2003.7.14 |
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労働基準法の下で雇用を守り、 労働条件を良くしていくのは組合の力です |
7月9日,国立大学法人法案が参議院本会議で可決成立しました.組合では「国立大学法人法案に反対する大学教職員交流連絡会」に参加し,全国の組合・教職員と連帯して反対運動を続けてきましたが,ついに法案成立を許す結果になってしまいました.この間の文部科学省の不誠実な対応を含めた経緯については,「赤煉瓦No.1,No.3」等でお伝えしています.是非ご覧下さい.このニュースでは法案が成立した現状を踏まえ,労働基準法の下での組合の果たすべき役割について述べるとともに,すべての教職員の皆さんに組合への加入を訴えます.なお,個別の具体的な教職員の勤務条件等に関するニュースについては随時作成し,お届けしていく予定です. ますます重要になる組合の役割組合の役割で最も重要なのは,勤務条件を改善し働きやすい職場を作ること,雇用を守り安定した生活を確保することです.しかし,公務員制度の下では勤務条件は法律で定められており,大学内で改善できることはごくわずかに限られていました.また雇用についても公務員の身分保障によって,解雇は正当な懲戒手続きなどごく限られた範囲に限定されていました.法人化によってこれが大きく変わります. まず,勤務条件については労働基準法が適用されます.これはすべての労働者に対して満たされなければならない最低の基準であって,現在の勤務条件を維持するためにはその内容を就業規則・労働協約に盛り込ませなければなりません.この就業規則の作成には過半数代表者(組合)の意見聴取が義務付けられており,組合をつうじて個々の要求を出すことが可能になります.組合の要求が就業規則に盛り込まれなかったときには,交渉によって実現を目指します.交渉で合意されたことは労働協約としてまとめられ,就業規則より強い効力を持ちます. 雇用の確保については,身分保障がなくなるため,経営状況が悪化した場合には合理化・人員整理などの今までなかった事態が生まれる可能性があります.このような方策を安易に取らせないために,組合は就業規則,労働協約で解雇事由の制限を目指します.特に,教員については教育公務員特例法の精神を生かした就業規則を要求する必要があります.しかし,それでも不当配転・不当解雇の可能性はゼロではなく,それを許さない組合の運動が必要になります.過半数組合の実現を就業規則に組合として意見を述べるためには労働者の過半数を組織することが必要です.また,労働基準法では時間外労働を行うには使用者と過半数労働者の代表とが「時間外・休日労働に関する労使協定」を結ぶことを義務付けています.組合が過半数を組織していれば,組合として就業規則への意見聴取に応じ,また労使協定に関する交渉を行えます.超過勤務の命令に時間数制限など様々な制約を要求することができ,それに違反した実態が生じれば協定違反として当局を追及できます. しかし,組合の組織率が過半数に届かなかったらどうなるでしょう.その場合,何らかの方法で過半数労働者の代表者を選出することになります.組合が無かったり,あってもあまりに弱体な場合には,この代表者の選出は使用者の意向に沿って行われがちです.結果として,使用者の思惑通りに勤務条件が決定され,労働者の声は反映されなくなります. 労働者の声を勤務条件に反映させるためには,過半数の労働者を組織した組合が不可欠です.その実現のためすべての教職員の皆さんに組合への加入を呼びかけます.皆さんの声を組合にお寄せください組合では,就業規則などの問題を検討するため,法人化対策専門委員会を設置しました.委員には教官だけではなく事務官,技官,看護師,定員外職員など各職種の方に加わっていただいています.今後,この委員会を中心に各職種の要求の把握に努め,就業規則への意見聴取や,労使協定の協議に備えます.皆さんの声を組合にお寄せください. |