009.7.17)で特定有期雇用職員の雇用期限の「見直し案」について、作られた経緯と内容を紹介しました。また、そこでは特定有期雇用職員の意向を踏まえた内容にすることを主張し、組合としてアンケートに取り組んでいることを紹介しました。 7月10日の特定有期雇用職員を対象にする説明会には、準備期間が短かったにもかかわらず、医療技術職員15名と看護師6名が参加しました。その後、参加されなかった方にもアンケート調査を行い、7月21日までに医療技術職員60名中46名、看護師約290名中176名の回答を得ました。きわめて短期間であったにもかかわらず、多くの方が回答くださったことは、特定有期雇用職員の方々がいかに関心を寄せているかを示しています。アンケートに回答して頂いた方々、アンケートの実施にご協力いただいた方々にあらためて感謝の意を表します。 見直し案は優秀な看護師・医療技術職員の確保につながらないことが浮き彫りに 「見直し案」の内容とアンケート結果は裏面にあげておきます。ここでは調査結果から浮かび上がった事実をいくつか箇条書きします。
雇用期限、退職金、更新手続などについて不満の声 自由記述欄にも多くの記載がありました。雇い止め問題に止まらず様々なご意見が寄せられており、今後の組合活動に役立たせていただきます。ここでは雇い止めの不安についての生の声をいくつか紹介します。
定員増・雇用期限の撤廃のための制度的障害はない アンケートの結果から正職員化に対する強い要求が浮かび上がりました。また、雇用期限の撤廃が無い限り抜本的な解決にはつながらないとの組合の主張の正しさも裏付けられています。 では、なぜ正職員化ができないのでしょうか。 確かに国家公務員時代は定数管理が政府によって行われていたため、大学が勝手に定員を増やすことはできませんでした。しかし、法人化後は政府からの定員管理を受けていません。定員増を概算要求するということもあり得ません。定員を増やそうとするならば大学として判断するしかないのです。大学が政府から求められているのは人件費の削減であって定員削減ではありません。 特定有期雇用職員の賃金面の待遇は正職員と殆ど同じですから、その部分の人件費増は生じません。実際、いくつかの大学では正規の看護師を大幅に増やしています。法人化とともに定員枠という正職員増を阻む制度的障害は無くなったのです。 次になぜ雇用期限の撤廃ができないのでしょうか。 フルタイムの定員外職員の雇用期限を3年にするという制限は、定員外職員の長期化防止策として政府の指導により作られたものです。しかし、この指導も法人化とともに意味を失いました。2006年度から熊大でも5年まで延長できるようになったのは、更新回数の制限については大学として判断できることになったからにほかなりません。 民間では更新回数に制限をつけない例や、非正規の職員を期間を定めない形で雇うことも広く行われています。労働契約の期間をどうするかは大学の判断で決められるようになっており、雇用期限を撤廃できない理由はありません。 使用者は当事者の意向を踏まえて「見直し案」を再考すべき アンケート結果により「見直し案」が人材確保策とはとてもいえないこと、抜本的改革のためには正職員数の拡大と雇用期限の撤廃が不可欠なことが明らかになりました。さらに法人化によって正職員数の拡大と雇用期限の撤廃のための制度的障害もなくなっています。 7月7日の学長との懇談において、組合は附属病院と当事者たちの意向を踏まえて最終的な方針を決めるよう求め、学長も基本的に同意しました。またこのアンケート結果は7月21日付で使用者側に提出しました。使用者側にはこのアンケート結果を参考に、特定有期雇用職員の雇用期限の見直し案の再考を行うよう求めます。
特定有期雇用職員の方へのアンケート集計結果
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