No.33
2003.2.10
熊本大学教職員組合
Tel.:096-342-3529 FAX:096-346-1247
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これでは最悪の「法人化」!!
「国立大学法人法(骨子素案)」
が明らかに!!

  『赤煉瓦』28(2003.1.17)では,文部科学省調査検討委員会「新しい『国立大学法人』像について(最終報告)」(2002年3月)からもかけ離れた内容の法案準備――法人化が「民営化」の第一歩となる危険性の高い法案準備――が秘密裏に進められていることをお知らせしました。その後の動きと「国立大学法人法案」反対の取り組みについてお伝えします。

「国立大学法人法(骨子素案)」が明らかに

  1月31日開催の国大協法人化特別委員会の後には,「国立大学法人法案の概要」(2003年1月),ならびに国大協法人化特別委員会法制化対応グループ「『国立大学法人法案の概要』について」(2003年1月31日)が明らかにされ,2月7日には「国立大学法人法(骨子素案)」が明らかにされました。「国立大学法人法(骨子素案)」は,入手した独立行政法人反対首都圏ネットワーク事務局によれば,先の『赤煉瓦』28でお伝えした2002年12月25日付の「国立大学法人法案の概要(骨子素案)」に対応したものです。

これでは最悪の法人化!!

  「国立大学法人法案の概要」(2003年1月)を見ると,2002年12月25日付「国立大学法人法案の概要(骨子素案)」の枠組みで法案の準備が進んでいます。設置者を国ではなく国立大学法人とする点(いわゆる「間接方式」),学外者が2分の1以上を占める「経営協議会」の強大な権限,学長権限の強大化とその学長を外部からコントロールする仕組みなど,2002年12月25日付「国立大学法人法案の概要(骨子素案)」の枠組みのままです。なかには,それよりも後退した点が見られます。たとえば,評議会の名称が「教育研究評議会」と改められ,評議会の権限が教育研究(教学)分野の審議に限定され,学長選考に関する以外は法人の管理運営から排除されることがさらに明確化されています。
  また,2月7日に明らかとなった「国立大学法人法(骨子素案)」を見ると,国立大学法人としての独自性はほとんど存在せず,全体の構成は独立行政法人通則法の通りになっています。
  このように,現在準備されている法案は大学の特殊性を配慮したものとはまったく言えない内容です。これが実現すれば,「大学の自主性が拡大する」ことなど絶対にあり得ない,いわば最悪の「法人化」となってしまいます。

良識を失った国大協!?

  ところが,驚くことに国大協法人化特別委員会法制化対応グループは,現在準備されている法案を文部科学省調査検討委員会「新しい『国立大学法人』像について(最終報告)」(2002年3月)に大枠で合致したものと主張しています(「『国立大学法人法案の概要』について」(2003年1月31日)。一体どういうことでしょうか。「設置者は国であるとの基本的枠組みを維持する必要あること」は,国大協法人化特別委員会自らが2002年11月5日の「国立大学の法人化に関する法制的検討上の重要論点」で主張した点でした。国を設置者とすることは文科省でさえ強く主張したものです。現在準備されている法案では,設置者を国立大学法人としていますが,それを国大協法人化特別委員会法制化対応グループは“「国を設置者とする」との提言を実質的に実現したものと理解することができる”と述べています。こんな馬鹿げたことがあるでしょうか。国大協法人化特別委員会法制化対応グループは,大学関係者としての良識どころか,社会的良識すら欠いている(自らの発言に対する責任放棄)としか思えません。設置者を国立大学法人とすること=学校教育法の第2条を「国(国立大学法人)を含む」に改めることは,国立大学の経費負担の直接的責任を国立大学法人に転嫁し,国が経費負担を回避することを可能にするもの(必要最小限にも満たない運営交付金を交付すれば,他は法人の自己収入でまかなうべきという論理を法的に可能にするもの)に他なりません。
  これは象徴的な一例にすぎません。国大協法人化特別委員会法制化対応グループ「『国立大学法人法案の概要』について」(2003年1月31日)には,強弁や詭弁の類が多く含まれています。しかも,国大協は重大な問題を孕んだ法案を総会で議論することないまま閣議決定させる方向で動いています。突如,教職員の身分を「非公務員型」とした昨年3月の文部科学省調査検討委員会「新しい『国立大学法人』像について(最終報告)」の「了承」でさえ,異常な手続きでなされたものでした。何の反省もないまま,それを越える非民主的な手続きで閣議決定を迎えるつもりなのでしょうか。
  もちろん,それは国大協の総意ではないはずです。宇都宮大・静岡大・滋賀大・高知大の四学長は,法案策定をめぐる状況説明と意見交換を行なうための学長会議等の開催を国大協会長へ要望しています(2003年1月27日)。いま,国大協執行部に求められるのは,最新の法案を社会に公開して検討に付すとともに,国大協の総意を踏まえるという民主主義の最低限のルールを実践することです。熊本大学教職員組合は,1月20日に委員長声明を発表するとともに,本学学長に「国立大学法人法案の概要(骨子素案)」と共通した内容の法案には反対の立場をとるよう申し入れを行ないました(『赤煉瓦』29,2003.1.22)が,本学学長が大学人としての良識を発揮されることを改めて強く要望します。

