No.50
2001.4.12
熊本大学教職員組合
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発生研任期制教員の再任審査に関する緊急アンケートを行いました
---集計結果報告 ---


 赤煉瓦 No.42でお伝えしたように、「熊本大学発生医学研究センター教員の再任審査等に関する内規」(以下「内規」と略)が医学部教授会で承認されました。これは、昨年 4月、熊大ではじめて任期制が導入された発生医学研究センター(以下「発生研」と略)の任期制教員の再任審査の手続きを定めたものです。これを受け、熊大教職員組合医学部支部では本荘・九品寺地区の教員を対象に、この内規に関するアンケートを行いました。ご協力頂いたみなさま、ありがとうございました。以下にアンケートの集計結果を報告いたします。記述による回答は原文のまま全て掲載しました。なお、このアンケート結果についての解説は、次回以降のニュースで行う予定です。


 平成 13 年 3 月 22 日に、平成 12年度の職員録に基づき、医学部(本荘・九品寺地区のセンターを含む)のすべての教官370 名に学内便でアンケートを配布しました。この際、赤煉瓦 No.39(センター長・学部長との懇談・交渉に関する記事) と No.42(「内規」の解説記事) も同封しました。そして締切までに 41名から回答がありました。

1. あなたの所属は。

 医学部基礎(13) 医学部臨床(10) 附属病院(11) 発生研(2) 他のセンター(1) その他(3) 無回答(1)

2. あなたの職は。

 教授(8) 助教授(6) 講師(8) 助手(18) 無回答(1)

3. 発生医学研究センターで任期制が導入されたのを知っていましたか。

 知っていた(25) 知らなかった(15) 無回答(1)

4. 教職員組合は昨年 12月、任期制について発生研センター長・医学部長と話し合いの機会を持ちましたが、その事を知っていましたか。

 知っていた(13) 知らなかった(28)

5. 「内規」が医学部で審議されていたのを知っていましたか。

 知っていた(14) 知らなかった(27)

6. 先の組合とセンター長・学部長との話し合いで、再任の規則を決める時には当事者である発生研の構成員の意見も聞く事になっていました。あなたの意見が表明できる機会がありましたか。あった場合は具体的に。(発生研の方のみご記入下さい)

 あった(1) なかった(1)

7. 「内規」で定められている業績評価委員会の構成についてどう思いますか。できれば具体的に。

 賛成(16) 反対(3) 分からない(18) 関心がない(3) 無回答 (1)
  • 大賛成 (賛成)
  • そもそも任期制に反対。発生医学研究センターの教官 (教授)が入っていないのは何故か。 (反対)
  • 医学部の教授は構成員になるべきではない。なぜなら別組織であり、医学部は任期制を取っていないから。(反対)
  • 「評価」というものがどういうものなのか、まだはっきりしていないので、誰がすべきかという事も判断できない。(分からない)
  • 内規のメンバーで正しい決定が可能なのか?イメージが浮かばない。(分からない)
  • 発生研は医学部所属ではないにもかかわらず、医学部長が権限を持つという意義が分からない。(分からない)
8. 「内規」に定められている教授の再任審査手続きについてどう思いますか。できれば具体的に。

 賛成(19) 反対(2) 分からない(16) 関心がない(3) 無回答 (1)
  • 大賛成 (賛成)
  • 再任の可否の判定の基準 (業績評価を含む) が明らかにされていない。恣意的に運用されるのではないかとの不安が残る。(反対)
  • 評価項目に「本学の管理運営」があるが、不要と思う。研究・教育のみで評価すべき。(反対)
  • 教授会の 2/3 以上の賛成が必要というはきびしすぎる。(反対)
  • 2/3以上の賛成は厳しすぎる。(反対)
  • 再任に 2/3 以上の可票が必要というのは、厳しすぎると思う。(分からない)
  • 5 年間の任期を 3年半の業績で評価することには、指摘されているようにちょっと不自然さ、無理を感じる。(分からない)
9. 「内規」に定められている教授以外の教員の再任審査手続きについてどう思いますか。できれば具体的に。

