No.41
2007.4.9
熊本大学教職員組合
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使用者側が立看板等の撤去を要求、
組合は拒否
―不当な撤去要求に抗議する―

 周知のように、熊本大学教職員組合は2007年4月2日、給与交渉における使用者側の不当労働行為に断固抗議する立看板を3枚設置し(赤門、本部前門、大教センター前)、あわせて、3月26日付で発表した抗議声明文50枚を学内各所の樹木等に掲示しました(ともに設置期間は約1ヵ月間)
 これに対して使用者側は同日午後に、"入学式という時期を考慮して欲しかった"という意向を組合に伝え、次いで翌日には以下の文書で立看板及び掲示声明文の撤去を要求してきました。

平成19年4月3日

熊本大学教職員組合
 執行委員長 鈴木 桂樹 殿

国立大学法人熊本大学理事
森 光昭          
(人事・労務担当)      

可搬式掲示板について

  平成19年4月2日に熊本大学教職員組合が設置した立看板及び掲示ビラについては、国立大学法人熊本大学職員就業規則第33条第2号及び第5号並びに労使関係に関する労働協約第14条第3項の規定に抵触する恐れがあります。
  ついては、可搬式掲示板の早急な撤去を求めます。
 この文書が引用する「熊本大学職員就業規則」と「労働協約」の条文は以下の通りです。
【熊本大学職員就業規則】
第33条 職員は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(2) 熊本大学の名誉及び信用を失墜させるような行為を行わないこと。
(5) 熊本大学の敷地及び施設内において、良好な教育研究環境の維持に努め、喧騒その他秩序・風紀を乱さないこと。
【労働協約】
(掲示板の利用)
第14条 組合は掲示を行う場合原則として所定の掲示板において行うものとする。
組合は前項の規定にかかわらず組合が屋外において可搬式の掲示板を使用する際には、場所、使用期間について大学に届け出るものとする。
組合は前2項の掲示版の使用に際しては良好な教育研究環境の維持及び学内における安全かつ円滑な通行の保持に努めるものとする。
 組合は、立看板等の撤去を拒否しました。その理由は以下の通りです。
 第一に、使用者側が撤去要求の根拠としている上掲の就業規則第33条第2号及び第5号については、就業規則制定時
(2004年3月)に、これら条文が教職員組合の集会・デモ・マイク宣伝や立看板設置を規制するものではないことを過半数代表者と使用者との間で確認している、という事実があります。その証拠に、上掲の労働協約第14条には、組合の可搬式掲示板設置の権利が明記されています。したがって、使用者側が就業規則第33条の条文をもって組合に立看板の撤去を求めるのは、労使間の確認事項及び労働協約の規定を無視した不当な行為です。
 第二に、もし立看板の「熊大使用者の不当労働行為に断固抗議する!/役員・渡り鳥官僚は厚遇 一般教職員は冷遇」の文言が「熊本大学の名誉及び信用」を失墜させると使用者側が考えるのだとすれば、それも不当です。
言うまでもないことですが、誠実交渉か否かは団体交渉の開催回数によるのではありません。『赤煉瓦』39
(2007年3月26日)でお伝えし、同日付の抗議声明文にも明記したように、団体交渉事項に関する決定権を持たない者が給与交渉の基礎となる経営上の数値の提示を拒絶したまま、組合の根拠ある要求を10ヶ月間も放置した挙句にゼロ回答するという使用者側の行為は、過去の判例に照らしても、明らかな誠実交渉義務違反=不当労働行為にあたります。「厚遇 冷遇」文言も含めて、組合は不利益緩和と異動保障制度を主題としたこの間の団体交渉で明らかになった事実を、立看板と抗議声明に表現したに過ぎません。使用者側に意見があるなら、事実と論理に基づいて組合に伝えるべきであり、それなしの撤去要求は思想・信条・言論及び表現の自由への介入と言わざるを得ません。
 第三に、使用者側は撤去要求の根拠に労働協約第14条第3項をあげていますが、現状が教育研究環境を阻害しているとは思えませんし、ましてや「安全かつ円滑な通行」を妨げている状況にはありません。使用者側は、立看板と抗議声明の何がどのように教育研究環境に影響すると考えるのでしょうか? 事実と論理に基づいた説明を求めます。
 最後に、"入学式という時期を考慮して欲しかった"という使用者側の意見について。『赤煉瓦』
25(2006年11月28日)、同36(2007年3月14日)、同39(2007年3月26日)でもお伝えしたように、使用者側は組合の客観的根拠に基づいた勤勉手当アップ要求を2006年5月以来、放置しつづけ、ついに交渉の基礎となる数値さえ示さずに2007年3月20日に交渉を一方的に打ち切り、同26日の役員会で給与改定を強行しました。組合は、昨年5月からの10ヶ月間、いつでも立看板を設置することができました。しかし、労使協議や団体交渉を円滑に進めるため、またオープン・キャンパスをはじめとする対外的行事や入試等に配慮して、自制してきました。にもかかわらず、3月20日の交渉打ち切り、26日の役員会決定に至ったいま、抗議の意思を示すのに一刻の猶予もならないと判断し、4月2日の立看板等設置に踏み切ったのです。
 組合は熊大使用者の不当な撤去要求に抗議するとともに、使用者に労使間の交渉についての最低限の常識をわきまえることを強く求めます。

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