法人化をめぐる今後のスケジュール
 2月10日 国立大学長会議
 2月20日 国大協法人化特別委員会
 2月24日 国大協理事会
 2月末 法案閣議決定(25日・28日に定例閣議)
 4月以降   法案審議

  ここで取り上げた文書(@「国立大学法人法案の概要(骨子素案)」(2002年12月25日),A「国立大学法人法案の概要」(平成2003年1月),B国大協法人化特別委員会法制化対応グループ「『国立大学法人法案の概要』について」(2003年1月31日),C「国立大学法人法(骨子素案)」)は,すべて組合事務所にありますので,是非直接ご覧ください。ネット上では,独立行政法人反対ネットワーク事務局のHPで公開されており,詳しい解説も行なわれています。なお,「国立大学法人法案の概要」と国大協法人化特別委員会法制化対応グループ「『国立大学法人法案の概要』について」については,すでに本学でも運営会議を通じて各部局長に配布されていますので,各部局でも閲覧することができます。 

1月25日・26日「全大教第28回臨時大会」開催

  熊本大学教職員組合からは,代議員1名とオブザーバー1名が参加しました。今回の大会の主要な議題は,第2号議案「2003年春闘期のとりくみ」と,教職員共済大学支部の使途不明金問題をめぐる第5号議案「調査委員会答申」でした。
  熊本大学教職員組合は,「国立大学法人法」成立阻止の運動のために,新聞全国紙全面の意見広告と地方紙の意見広告を打つ運動(総額1億円の非常闘争資金の取り崩しによって行なう運動)を行なうよう,第2号議案について修正案を提出しましたが,残念ながら,賛成29と過半数(34)にわずか5票及ばず否決されてしまいました。第2号議案は,若干の修正のうえ賛成54・保留12・反対0で可決されました。
  第5号議案については,調査委員会の答申が賛成19・保留23・反対18で否決され,今後の対応の仕方は3月の臨時大会で決定することになりました。
  「国立大学法人法案」をめぐる運動について,全大教は3月27日に500人規模の中央行動を行ない,3月〜4月に『朝日新聞』紙上に半面サイズの意見広告を打つ予定です。

2月1日「国立大学の独法化・再編統合に反対する交流討論・決起集会」開催

  2月1日,東京大学農学部において,全国33大学・8団体,計130名余りの参加を得て「国立大学の独法化・再編統合に反対する交流討論・決起集会」が開催されました。熊本大学教職員組合からは委員長と書記局員の2名が参加しました。
  集会では,東京大学職員組合前委員長の田端博邦氏が『閣議決定前の情勢と「概要」』を報告した後,情勢と運動について討論を深め,「集会宣言」を採択するともに,『「国立大学法人法案」に反対する大学教職員交流連絡会』を立ち上げることを確認しました。
  『「国立大学法人法案」に反対する大学教職員交流連絡会』では,2月20日の国大協法人化特別委員会に対する共同行動,2月末の閣議決定に対する中央行動を行なうことを確認しています。
  私たち熊本大学教職員組合は,全大教,『「国立大学法人法案」に反対する大学教職員交流連絡会』に結集し,「国立大学法人法」成立阻止を目指して粘り強く運動していきます。


 

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