 賛成(16) 反対(9) 分からない(13) 関心がない(2) 無回答 (1)
  • 確かに完全ではないが、この分野の業績評価はかなり客観的で、また研究室間の風通しもよいので、異なるLabのフィードバックもかかり、不適切な手続きは起こらないと思う。(賛成)
  • 直属上司の教授の関与はない方がよい。(反対)
  • 所属分野の教授による業績評価に不安を感じる。(反対)
  • 助教授には教授とは independentな立場で研究している場合が多いので、教授と同じ再任手続きにすべきである。(反対)
  • 所属分野の教授 (1 名を指しているように思うが)に決定権があると、意に添わない研究者は除かれてゆく危険がある。(反対)
  • 教授以外の教員の立場が、教授に対して一方的に弱くなる。再任の可否の判定の基準(業績評価を含む)が明確にされていない。(反対)
  • 教授が評価することに反対。客観的立場の者がすべき。(反対)
  • 教授とそれ以外の教員で手続きが異なる必要があるのか疑問。再任されない教授が助教授等の評価を行うという事もありうる事になる。(分からない)
  • 教授会の 2/3 は上と同じ。(註: 厳しすぎるという意味)(反対)
  • 「再任をしない場合は 2/3 以上の反対があった時」とすべきである。「2/3以上の賛成がないと再任しない」は厳しすぎる。(反対)
  • 一年半前は、厳しいと思われる。(分からない)
10. その他「内規」について、任期制について、組合についてなど、ご意見をご自由にお書き下さい。
  • 完全無欠な内規を作る事は不可能で、本内規も不備な点があるかも知れない。しかし内規は守るためのものでなく、研究者および研究のためのものであり、運用にflexibilityを持たせる事もできるし、医学部関係では従来そうしてきた。本センターの設立は任期制を含めて国内で大変評価が高いし、応募者も多く、大変よい選考が出来た。業績評価については一般の企業はもっときびしく、大学はまだ甘い。
  • 発生研の教官がこの内規で納得しているかどうかが重要と思う。
  • 手続きの問題にもなるが、どういう主旨でこの様な内規の内容になったか(したか)が明らかでないので、判断しにくい面がある。
  • そもそも何の為に任期制を導入したのかがはっきりしない。導入の主旨によって再任審査の基準や方法も変わってくると思われる。
  • 研究・教育というものを評価することが本当に可能なのか疑問に感じる。
  • 教員の流動化は必要と思うが、評価法、任期、全てのポストが任期制で良いのかどうか、たとえば半分ずつに分けて初めに選択できる様にするなどの方法もあるのではないかと思います。
  • 任期制導入に反対。しかし、tenure と非 tenureの両立から考えるべきだ。任期制導入は欧米スタイルかも知れない。それならば、サバティカルシステムも何故同時に導入しない。
  • 任期制という考えには賛成だが現状では(終身雇用がベースになっている日本)問題があり、意にそわない研究者は除かれる危険がある。
  • この内規の作成においては教授以外の教員の同意は得られてないと思います。このまま内規が成立することには反対です。
  • 全く私達には知らされていなかった。教授は何も教えてくれない。密室での決定は、民主主義の現代許されないと思われる。3年位で、本物の仕事、研究ができるほど甘くないと思う。
  • 構成員の全く知らない所で決定するのは民主主義ではないと思う。
  • 決定の方法については、問題があると思われます。任期制については、熊大の附属機関であるならば、多少大学の規約に従うような気もします。
  • 大学の動きを組合ニュースで初めて知ることも多くあります。これからも適宜、ニュースで情報を知らせてください。
  • 任期制は自分たち自身に降りかかってくる問題なので非常に重要なことと認識している。しかし、業績を上げるために、本務にいっそう集中しなければならなくなり、任期制問題についての情報は赤煉瓦だけ、という現状です。

 

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